アオミノウミウシ(学名:Glaucus atlanticus)とは、軟体動物門腹足網裸鰓目枝鰓亜目アオミノウミウシ科に属するウミウシの一種。ウミウシなので巻貝の仲間でもある。
大西洋やインド洋、西太平洋の熱帯・温帯に生息しているウミウシらしからぬ姿をしたウミウシ。体長は2~5cm程。日本でも南西諸島や小笠原諸島などで見られる。普段は外洋で暮らしているため、沿岸部では漂着したときに見ることができる。雌雄同体。表層で生活するので深海生物ではない。
美しい白の入った青色をしている。体の前部に一対の鳥の翼のような大きな鰭、後部にもそれよりも小さな鰭とさらに小さい鰭が一対ずつ持っており、これで海面のすぐ近くを上下逆さに遊泳する。また、尾は長く伸びている。 消化管に空気を入れることで浮くことができるらしい。
上から見ると[1]海面と同じ青色だが、下側[2]から見ると銀灰色で、太陽光に紛れて下方の外敵に見つかり辛くなっている[3]。
ミノウミウシの仲間は刺胞動物(クラゲやイソギンチャクの仲間)を餌にしており、表層で生活するアオミノウミウシは同じ場所に暮らすカツオノエボシ(学名:Physalia physalis)やカツオノカンムリ(学名:Velella velella)、ギンカクラゲ(学名:Porpita porpita)などの強い毒のあるクラゲ・ヒドロ虫類を捕食する。また、ミノウミウシの仲間は餌とした刺胞動物の刺胞[4]を体内に取り込んで自らの武器として再利用する[5]ことが知られており、アオミノウミウシも捕食したクラゲの刺胞を自らの体表に配置することができる。
その為、素手で不用意に触れると刺されてしまう危険性がある。大量発生したアオミノウミウシに多くの海水浴客が刺されてしまった事例もあるとのこと。綺麗なものにはトゲがあると言ったところか。
カツオノエボシなどに付着している(喰いついている)所が見つかることも多い。カツオノエボシにとってはたまったものではないだろうが…。餌となるクラゲが溜まっているポイントでアオミノウミウシが見つかる可能性が高い。餌の安定した入手が難しいので、飼育は困難。
産卵の時は、一日に3000~9000個程の卵を断続的に撒き散らすように産む。
その美しい外見から海洋生物の中でも人気が高く、擬人化や造形物等の創作が多数存在する。英語でも「ブルードラゴン(Blue dragon)」や「ブルーエンジェル(Blue angel)」、「シースワロー(Sea swallow、海のツバメ)」などの幾つもの異名を持っている。また、学名のGlaucusはギリシャ神話の海神グラウコスから取られている。
タイヘイヨウアオミノウミウシは大西洋にはおらず、体長2cm程とアオミノウミウシより小型。それ以外の3種は元々タイヘイヨウアオミノウミウシと区別されていなかったが、2014年に遺伝的に異なると判明し別種とされた。
掲示板
1 ななしのよっしん
2021/04/10(土) 04:07:20 ID: p4gF/UifdI
モンハンから来たけどホンモノも上下逆さに泳いだりするんだな
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最終更新:2024/05/04(土) 14:00
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