ジョン・ドラモンドとは、アメリカ合衆国の元陸上競技者である。
フランスの中心で潔白を叫ぶ"I did not move!!"
恐ろしく速いスタート技術と反射神経でスタートの天才と呼ばれていた。
100mでは9秒92の記録を持ち、オリンピックでは4×100mリレーで優勝したこともある。
2003年のパリ世界陸上では100mでの金メダル獲得も期待されていた。
事件は100m2次予選で起こった。この年からルール改正により「各選手2回目のフライングは失格」から「2回目以降はフライングが起こった場合誰が行っていても失格」というルールになっていた。
1回目のフライングがあり、2回目の仕切りなおしをしようとしていた。2回目のスタート。今度は行ったかと思っていた次の瞬間、フライングを知らせる号砲。審判はアサファ・パウエルとドラモンドの失格を宣言した。
ドラモンドは審判に詰め寄りフライングをしてはいないと抗議した。審判はスターターのフライング検知器のログを根拠とし、失格を告げる。納得がいかないドラモンドは審判に"I did not move!!"(「俺は動いてない!!」)と主張した。審判は失格を通知し、再スタートをしようとするがドラモンドはトラック内にとどまり抗議を続ける。身振り手振りで観客に対し潔白をアピール。また、挙句の果てにレーンで寝転び子供のような抗議を行った。審判が退場するよう説得するも"I did not move."と主張し動かない。
この間にTVではこの組のスタートの反応速度のデータを表示した。この中でドラモンドの反応速度は0.052秒、アサファ・パウエルは0.086秒で反応したとされていた。最終的には説得に応じ観客に対し頭を下げ、拍手の中涙を流しながら会場を後にした。っと思ったら競技が再開されようとした時、スタート位置に戻りスタートしようとした。それを観たアサファ・パウエルも同様にスタート位置にもどる。しかし審判は競技者を一度待機場所に戻し、ドラモンドを退場させた。その後会場は競技を続行したが、観客のブーイングなどがありスタートができず競技を1時間以上中断した。
この出来事が原因でドラモンドは陸上競技を永久追放され、引退を余儀なくされる。
後に一緒にフライング退場となったアサファ・パウエルが世界記録を更新したり、ドラモンドがコーチとしてスタート技術を伝授したタイソン・ゲイが世界陸上で3冠を獲得したり、更なるルールの変更によって、世界記録保持者であるウサイン・ボルトが世界陸上100m決勝失格になったりするが、それはまた別のお話。
結果としてこの大会の100mでは、セントクリストファー・ネイビスのキム・コリンズが優勝者となった。
果たして彼は本当にフライングをしたのか。そういった検証がなされた。
調査が行われ、ログデータが開示された。その中ではフライング検知器が足の小さな動きに反応し、0.052秒の時点でスタートを切ったと検知されている。アサファ・パウエルは0.086秒の時点で完全にスタートをしていたが、ドラモンドがスタートを切ったのは0.12秒付近だった。
実質的にはフライングではなかったが、ルール上はスタートの号砲が鳴るまでの間は完全静止とされており、不正スタート(の一種)であるという結論は変わらなかった。
スターティングブロックについては、2011年世界選手権のボルト失格時に、ゲスト解説を務めていた為末大は、(2011年時点では)「確か15kg」の力がかからないと反応しないとツイートしている。
穿った見方をすれば以前のルールであれば、失格ではなかったということになる。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/04(土) 18:00
最終更新:2024/05/04(土) 18:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。