MT54とは、旧日本国有鉄道(国鉄)の電車に広く使われた直流モーターの形式である。
概要
国鉄新型電車のモーターは、1957年の101系に採用されたMT46形(定格出力100kW)が最初で、中央線の通勤電車から日光線・上越線の山岳区間に入る特急電車まで幅広く搭載された。MT54形はこれを改良し、定格出力を120kWにアップしたことから、モーター車とトレーラーを半々の編成にしても25‰(1000分の25)の勾配を登坂可能とされる。
1963年の115系・165系を皮切りに、直流・交流・交直両用の近郊形、急行形、特急形のほとんどがMT54系を装備して製造されたほか、MT46装備の151系・161系も全車MT54に載せ替えて181系となった。165系の廃車発生品を使った通勤形の107系も、このモーターである。
2020年現在も、東日本・西日本・九州のJR各社、しなの鉄道、上信電鉄、富山地方鉄道などでMT54付きの電車が活躍している。なお、電車の用途によってギヤ比を変えているため、同じモーターでも走行音に違いが出る。
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関連項目
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