天保十二年のシェイクスピアとは井上ひさしによる戯曲、またはその戯曲を元に上演された舞台の総称である。
概要
シェイクスピア全37作品全ての台詞・シチュエーションを盛大にパロディ化、さらにエロと暴力と任侠で過剰にデコレーションした大作。
音楽劇の形をとっており、各シーンに必ず1曲は歌が入る。歌詞やタイトルも井上ひさし自らの手によるもので、こちらも全てシェイクスピア作品のパロディになっている。
上記の特徴から、井上ひさし戯曲にありがちな左翼的思考もほとんど登場しないので、井上ひさしが苦手な人でもとっつきやすい内容になっている。
上演記録
1974年1月5日~2月3日 西武劇場
出演:木の実ナナ/峰岸隆之介/高木均/勝部演之/観世栄夫/根岸明美/稲野和子/他
いわゆる「初演版」「オリジナル」と呼ばれるバージョン。
上演時間が4時間を越えたため、賛否両論であったそう。
上演中、終電に間に合わないため途中退場する観客も続出したとか。
おそらくこのバージョンで再び上演されることは今後二度と無いと思われる。
2002年3月5日~24日 赤坂ACTシアター
2002年3月30日~4月7日 厚生年金会館芸術ホール
出演:上川隆也/沢口靖子/古田新太/池田成志/阿部サダヲ/橋本じゅん/他
いわゆる「いうのえひでのり版」「劇団☆新感線版」と呼ばれるバージョン。
劇団☆新感線のいのうえひでのりが演出し、ロックテイストとケレン味たっぷりの刺激的な舞台に仕上がった。
ただし、戯曲はオリジナルそのままではなく、戯曲を再構成した短縮バージョン(アレンジは鴻上尚史が担当)であるため、この戯曲の最大の特徴である「シェイクスピア全37作品を網羅する」というお約束が守られていない。この点においてはファンの間でも評価が分かれる。
2005年9月9日~22日 Bunkamuraシアターコクーン
2005年10月28日~11月6日 シアターBRAVA!
出演:唐沢寿明/藤原竜也/篠原涼子/夏木マリ/高橋惠子/勝村政信/他
蜷川幸雄演出。いわゆる「蜷川版」と呼ばれているバージョン。
こちらも短縮バージョンではあるが、井上ひさし自らが戯曲改訂を担当したため「シェイクスピア全37作品を網羅する」というお約束は保持されている。
劇中歌の作曲は宇崎竜童が担当、昭和歌謡曲のテイストを盛り込んだキャッチーな楽曲が顔を揃えた。
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