グッバイヘイロー

グッバイヘイロー(Goodbye Halo)は、1985年アメリカ生まれの元競走馬・元繁殖牝馬。

GI7勝を挙げた活躍馬であり、日本では「不屈の塊」キングヘイローの母としても有名な名牝である。

概要

父Halo、母Pound Foolish、母父Sir Ivorという血統で、2歳時のセリでストーンファーム代表のアーサー・ハンコック3世に4万7000ドルで購入され、ホセ・マーティン調教師に預けられた。

2～3歳時

2歳10月に7ハロン戦でデビューを迎えると、いきなり2着に8馬身差を付けて勝利。連闘で挑んだ6日後のGI・フリゼットS(1マイル)こそ*クラシッククラウンの8着に大敗したが、続けて出走したデモワゼルS(GI・9ハロン)では*タップユアトウズを10馬身後方に置き去りにして圧勝した。

レース後にチャールズ・ウィッティンガム厩舎に移籍した後、ブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズをスキップして出走したハリウッドスターレットS(GI・1マイル)を3馬身半差で完勝。エクリプス賞最優秀2歳牝馬こそBCジュヴェナイルフィリーズを勝ったエピトムに奪われたが、2歳時は4戦3勝・GI2勝と上々の成績を残した。

3歳時は始動戦のサンタイネスS(GIII)を5馬身差で勝った後、ラスヴァージネスS(GI・1マイル)も3戦無敗のウイニングカラーズをクビ差で退けて勝利したが、続けて出走したサンタアニタオークスでは8馬身差で圧勝したウイニングカラーズの3着に敗れた。

その後ウイニングカラーズがサンタアニタダービーをステップに牡馬の三冠競走へ進んだため、ケンタッキーオークス(GI・9ハロン)では1番人気に支持された。レースでは前年のBCジュヴェナイルフィリーズで2着だった同厩のジャンヌジョーンズに3馬身3/4差を付けて勝利した。更にマザーグースS(GI・9ハロン)とCCAオークス(GI・12ハロン)を連勝したが、アラバマS(GI・10ハロン)では*メイプルジンスキーの4着に敗れて連勝が止まってしまった。

休養を挟んだ秋初戦は芝のGII・ラスパルマスハンデキャップから始動したが、流石に分が悪く芝GI馬アンノコナーの3着に敗退。ダートに戻ってブリーダーズカップ・ディスタフに駒を進めたが、ここにはサンタアニタダービー・ケンタッキーダービーを制していたウイニングカラーズに加えて最強の敵がいた。ここまで12戦無敗の古馬最強格・パーソナルエンスンである。

ハリケーン襲来のために大雨・不良馬場となる中で行われたレースではウイニングカラーズが逃げ、グッバイヘイローはそれを番手から追い上げたものの、更に後ろから追ってきたパーソナルエンスンには一瞬で交わされ、ウイニングカラーズにも追いつくことが出来ず、ハナ差でウイニングカラーズを差し切ったパーソナルエンスンの半馬身差3着に終わった。

パーソナルエンスンはこのレースを最後に13戦無敗で引退し、ウイニングカラーズも休養入りしたが、グッバイヘイローは更に芝のレースで続戦した。しかしダリアハンデキャップ(GIII)ではアタマ差2着、メイトリアークS(GI・9ハロン)では5着と勝ち星を挙げられず、エクリプス賞最優秀3歳牝馬も牝馬として8年ぶり史上3頭目のケンタッキーダービー制覇を評価されたウイニングカラーズに譲ることとなった。

4歳時

足元をダートに戻して4歳シーズンをスタートさせたグッバイヘイローは、エルエンシノS(GIII)とラカナダS(GI・9ハロン)を連勝した。

しかし、ここで1頭の新たな強敵が現れた。母国アルゼンチンでGI・パレルモ大賞を勝ってアメリカに移籍し、この時期に頭角を現し始めていたバヤコアである。

このバヤコアの前に、グッバイヘイローはサンタマルガリータ招待ハンデキャップ(GI・9ハロン)では2馬身差の2着、アップルブロッサムハンデキャップ(GI・8.5ハロン)では4馬身差の2着、ホーソーンハンデキャップ(GII)では4馬身半差の2着と連敗。斤量は本馬の方が重かったのだが、差が7ポンド→5ポンド→1ポンドと徐々に小さくなってきていたにも関わらず着差は開くばかりであった。

続くヴァニティハンデキャップ(GI・9ハロン)ではバヤコアの方がグッバイヘイローより2ポンド重い斤量を背負ったが、蓋を開ければバヤコアが5馬身差で圧勝し、グッバイヘイローは2着フライングジュリアからも3馬身半差を付けられて3着だった。

次戦のチュラヴィスタハンデキャップ(GII)では相手の方が7ポンド重く、それが祟ったのかバヤコアは早々に失速。グッバイヘイローはフライングジュリアを1馬身3/4差で抑えて勝利し、ようやくバヤコアに土をつけることに成功した。

しかし、続けて出走した定量戦のスピンスターS(GI・9ハロン)ではバヤコアに11馬身差を付けられた2着に敗れ、年末のブリーダーズカップ・ディスタフでは単勝1.7倍の圧倒的人気に応えてレコード勝ちしたバヤコアから17馬身差を付けられた6着に大敗。このレースで9着に敗れたウイニングカラーズ共々、これを最後に引退した。

通算成績は24戦11勝。バヤコアの覚醒もあってやや4歳時は尻すぼみになったとはいえ、ケンタッキーオークスなどを含むGI7勝という立派な戦績を残している。なお、ウイニングカラーズとの対戦成績は2勝2敗の五分五分であった。

繁殖牝馬として

引退後は1990年1月のキーンランド繁殖牝馬セールに上場され、協和牧場の浅川吉男代表に210万ドルで落札されて日本に輸入された。現地のファンはこれを大変惜しみ、ブラッド・ホース誌には「Sayonara, Goodbye Halo」という文字が踊ったと伝わる。

最初の3年は協和牧場が導入した期待の新種牡馬*ナスルエルアラブと交配されたものの、その*ナスルエルアラブが種牡馬として振るわなかったために、本馬の産駒も振るわなかった。

しかし1995年、*ダンシングブレーヴを父に持つ第4仔が産まれる。有り余る素質への嘱望を受け、一旦登録された「アサカヘイロー」から「キングヘイロー」という名に改められたその牡馬は、気性などにも悩まされてクラシックこそ無冠に終わったものの、5歳時に挑んだ11回目のGI・高松宮記念で一気の追い込みを決めてGI制覇を決めた。

その後は種牡馬としてのポテンシャルを期待されて交配された*ロイヤルアカデミーや*ラムタラが日本では結果を出せなかった煽りもあって重賞馬を出すことは出来ず、2007年に繁殖を引退。以降も協和牧場で功労馬として余生を送り、2014年8月23日に29歳で死亡した。

血統表

Halo 1969 黒鹿毛	Hail to Reason 1958 黒鹿毛	Turn-to	Royal Charger
			Source Sucree
		Nothirdchance	Blue Swords
			Galla Colors
	Cosmah 1953 鹿毛	Cosmic Bomb	Pharamond
			Banish Fear
		Almahmoud	Mahmoud
			Arbitrator
Pound Foolish 1979 鹿毛 FNo.8-h	Sir Ivor 1965 鹿毛	Sir Gaylord	Turn-to
			Somethingroyal
		Attica	Mr. Trouble
			Athenia
	Squander 1974 鹿毛	Buckpasser	Tom Fool
			Busanda
		Discipline	Princequillo
			Lady Be Good
競走馬の4代血統表

クロス：Turn-to 3×4(18.75%)、Princequillo 5×4(9.38%)、Mahmoud 4×5(9.38%)、Pharamond 4×5(9.38%)、Blue Larkspur 5×5(6.25%)

• 父ヘイローは1983年のリーディングサイアーで、本馬の1歳下の世代にサンデーサイレンスがおり、同馬が活躍した1989年にもう一度リーディングサイアーを獲得している。
• 母パウンドフーリッシュは不出走馬だが、その母スクワンダーはソロリティS(GI)の勝ち馬で、祖母ディシプリンも29戦10勝の成績を残している。
• 叔父に*ラシアンルーブル(イソノルーブルなどの父)がおり、他にオールゴーンとシリアススペンダーの2頭が米GIIIを勝っている。また、叔母のレバレッジドバイアウトの孫にヴァルズプリンス(米GI3勝)、同じく叔母の*ディシイペイティングの孫にマジェスティバイオ(中山大障害、中山グランドジャンプ)がいる。
• 母父サーアイヴァーは2000ギニー・英ダービー・ワシントンDCインターナショナルと欧米を股にかけて活躍し、引退後はアメリカで種牡馬入りした。

関連動画

関連コミュニティ

関連項目

• 競馬
• 競走馬の一覧
• キングヘイロー