クリスエス(Kris S.)は、1977年生まれのアメリカの競走馬・種牡馬である。
競走馬としての実績はゼロに等しかったが、種牡馬として活躍馬を多く送り出し成り上がりを遂げた名種牡馬。馬名は馬主名(Kris S. Robillard)の一部から。
父Roberto、母Sharp Queen、母父Princequilloという血統。
父ロベルトは英ダービーおよびベンソン&ヘッジスゴールドカップ(現:インターナショナルS)を勝利した活躍馬で種牡馬としても活躍したが、本馬が生まれた時点ではまだ初年度産駒が2歳を迎えたばかりである。
母シャープクイーンは14戦2勝。本馬以外に10頭の仔を産んで6頭が勝ち上がっているが、ステークスウィナーは本馬以外に1頭もおらず、近親にも活躍馬はいない。
母父プリンスキロは北米リーディングサイアーを3回獲得し、母父としてもリーディングブルードメアサイアーを8回獲得する大成功を収めた。
そのクリスエス、2歳時はデビュー戦を勝った後一般競走を2戦し1勝2着1回とした。少し休養を挟んで3歳初戦は3月のブラッドベリーSというステークス競走に出走して勝利したが、10日後のサンフェリペH(GII)では4着に敗れ、その後故障し引退となった。
通算成績は5戦3勝2着1回4着1回、重賞出走は1回だけである。一応ブラッドベリーS2着のFirst Albertがその後スワップスS(GI)を勝ったが、それを差し引いても目立った成績は見られないと言わざるを得ないだろう。
競走馬としては全くと言っていいほど目立たなかったクリスエスは、フロリダ州で3500ドルという安価で種牡馬入りした。競走成績が競走成績だし、当時のRoberto産駒は*リアルシャダイやSilver Hawkが1歳になったところで種牡馬としてのブレイクはまだ迎えていなかったのでそれも致し方ないところであろう。
ところが、初年度産駒の28頭中5頭がステークスウィナーになり、更には少し間を空けて3世代目のEvening Krisが1988年に入ってあれよあれよという間に初重賞制覇(リヴァリッジS・米GIII)と初GI制覇(ジェロームH)を達成。更に翌年にPrizedがブリーダーズカップ・ターフを勝利すると遂に人気が沸騰し、1993年にはHollywood Wildcat(ディスタフ)と*ブロッコ(ジュヴェナイル)でブリーダーズカップ2勝を挙げたことなどが奏功して北米リーディングサイアーを獲得した。
これまではそれなりに勢いがあるとはいえケンタッキー州には敵わない中堅馬産地のフロリダ州で供用されていた本馬だが、このリーディングサイアー獲得がきっかけとなり、主要馬産地であるケンタッキー州に栄転。その後も種牡馬として活躍馬を送り出し続けたが、2002年に頚椎損傷のため種牡馬を引退。症状の悪化により、この年の5月に25歳で安楽死措置が執られた。死後もシンボリクリスエスらが活躍しており、死の前年には種付け料が15万ドルに達していただけに惜しまれる死であった。
後継種牡馬だが、現在はシンボリクリスエス産駒のエピファネイアが世界的に見ても最も種付け数が多くなっており、北米ではZenyattaを破ってブリーダーズカップ・クラシックを勝ったBlameを擁するArchのラインが中堅級で健闘している状況である。全体的に勢いが良いのはシンボリクリスエスの父系の方でもあり、今後はクリスエス系全体の中心が日本にシフトしていくかもしれない。また、母父としてもZenyattaなどを出して活躍している。
Roberto 1969 鹿毛 |
Hail to Reason 1958 黒鹿毛 |
Turn-to | Royal Charger |
Source Sucree | |||
Nothirdchance | Blue Swords | ||
Galla Colors | |||
Bramalea 1959 黒鹿毛 |
Nashua | Nasrullah | |
Segula | |||
Rarelea | Bull Lea | ||
Bleebok | |||
Sharp Queen 1965 鹿毛 FNo.10-a |
Princequillo 1940 鹿毛 |
Prince Rose | Rose Prince |
Indolence | |||
Cosquilla | Papyrus | ||
Quick Thought | |||
Bridgework 1955 黒鹿毛 |
Occupy | Bull Dog | |
Miss Bunting | |||
Feale Bridge | Gold Bridge | ||
Tolerate | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Bull Dog 5×4(9.38%)、Nearco 5×5(6.25%)、Blue Larkspur 5×5(6.25%)
掲示板
2 ななしのよっしん
2021/09/20(月) 13:53:54 ID: 7Q3Wp9hZCv
輸入組のナダルにダートだとルヴァンスレーブもいるし、幅広く存在感示してくだろうなあ
3 ななしのよっしん
2022/12/17(土) 08:47:36 ID: DmMV2lCLXu
なんでこの成績で種牡馬になれたの
4 ななしのよっしん
2023/06/07(水) 01:17:57 ID: TWmIzbEFwI
もう最晩年の直仔であるシンボリクリスエスでも
更にそこからまた孫(エフフォーリア)が種牡馬入りするくらい世代を重ねてるんだよな
ロベルトのサイアーが2020年代になっても続いててしかもその主流を担うのが、クリスエスとシルヴァーホークなんてお世辞にも競走成績がいいとは言えない産駒たちで…
ロベルトやその2頭が走っていた時、誰が予想できただろうか
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最終更新:2025/03/29(土) 05:00
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