飴ガラスとは、映画やドラマの撮影用に「割れやすく割れても安全な素材」で造られた偽物のガラス製品の総称である。名前に飴とついているが飴以外で作られた物も飴ガラスと呼ばれる。(理由は後記)
概要
映画等のアクションシーンでよく見るガラス瓶で人を殴ったり窓ガラスに飛び込んだりするシーンを安全に撮影するために本物のガラスの代わりに使用される。
本物のガラスは割れて破片になると断面が刃物のように鋭くなり、容易に衣類や皮膚を貫通し極めて危険なためである。
また割れやすいため脆いイメージがあるが本物のガラスの硬度はそこそこ高く、人間の骨を折るには十分な硬さがある。(骨のモース硬度が4~5なのに対しガラスのモース硬度は4.5~6.5)
そのためたとえ割れていなくても十分危険なので、本物のガラス製品で人を殴るなどもってのほかである。
名前からもわかる通り原料は飴(砂糖+コーンスターチ)が使われているが、熱に弱く容易に溶け長期保存にも不向きな事から近年はロジン等の樹脂も原料として使われている。
そのため飴製以外の物もあるのだが、原料の種類に関わらず習慣的に飴ガラスと呼ばれ続けている。
割れる際に音はするが編集でより迫力のある本物のガラスの音に差し替えられている事が多い。ただ映画では効果音は映像とは別で録音した素材を使うのは普通の事で、音の差し替え自体は別に飴ガラスに限った事ではない。
需要が特殊な事もあり少量生産のため、大量生産・大量流通している本物のガラスよりも値段が高い。
備考
映画でガラスが割れるシーンがすべて飴ガラスというわけではなく本物が使われている場合もある。
特に破片が粒状に割れているものは強化ガラスが使用されている。
強化ガラスは一カ所でも割れると全体が瞬間的に破砕する性質があるため、普通のガラスよりは破片の危険性が少ないためである。
むろん人が体当たりした程度では割れないほど丈夫なためカメラの死角になる場所に割る装置を付け、人が当たる直前に破砕させるといった技法が使われている。
またジャッキー・チェンは香港時代には好んで本物のガラスを使っていた。
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関連項目
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