ハリウッドワイルドキャット(Hollywood Wildcat)は、1990年生まれのアメリカの競走馬・繁殖牝馬である。
父Kris S.、母Miss Wildcatter、母父Mr. Prospectorという血統。
父クリスエスは競走馬としては実績皆無だったが種牡馬として活躍馬を多く出し、本馬が産まれる前年にPrizedがブリーダーズカップ・ターフを勝ったことで評価が大きく高まっていた種牡馬。一方で母ミスワイルドキャッターはミスタープロスペクター直仔とはいえ近親にさっぱり活躍馬がいない上に自身も不出走馬という見どころのないと言わざるを得ない成績であった。
本馬は夫のアーヴィングと妻のマージョリーのコーワン夫妻が生産所有し、エマニュエル・トルトラ調教師に預けられた。
2歳時は4月にコールダー競馬場のダート4.5ハロンの未勝利戦でデビューし、これを5馬身差で圧勝した。続くデビュータントS(L・5.5ハロン)では2歳時の主戦となるファビオ・アルゲリョJr.騎手と初コンビを組み、先行抜け出しで3馬身差で快勝した。次走のメラルーカS(L・5.5ハロン)も2馬身半差で勝利した後、ソロリティS(GIII・6ハロン)ではスタート直後こそ最後方に控えたが徐々に進出し、4馬身差で完勝した。
しかし、翌月のスーザンズガールSというステークス競走で単勝1.5倍の支持を裏切って8頭中6着に敗れた後に故障が判明し、2歳時はこれが最後のレースとなった。
3歳時は初戦の一般競走を3着、フロリダオークス(L・8.5ハロン)で本馬より10ポンド軽い斤量のStar Jolieの2着としたが、その後はファンタジーS(GII・8.5ハロン)で7頭中6着、ケンタッキーオークスやニューヨーク牝馬三冠競走を見送って出走したアザレアH(L・7ハロン)では3着と精彩を欠いた。その後西海岸に拠点を移してカリフォルニア州のニール・ドライスデール厩舎に移籍し、主戦騎手もエディ・デラフーセイ騎手に変わった。
転厩初戦のハリウッドオークス(GI・9ハロン)では9頭中7番人気と人気薄だったが、逃げたFit to Leadを直線で競り落とすとこれに1馬身3/4差をつけて勝ち、GI初勝利を挙げた。続けて芝に足元を移してサンクレメンテH(L・芝1マイル)を勝つと、デルマーオークス(GII・芝8.5ハロン)では後にGI6勝を記録するPossibly Perfectに1馬身差をつけて3連勝とした。
このまま芝で続戦しても良さそうな成績であったが、次走は再びダートに戻ってレディーズシークレットH(L・8.5ハロン)となった。ここではアルゼンチンからの移籍馬*レトス(有馬記念3着など重賞入着11回のコイントスの母)が直線先頭に立った本馬に迫ってきたが、2馬身差をつけて勝利した。
ブリーダーズカップ・ディスタフでは、アルゼンチンでGI1勝を挙げた後にアメリカに移籍し前年のこのレースなど米GI9勝を挙げていたPaseana、この年のニューヨークトリプルティアラを含むGI5勝のSky Beauty、この年のケンタッキーオークスなどGI3勝のDisputeという強豪が相手となったが、それでも単勝2.3倍の1番人気に推された。このレースでは逃げるSupah Gemを2番手から追走し、3~4角にかけて先頭に立つと、追ってきたPaseanaとゴールまで叩き合いを演じ、ハナ差で競り勝って5連勝で戴冠した。このレースは「ブラッド・ホース」誌の読者投票による「レース・オブ・ザ・イヤー」にも選出された名勝負となった。
シーズン前半の不調から大きな巻き返しを決めた本馬は、Sky BeautyやDisputeを抑えてこの年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬を受賞した。
4歳時はラカナダS(GII・9ハロン)から始動したが、ハナを争ったStalcreekよりも先に脚が上がって後退してしまい、5馬身1/4差の3着に終わった。その後しばらく休養に入った。
復帰戦は4ヶ月後のゲイムリーH(GI・芝9ハロン)となった。このレースではGI8勝を挙げ前年・前々年のエクリプス賞最優秀芝牝馬を受賞していたFlawlesslyがトップハンデながら単勝1.7倍に支持されており、本馬は2番人気だったが、レースでは直線で先に抜け出したFlawlesslyとMz. Zill Bearをまとめて交わし2馬身1/4差で勝利した。
続くビヴァリーヒルズH(GI・芝9ハロン)では本馬とFlawlessly共に124ポンド(約56.2kg)のトップハンデで出走し、一団となった馬群の後方から伸びたものの、フランス出身のCorrazona(119ポンド≒54.0kg)にクビ差遅れて2着となった(Flawlesslyはハナ差3着に抑えた)。次走ラモナH(GI・芝9ハロン)でも本馬とFlawlesslyが124ポンドのトップハンデとなったが、先に仕掛けたFlawlesslyにアタマ差届かず2着に敗れ、3回目の対戦で初めて先着を許した。
その後はBCディスタフ連覇を目指してダートに戻り、レディーズシークレットSを逃げて快勝。この年のブリーダーズカップが行われるチャーチルダウンズ競馬場が所在するケンタッキー州へ向けて東上した。
本馬にとって久々の東海岸での出走となったBCディスタフでは、前年5着の後に年が明けてからGI4勝を含む5戦5勝の成績を残していたSky Beautyと、ここまでGI4勝を挙げていた3歳馬Heavenly Prizeとの3強対決と見られたが、蓋を開けるとスローペースで逃げたブービー人気のOne DreamerがHeavenly Prizeをクビ差で抑えて逃げ切り、本馬は先行したが途中からじりじり後退し6着に敗退した。
年が明けた2月に西海岸に戻ってリトルブリアンSというダート7ハロンのステークス競走を勝利し、このレースを最後に引退・繁殖入りした。通算成績は21戦12勝・GI3勝だった。
コーワン夫妻所有で繁殖入りした本馬はケンタッキー州レーンズエンドファームで繁殖入りし、2番仔に2000年BCマイルなど重賞3勝を含む7戦5勝の成績を残したWar Chant(牡・父Danzig)を出した。ブリーダーズカップ優勝馬が母としてブリーダーズカップ優勝馬を出したのは、Personal Ensign(1988年ディスタフ)がMy Flag(1995年ジュヴェナイルフィリーズ)を出して以来2頭目の例であった。産駒のGI馬はWar Chantのみであるが、2003年に産んだ7番仔Ivan Denisovich(牡・父*デインヒル)は2005年ジュライS(英GII)を勝ち、GIで2着・3着を2回ずつ記録している。
2012年6月、癌に起因する合併症のため死亡。その死後、2009年産まれの11番仔*スピニングワイルドキャット(父*ハードスパン、6戦1勝)が繁殖牝馬として日本に輸入され、香港スプリントや高松宮記念などを勝ったダノンスマッシュの母となっている。
Kris S. 1977 黒鹿毛 |
Roberto 1969 鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Bramalea | Nashua | ||
Rarelea | |||
Sharp Queen 1965 鹿毛 |
Princequillo | Prince Rose | |
Cosquilla | |||
Bridgework | Occupy | ||
Feale Bridge | |||
Miss Wildcatter 1980 鹿毛 FNo.4-r |
Mr. Prospector 1970 鹿毛 |
Raise a Native | Native Dancer |
Raise You | |||
Gold Digger | Nashua | ||
Sequence | |||
Elizabeth K. 1970 鹿毛 |
Third Martini | Hasty Road | |
The Golden Girl | |||
Baked Apple | Hilarious | ||
Appalachin | |||
競走馬の4代血統表 |
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最終更新:2025/03/23(日) 16:00
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