つばめに続く戦後2つ目(列車名としてはへいわ・つばめに続く3つ目)の特急列車として設定された。それ以来、はとはつばめと深い繋がりを持つ事となる。
午前中に東京駅・大阪駅を9時に出発するつばめに対して東京駅・大阪駅を12時半に出発する昼の特急として設定されていた。戦前は超特急燕は東京駅9時発・大阪駅13時発であり、特急鴎は東京駅13時発・大阪駅9時発だったので、つばめの設定で空いていた筋で設定されていた。
編成はつばめと同じく3等車3両・特別2等車4両・1等展望車1両・食堂車1両の計9両であった。展望車は最後尾に付いていたので両ターミナルで方向転換する必要があった。東京側が東京駅→品川駅→大崎駅で折り返し→蛇窪信号場で折り返し→品川駅→東京駅、大阪側が大阪駅→塚口駅で折り返し→宮原客車区→東淀川駅折り返し→大阪駅と運転し方向転換させていた。尚、鳩の絵が描かれたテールマークは列車名が廃止されたへいわと同一の物で、書かれている文字が「へいわ」か「はと」の違いがあるだけであった。
大阪・宮原電車区担当のつばめと東京・品川電車区のはとと姉妹列車で担当が異なっており、女性のアテンダントは「つばめガール」「はとガール」と呼ばれていて、それぞれ国鉄名物となった。運行開始は東京~浜松間しか電化されていなかったが、東海道本線が全線電化されてからは蒸気機関車牽引から電気機関車の牽引となり停車駅の変更とスピードアップがされた。東京駅・横浜駅・名古屋駅・京都駅・大阪駅はつばめ・はとの両列車が停車していたがつばめ沼津駅・浜松駅・岐阜駅停車、はと熱海駅・静岡駅・豊橋駅停車の完全千鳥停車になり今まで停車していた米原駅に至っては通過となった。
当然ながら当時の最高の設備として運行され続けていたが、電車特急こだまが運行開始してからは特にスピード面で歯が立たなくなりつばめと共に電車化される事となった。しかし電車化されると従来1往復のつばめを2往復とした事とにより一旦廃止されてしまった。廃止直前の編成は3等車5両・特別2等車5両・1等展望車1両・食堂車1両の計12両に増強されていた。
一年半の休止期間を得てサンロクトオで電車特急としてはとは復活し、相変わらず昼の特急として東京・大阪13時出発で運転されていた。使用車両はこだま型151系の2等車6両(1両は半室ビュッフェ)・1等車4両(1両はパーラーカー)・食堂車1両の計11両で運行されていた。
東海道新幹線開業ではとは従来みどりが使用していた筋でつばめと共に新大阪~博多間の新幹線連絡特急となり、つばめ・はとは従来京都~長崎・宮崎間を運行していたかもめと合わせて九州に乗り入れる鳥類が列車名の3列車は「三羽烏」と呼ばれていた。
はとが山陽特急となった直後は、後に山陽新幹線開業時から新幹線が全列車停車している小倉駅を通過していた。関門トンネルの前後にはそれなりに大きな駅が下関駅・門司駅・小倉駅と三駅連続で存在しており、急行列車は三駅連続停車を行っていたが特急列車は本州側の下関駅には全列車停車していたものの九州側にある門司駅か小倉駅にはどちらかしか停車していなかった。はとが門司駅停車を選択していた理由は、使用車両が直流専用の151系であり九州島内は交流電化だった為に門司駅で交流用の電気機関車を付け替えしていて、九州島内では機関車の動力のみで動いていたからである。同様に151系使用の昼行特急つばめや機関車付け替えを要していた客車の夜行特急さくら・はやぶさ・みずほ・あさかぜ・富士は門司駅に停車していた。ちなみに気動車のキハ80系使用の昼行特急かもめ・みどりは小倉駅停車となっていた。また、翌年に交直流車両の481系が投入され、つばめ・はと共に門司駅通過・小倉駅停車となっている。尚、はとはヨンサントオのダイヤ改正からは使用車両が581系に変更されている。
山陽新幹線岡山開業で、そのまま関西~山陽特急として残ったしおじとは違いつばめ・はとは新幹線連絡特急として岡山駅発着となる。同時に使用車両も581系から481系へと統一され、廃止まで変更されていない。また、10月にはつばめ・しおじ・さざなみ・わかしお・あさま・とき・ひばり・ひたちと共に初のエル特急に指定されている。
しかしながら山陽新幹線岡山開業までは西側の発着駅が博多駅まで運行していたのが下関駅までに短縮されてしまい、九州まで運行されているつばめと大きく区別されてしまう事となる。ちなみにつばめの九州側の終着駅は1972年3月改正は博多駅発着3本・熊本駅発着2本、1972年10月改正は博多駅発着4本・熊本駅発着3本、1973年10月改正は博多駅発着3本・熊本駅発着4本・西鹿児島駅発着1本であり、このまま1975年3月まで推移していく事となる。そして山陽新幹線博多開業にてつばめ等と共にはとの名称は廃止されてしまい、九州特急→九州新幹線として復活したつばめと違いはとは現在に至るまで復活していない。
ちなみに戦前に満州で急行はとの名称が使われていた事も追記しておく。
参考として同区間を運行していた他の昼行特急つばめ2往復・こだま2往復・富士2往復・おおとり・定期ひびきとの合計9往復の停車駅も記載。おおとりのみ名古屋駅発着でそれ以外は大阪駅以遠発着。
| 駅名 | 東 京 駅 |
横 浜 駅 |
小 田 原 駅 |
熱 海 駅 |
沼 津 駅 |
静 岡 駅 |
浜 松 駅 |
豊 橋 駅 |
名 古 屋 駅 |
岐 阜 駅 |
米 原 駅 |
京 都 駅 |
大 阪 駅 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| はと | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
| 昼行特急合計 | 9 | 9 | 1 | 6 | 2 | 9 | 2 | 2 | 9 | 1 | 1 | 8 | 8 |
※下り1号と上り5号は臨時列車であり廃止直前は運行が無かった為にここには記載していない。
参考として同区間を運行していた他の昼行特急であるエル特急つばめ8往復・しおじ5往復と特急かもめ・みどり2往復・なは・日向との合計22往復中の岡山~博多間の停車本数も記載。発着駅は、東側はつばめ・はとのみ岡山駅でそれ以外は大阪駅以遠、西側はしおじ2往復が広島駅・しおじ3往復とはとが下関駅・みどりと日向が小倉駅から日豊本線経由でそれ以外が博多駅以遠。
| 駅名 | 岡 山 駅 |
倉 敷 駅 |
福 山 駅 |
尾 道 駅 |
三 原 駅 |
広 島 駅 |
宮 島 口 駅 |
大 竹 駅 |
岩 国 駅 |
柳 井 駅 |
光 駅 |
下 松 駅 |
徳 山 駅 |
防 府 駅 |
小 郡 駅 |
宇 部 駅 |
小 野 田 駅 |
厚 狭 駅 |
下 関 駅 |
門 司 駅 |
小 倉 駅 |
黒 崎 駅 |
博 多 駅 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| はと2号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||||||
| はと3号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||||||
| はと4号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||||||
| はと5号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||||||
| 昼行特急合計 | 22 | 20 | 21 | 20 | 8 | 22 | 5 | 2 | 14 | 5 | 2 | 3 | 15 | 9 | 14 | 10 | 3 | 5 | 20 | 0 | 13 | 1 | 10 |
| 合計列車本数 | 22 | 20 | 13 | 10 | |||||||||||||||||||
| 駅名 | 博 多 駅 |
黒 崎 駅 |
小 倉 駅 |
門 司 駅 |
下 関 駅 |
厚 狭 駅 |
小 野 田 駅 |
宇 部 駅 |
小 郡 駅 |
防 府 駅 |
徳 山 駅 |
下 松 駅 |
光 駅 |
柳 井 駅 |
岩 国 駅 |
大 竹 駅 |
宮 島 口 駅 |
広 島 駅 |
三 原 駅 |
尾 道 駅 |
福 山 駅 |
倉 敷 駅 |
岡 山 駅 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| はと2号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||||||
| はと3号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||||||
| はと4号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||||||
| はと5号 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||||||
| 昼行特急合計 | 10 | 1 | 13 | 0 | 20 | 4 | 3 | 10 | 14 | 9 | 15 | 3 | 2 | 5 | 14 | 2 | 6 | 22 | 8 | 20 | 21 | 20 | 22 |
| 合計列車本数 | 10 | 13 | 20 | 22 | |||||||||||||||||||
1950年6月 東京~大阪間に客車特急はとが設定される。
停車駅は東京 - 横浜 - 熱海 - 静岡 - 浜松 - 名古屋 - 岐阜 - 米原 - 京都 - 大阪
1956年11月 東海道本線全線電化で蒸気機関車牽引から電気機関車牽引に変更される。
1960年6月 つばめが電車特急化された事によりはとはつばめの増発とし廃止される。
1961年10月 再び東京~大阪間に特急はとが設定される。
停車駅は東京 - 横浜 - 小田原 - 沼津 - 名古屋 - 京都 - 大阪
1964年10月 東海道新幹線開業に伴いはとは新大阪~博多間の新幹線連絡特急となる。
停車駅は新大阪 - 大阪 - 神戸 - 姫路 - 岡山 - 福山 - 三原 - 広島 - 岩国 - 小郡 - 下関 - 門司 - 博多
1972年3月 山陽新幹線岡山開業に伴いはとは岡山~下関間の4往復特急となる。
1972年10月 1往復の運行区間を岡山~博多間に延長しつばめと名称変更した事から特急はと3往復に減便、同時にエル特急に指定される。
1973年3月 1往復の運行区間を岡山~大分間に延長するが名称を特急みどりとし、3往復増発してエル特急はとは5往復となる。
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最終更新:2025/12/08(月) 03:00
最終更新:2025/12/08(月) 02:00
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