タイキシャーロック(Taiki Sherlock)とは、1992年生まれの日本の競走馬。黒鹿毛の牡馬。
大樹ファーム産初のGⅠ馬で、交流重賞初期に安定した活躍を見せた大樹ファームのダート代表。ダート代表もタイキシャトルじゃね?という意見は却下だ。
主な勝ち鞍
1997年:マイルチャンピオンシップ南部杯(GⅠ)
1998年:浦和記念(GⅡ)、エルムステークス(GⅢ)
父*ジェイドロバリー、母*ビラローズ、母父Key to the Mintという血統。
父はフランスのG1馬。日本で種牡馬入りするとダート種牡馬として活躍。芝でもヤマカツスズランなどを輩出した。タイキシャーロックは初年度産駒の1頭。
母はアメリカからの輸入繁殖牝馬で、自身は不出走。タイキシャーロックは第7仔(輸入後の第2仔で、日本で種付けした最初の仔)。
母父キートゥザミントはアメリカの馬で、三冠を勝てなかったにもかかわらず古馬相手にトラヴァーズSなど4連勝を飾って同期の二冠馬Riva Ridgeを抑えて1972年のエクリプス賞最優秀3歳牡馬を受賞した馬。日本では*ダンシングキイの母父というのが一番馴染み深いか。
1992年2月19日、大樹町の大樹ファームで誕生。そのまま一口馬主クラブの大樹ファームの所有となり、1口34万円×100口(=3400万円)で募集された。
デビュー時で既に500kg、以降も510~520kg台の雄大な馬格の持ち主であった。
※本記事では当時に合わせ、馬齢表記を数え年(現表記+1歳)で記述する。
美浦・土田稔厩舎に入厩したタイキシャーロックだったが、骨折でデビューは大幅に遅れ、ダービーの前日の東京・ダート2100m、4歳未勝利戦で蛯名正義を鞍上にようやくデビュー。出走馬中唯一の未出走馬ながら2馬身半差の快勝デビューを飾る。
続いて福島の芝2000m、アマリリス賞(500万下)に臨んだが7着に沈み、脚元の不安もあってまた5ヶ月ほど休養。復帰後はダートに専念することになった。しかしこのあと勝ち味に遅く、2戦して3着、4着で500万下を抜けられないまま4歳を終える。
明けて5歳初戦も6着に沈み、6戦目から鞍上が横山典弘に交替。すると2着のあと、500万下、900万下、1500万下と一気に3連勝。直後に降級となってしまったが、1500万下をさらに連勝し、怒濤の5連勝であっという間にオープンに駆け上がった。以降、基本的にノリさんが主戦となる。
しかし重賞初挑戦となったシーサイドステークス(GⅢ)で1番人気に支持されながら早め先頭から競り負けて4着に敗れると、ブラジルカップ(OP)5着、ウインターステークス(GⅢ)4着とオープン・重賞では掲示板止まりの結果が続き、さらに脚部不安で戦線離脱して5歳も終了となった。
1997年、6歳となったタイキシャーロックは、半年以上の休養を経て、7月の函館、マリーンステークス(OP)で復帰。単勝1.9倍の支持に応え、7馬身差の圧勝を飾る。
これで続くシーサイドS改めエルムステークス(GⅢ)では、この年のフェブラリーS・帝王賞3着馬バトルラインと完全な2強対決オッズとなり、2.1倍の1番人気に支持されたが、そのバトルラインにアタマ差競り負けて2着に敗れた。
さて、この1997年は交流重賞にダートグレード制が導入された年。地方の古馬の交流重賞の中からは4つのレースが統一GⅠに格付けされた。帝王賞、東京大賞典、川崎記念、そしてマイルチャンピオンシップ南部杯である。これまでの戦績から2000m以上はちょっと距離が長そうなタイキシャーロックは、岩手へ向かい南部杯に参戦することになった。
交流元年の中心だったライブリマウントは引退、前年覇者ホクトベガはドバイで星になり、GⅠ格付け初年度となったこの年の南部杯は、地方勢もアマゾンオペラが総大将という手薄なメンバーだったので、エルムSの2強がそのままこのレースでも2強として人気を分け合った。即ち、バトルラインとタイキシャーロックである。
レースは人気薄のフジノカズサオーが逃げ、タイキシャーロックはそれを2番手で追走、バトルラインがそのタイキシャーロックを後ろでマークして進める。前走エルムSもほぼ同じ展開でバトルラインが競り勝ったので、今回も同じか……と思いきや、3角で早くも先頭を捕まえて抜け出したタイキシャーロックは、そのまま直線に入ると一気に加速。前走のリベンジとばかりにバトルラインを思うまま突き放し独走する。みるみる差は開き、終わってみればついた着差は6馬身。勝ち時計1:36.2は、前年の女王様とお呼びっホクトベガのレコードを2秒1も更新した(翌年メイセイオペラに1秒1も更新されたけど)。
クラブとしての大樹ファームは既にタイキフォーチュン、タイキシャトル、タイキブリザードが中央GⅠを制していたが、いずれも外国産馬。大樹町に創設した自前の生産牧場・大樹ファームの生産馬ではこれが嬉しい初GⅠ、初重賞制覇となった。土田師もこれが重賞・GⅠとも初制覇で、2024年現在も現役調教師だが未だこれが厩舎唯一のGⅠ勝ちである。
見事GⅠウイナーとなったタイキシャーロック。南部杯のあとは2000m再挑戦で浦和記念(GⅡ)へ向かい、キョウトシチーにハナ差競り負けたものの3着を8馬身突き放して2着。小回りの浦和なら2000mも保つということを示した。
明けて7歳はドバイ遠征も視野に、GⅠ昇格2年目のフェブラリーステークス(GⅠ)に参戦。混戦ムードの中、3.5倍の1番人気に支持された。しかしレースは2番手で先行し直線で早めに抜け出したものの、内からメイショウモトナリにかわされ、さらにグルメフロンティアにあっさり置いていかれ5着。ドバイ行きも白紙になってしまった。
続くかしわ記念(GⅢ)は同期の船橋の雄・アブクマポーロのハイパーレコードに手も足も出ず、7馬身もぶっちぎられて3着。
3年連続の参戦となるエルムステークス(GⅢ)では帝王賞2着のおなじみバトルラインが1.9倍の断然人気で、トップハンデ59kgが嫌われたかタイキシャーロックは4.7倍の2番人気だったが、好位追走から上がり最速という盤石のレースで2馬身半差の完勝。中央重賞初制覇を飾る。
というわけで連覇を目指してマイルCS南部杯(GⅠ)に乗りこんだ。1番人気はアブクマポーロで、タイキシャーロックは2番人気に支持される。好位に構えるいつものスタイルで、逃げる地元岩手の3番人気の馬を追走し、直線で捕まえにかかるが……逃げている馬が止まらない。誰あろうその馬は、岩手の英雄メイセイオペラ。むしろ突き放されて3馬身差の2着。
その後は前年同様に浦和記念(GⅡ)へ。ここは四位洋文のテン乗りとなったが、1.8倍の断然人気に応え、3角でもう先頭に立ってあとはぶっちぎって5馬身差の圧勝。重賞3勝目を挙げた。
8歳となった翌1999年も現役続行したが、フェブラリーS(GⅠ)では中団から脚を伸ばしたもののメイセイオペラの快挙を見送る3着。かしわ記念(GⅢ)は出負けして最後方から向こう正面で一気に押し上げていったものの、船橋のサプライズパワーに振り切られて3着。帝王賞(GⅠ)ではさすがに大井の2000mは合わなかったようで、見せ場なくメイセイオペラの8着。賞金が足りなかったか南部杯に出られず、上山のさくらんぼ記念(GⅢ)に向かったが、重賞3連勝中のスノーエンデバーに3馬身ちぎられて2着。連覇のかかった浦和記念(GⅡ)は5着に終わり、これを最後に現役引退となった。
通算28戦10勝 [10-5-4-9]。うちダート重賞では15戦して[3-4-3-5]、掲示板を外したのは帝王賞のみ。人気も1999年フェブラリーS(4番人気)以外は全て3番人気以内と、安定した活躍を続けた。
引退後は日高スタリオンステーションで種牡馬入り。初年度こそ84頭の牝馬を集めたが、地方重賞馬2頭を出すに留まり、種付け数も右肩下がりとなって、8年目の2007年はついに種付け数ゼロに終わりこの年限りで種牡馬引退となった。
その後はそのまま日高SSで功労馬として繋養されていたが、2015年末に日高SSは閉鎖となってしまい、それ以降の彼の消息はわかっていない。
*ジェイドロバリー 1987 黒鹿毛 |
Mr. Prospector 1970 鹿毛 |
Raise a Native | Native Dancer |
Raise You | |||
Gold Digger | Nashua | ||
Sequence | |||
Number 1979 鹿毛 |
Nijinsky II | Northern Dancer | |
Flaming Page | |||
Special | Forli | ||
Thong | |||
*ビラローズ 1982 鹿毛 FNo.1-n |
Key to the Mint 1969 鹿毛 |
Graustark | Ribot |
Flower Bowl | |||
Key Bridge | Princequillo | ||
Blue Banner | |||
Hatton's Rose 1973 鹿毛 |
Buckpasser | Tom Fool | |
Busanda | |||
Gay Matelda | Sir Gaylord | ||
Hasty Matelda |
クロス:War Admiral 5×5(6.25%)
掲示板
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最終更新:2025/04/13(日) 08:00
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