グルメフロンティア(Gourmet Frontier)とは、1992年生まれの日本の競走馬。鹿毛の牡馬。
「中央芝重賞と中央ダートGⅠを連勝」という珍記録を持っているやたら影の薄い2代目中央ダート王。
主な勝ち鞍
1998年:フェブラリーステークス(GⅠ)、中山金杯(GⅢ)
父トウショウペガサス、母バンビファバー、母父*ファバージという血統。
父はビゼンニシキなどを輩出した*ダンディルート産駒で、1984年のダービー卿CTと1985年の中山記念の重賞2勝馬。ビゼンニシキの名前でピンときた人もいるだろうがヘロド系である。母がトウショウボーイの半姉という血統もあってか種牡馬入りし、産駒のうち重賞馬はグルメフロンティアとスエヒロジョウオーの2頭だけだが、その2頭がともにGⅠ馬となっている。グルメフロンティアは5年目の産駒。
母は22戦2勝、現役終盤は障害も走った。グルメフロンティアは第7仔。
母父は*テスコボーイの成功で根こそぎ輸入されたPrincely Gift産駒のうちの1頭で、皐月賞馬ハードバージやエリザベス女王杯馬ビクトリアクラウン、某ゲームのプレイヤーには有名なマチカネイワシミズなどを輩出した。
4代母に1952年の牝馬二冠馬スウヰイスーがいる。
1992年4月19日、門別町の白井牧場(主な生産馬にミスタートウジン、チアズグレイス、ハクサンムーンなど)で誕生。オーナーは「グルメ」冠名を用いた石井政義。
デビュー時点で500kgを超え、現役後半は530kg台という雄大な馬格の持ち主であった。
※本項では当時の表記に合わせて、年齢を旧表記(現表記+1歳)で表記する。
美浦・田中清隆厩舎に入厩し、1994年11月13日、東京・芝1400mの新馬戦で大塚栄三郎を鞍上にデビュー。60.9倍の8番人気で4着と人気よりは好走したが、折り返しの新馬戦(芝1600m)も6着に終わる。
明けて4歳、ダートに切り替えると未勝利戦を2戦目で逃げ切り突破。中山・芝2000mの水仙賞(500万下)に挑んだが逃げて力尽きて9着に沈み、名手・岡部幸雄に乗り替わって4月の中山・ダート1800mの平場500万下で2勝目を挙げる。
これで日本ダービーを目指してトライアルのNHK杯(GⅡ)に向かい、10番人気の低評価ながら最後方から上がり2位タイの末脚を見せて4着に好走。しかし優先出走権には惜しくも届かず、ダービーには出られなかった。
自己条件の900万下から出直しとなったが、芝で5着、5着、ダートで10着、芝に戻って9着とパッとしないまま4歳を終える。
明けて5歳初戦、NHK杯以来の岡部幸雄を迎えた東京・ダート2100mの平場900万下でようやく3勝目。続いて安田富男とダートの1500万下に挑むが4着、8着。
ここまで3勝全てダートなのだが、岡部に戻って芝に切り替えると2着に好走。やっぱり芝でもいけるやん、とその後は芝を走ることになったが、3着、2着、2着、2着とあと一歩勝ちきれないレースが続き、900万下に降級となってしまった。
柴田善臣が騎乗した降級初戦は一発回答で勝ち抜け、続いて加藤和宏を迎えて再び芝の1500万下へ。以降はしばらく加藤が主戦となる。2着、3着、2着とまた勝ちきれないレースが続いたが、5歳ラストの中山・芝1600m戦、市川ステークス(1500万下)を上がり最速で差し切り勝ちして5歳を終えた。
明けて6歳、当時の賞金制度ではまだ1500万下条件馬だったので引き続き自己条件を戦い、4着のあと2月の東京・芝2000m、テレビ山梨杯(1500万下)を3馬身半差で快勝して、26戦目でようやくオープン入りを果たす。
これで重賞戦線に向かったが、中山記念(GⅡ)は道中で位置取りを下げてしまい末脚届かず4着、エプソムカップ(GⅢ)も後方から上がり最速タイの脚は見せるが5着まで。田中勝春が騎乗した函館記念(GⅢ)は見せ場なく10着に終わる。
夏休みを挟み、久々に岡部幸雄を迎えて久々のダート戦となるながつきステークス(OP)に向かい、ここではエムアイブランをクビ差振り切って逃げ切り勝ち。
加藤に戻って二日酔い(?)実況で知られる(関連動画参照)カブトヤマ記念(GⅢ)に向かい3着に好走。
続いて向かったのはなんと初GⅠ挑戦となる天皇賞(秋)(GⅠ)。さすがにいくらなんでも家賃が高いだろうと、244.5倍のブービー15番人気という全くの人気薄だったが、1番人気バブルガムフェローを前に見ながら好位でレースを進め、直線では「バブルか!エアか!」の激闘には完全に置いて行かれたものの、そのまま粘り込んで5着確保の好走を見せる。
年末は愛知杯(GⅢ)に向かい、サクラエキスパートにクビ差及ばずの2着に敗れたが、重賞でも充分に勝ち負けになる実力を見せて6歳を終えた。
明けて7歳初戦は中山金杯(GⅢ)。鞍上はまた岡部幸雄に交替したグルメフロンティアは、近走の充実ぶりから2.5倍の1番人気に支持されると、早め進出から上がり最速で堂々差し切って1と3/4馬身差の快勝。7歳にしてようやく重賞ウィナーの仲間入りを果たした。
そんな彼が続いて向かったのは、GⅠ格上げ2年目のフェブラリーステークス(GⅠ)。初代王者シンコウウインディは怪我で不在で、この年の1番人気は前年の南部杯勝ち馬でドバイを目指すタイキシャーロック。2番人気は重賞未勝利ながら1位入線降着を除いて複勝率100%のバトルライン、3番人気は平安Sを勝ってきたエムアイブラン。シンコウウインディと同じ田中厩舎×岡部幸雄タッグで臨んだグルメフロンティアは11.2倍の6番人気。ダートオープン勝ちの実績もある芝馬という、なんとも評価に困る感じの立ち位置だったことが窺える。
レースはタイキシャーロックやエムアイブランといった人気どころがやや掛かり気味に先行する中、岡部幸雄とグルメフロンティアはそれを見ながら中団前目につけ、内が空くとすっと内ラチ沿いに寄せて経済コースを通っていく。そのまま直線入口でカーブを曲がる勢いのまま一瞬で外に出すという完璧なコース取りで進路を確保すると、鋭く脚を伸ばしたグルメフロンティアは、タイキシャーロックも内で粘るメイショウモトナリも並ぶ間もなく抜き去ってあとは独走。終わってみれば4馬身差の圧勝でゴール板を駆け抜けた。
さあ、先頭はピンクの帽子か、タイキシャーロックか、
内からメイショウ、内からメイショウモトナリ、それからストーンステッパーも内に入れた、
外を通って、外を通ってタイキシャーロックが上がってくるのか、タイキシャーロックが上がってくるのか、
メイショウモトナリ頑張った、メイショウモトナリ頑張った、
そして! その外を通りまして、グルメフロンティアだ!
グルメフロンティア岡部だ! またまた今年も岡部だ!
グルメフロンティアが、グルメフロンティアが抜け出した、
そして2番手メイショウモトナリが頑張っている、2番手メイショウモトナリが頑張っている、
グルメフロンティア1着ぅー!
勝ったのは金杯ホースグルメフロンティア!
岡部幸雄と田中清隆厩舎、今年もフェブラリーを制しました!
勝利騎手インタビューで「あまりにも上手く行きすぎてちょっと気持ち悪かった」と満面の笑みで語った岡部幸雄は前年のシンコウウインディに続いて田中清隆厩舎の馬でこのレース連覇達成。名手の完璧な騎乗でグルメフロンティアは見事2代目中央ダート王者に輝いたのだった。
……しかし、グルメフロンティアの輝きはここで終わりだった。理由は詳らかでないがこのあと9ヶ月の休養となり、復帰戦として前年好走した天皇賞(秋)(GⅠ)に臨んだが、サイレンススズカの悲劇の陰でひっそりと最下位に撃沈。ダートGⅠ馬にもかかわらずハンデ戦のトパーズステークス(OP)に出たがトップハンデ59kgを背負って6着、年末の東京大賞典(GⅠ)も最後方から5着までに終わり、現役を引退した。通算38戦9勝 [9-8-3-18]。
なお、フェブラリーSの後の戦績の印象が悪かったためか、唯一の中央ダートGⅠを勝ったにもかかわらず、この年のJRA賞最優秀ダートホースは4歳馬ウイングアローに持って行かれてしまった。そんなあ。そのせいなのか、歴代フェブラリーS勝ち馬の中でもかなり影が薄い。フェブラリーSの勝ち馬を初代から問われて、えーと97年の初代王者はシンコウウインディ、99年はメイセイオペラだけど、あれ、98年勝ったの誰だっけ?となる競馬ファンは多いのではないだろうか。
ちなみに当時は別に全く誰も気にしてなかったが、彼のフェブラリーSから四半世紀以上が経った現在も、ダートGⅠ(級)勝利の前走が中央芝重賞勝利というのは彼が唯一の記録である。え、アグネスデジタル? フェブラリーSの前走は香港だよ。芝とダートの路線としての分業が進む現在、この記録を再び達成する二刀流馬は現れるだろうか?
引退後は種牡馬入りしたグルメフロンティアだったが、当時のダート馬に種牡馬としていい待遇が与えられるわけもなく、一応種付け料30万円で募集されていたようだが、5年間の種牡馬生活で産駒は12頭、中央で勝利を挙げた産駒は1頭のみであった。
繋養されていた名馬のふるさとステーションが2003年に経営難で閉鎖されたため、それに伴い種牡馬引退。乗馬として千葉県のオリンピッククラブに引き取られ、そちらで余生を過ごした。
2010年7月17日、患っていた腰痛のため起立不能となり死亡。18歳だった。
引退後の2000年8月、2ちゃんねる競馬板に「おまえら喜べ!グルメフロンティアが復帰するぞ!」というスレが建った。種牡馬入りしたグルメフロンティアが笠松で現役復帰する……という単なるガセネタスレである。日本では一度種牡馬として登録された馬が競走に復帰することはできないため(一度引退と発表されたあとに現役復帰した例は後にダンツフレームがあるが、ダンツフレームは種牡馬入りできなかったための現役復帰である)、そもそもこれはルール上不可能であった。
これだけなら単なるクソスレが2chに建ったというだけの話だったが、事が起きたのは翌月。産経新聞社の競馬雑誌「週刊Gallop」9月10日号にて、ライターの大月隆寛が連載コラムで「そう言えば、風の噂では、平成10年のフェブラリーS馬で種牡馬になっていたグルメフロンティアも、なんと笠松で現役復帰が決まったとか。」と書いてしまったのである。裏取りもせず2chのネタスレに釣られたライターとしてひとしきり語り草となり、2ch黎明期の事件として一部で知られている。
トウショウペガサス 1979 鹿毛 |
*ダンディルート 1972 鹿毛 |
Luthier | Klairon |
Flute Enchantee | |||
Dentrelic | Prudent | ||
Relict | |||
ソシアルトウショウ 1972 黒鹿毛 |
*ヴェンチア | Relic | |
Rose O'Lynn | |||
*ソシアルバターフライ | Your Host | ||
Wisteria | |||
バンビファバー 1980 栗毛 FNo.5-e |
*ファバージ 1961 鹿毛 |
Princely Gift | Nasrullah |
Blue Gem | |||
Spring Offensive | Legend of France | ||
Batika | |||
スイートボルガ 1975 栗毛 |
*バーボンプリンス | Princequillo | |
Lyceum | |||
スイフトクイン | *ライジングライト | ||
スウヰイスー |
掲示板
6 ななしのよっしん
2024/12/07(土) 17:47:19 ID: 3JlIPHUT+l
スレのリンク訂正
おまえら喜べ!グルメフロンティアが復帰するぞ!
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ゴミ箱行き
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新・おまえら喜べ!グルメフロンティアが復帰するぞ!
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7 ななしのよっしん
2024/12/07(土) 22:35:40 ID: 1Z7lHskRgs
なんでまた急にグルメフロンティア?
8 ◆rSBzQMOICI
2024/12/08(日) 11:38:59 ID: NAvk1ysLs5
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最終更新:2025/01/25(土) 00:00
最終更新:2025/01/25(土) 00:00
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