「ボカロ」とは、以下の意味・用例を持つ概念である。
当記事では、2・3について解説を行う。
2007年の初音ミクヒットによるボカロ文化の開化から暫く、歌声合成ソフトウェアの主流はVOCALOIDであり、ボカロと言えばVOCALOIDのみを指すことが支配的であった。その影響は「VOCALOIDのプロデューサーの一覧」「VOCALOID殿堂入り」などニコニコ大百科の記事名にも表れており、各ソフトウェアを基準に記事を分けるという方法は現在においても続けられている。
ただ、多様な音声合成ソフトウェア(歌声合成ソフトウェア[2]及び音声読み上げソフトウェア[3])やキャラクターの登場、同一キャラクターによる複数のソフトウェアの発売及びそれらの使用用途の拡大・浸透[4]により、ボカロP[5]が多様な音声合成ソフトウェアを使い、楽曲を制作する[6]ことが増えている。
このような動きにより、現在では包括的なボカロ概念は次第に受容されつつある。例えば、くろ州氏による2025年2月28日にnoteに投稿された記事「『ボカロ』の定義は? 軽くアンケとってみた」において、感覚上のボカロの定義を広義的に解釈する人が7割を超えていることは注目に値する。一方で、厳密なボカロの定義を聞いた場合には、約9割が「VOCALOID製品」のみと答えており、本音と建前的な概念の差異を意識している人が回答者には多いと考えられる[7]。
その流れに対応し、各公式においても、包括的な意義と読み取れる「ボカロ」の用法を便宜的に使用する場面が多く見受けられるようになっている[8] [9]。
一方で前述の通り、「ボカロ」はヤマハの登録商標であり、ヤマハ株式会社による「『VOCALOID™』関連名称 / 商標 / ロゴ に関する使用規約」(2)において、
「弊社商標について、普通名称であるかのような誤認や混同を招くような表示は避けてください。」
と言及されているように、現状包括的概念としての表示・表現をヤマハは認めていない。
その商標への配慮の観点から、新たな呼び方を作るべきとの議論が起こり、「ソフトウェアシンガー」等の呼称が生み出された。公式においても「バーチャルシンガー」などと呼称する場面がある。
現行のニコニコ動画のランキング(参照⇒ニコ動ランキング改変2019)においては、運営が設定した「ジャンル」によるランキングを基本によく使われている「代表的なタグ」で絞り込めるシステムを採用している。
そのため、ボカロに関するランキングとして機能している「VOCALOID」タグランキングを表示させるには、VOCALOID以外のソフトウェアのみを使用していても「VOCALOID」のタグロックが必須であり、登録タグを圧迫する・違和感があるなどの問題が指摘されていた。
2025年3月17日、2025年4月を目処にニコニコ動画のランキングをリニューアルすることが公表された。
関連ニコニコインフォ⇒「【予告】ランキングリニューアルのお知らせ【ニコニコ動画】」
そのニコニコインフォによると、再編されたランキング区分一覧へ「動画投稿時に設定されるジャンル・ロックタグ」の内容によって自動的にマッチングする仕様となるようであり、新たに「ボカロ」区分が設定されることも公表された。
この新しい「ボカロランキング」に掲載される条件・条件を満たしていても除外される条件は以下の通りである[10]
対象のランキング | 必要な条件 | 条件を満たしていても除外されるもの |
---|---|---|
ボカロ | 以下の条件を満たすジャンルとロックタグ両方の設定 ・「音楽・サウンド」ジャンル ・[初音ミク][鏡音レン][鏡音リン][巡音ルカ][MEIKO][KAITO][ボーカロイド][ボカロ][VOCALOID][CeVIO][SynthV][Synthesizer][SynthesizerV][VOICEROID][UTAU][NEUTRINO][A.I.VOICE][VOICEVOX][ぼかうた][VoiSona][ACE_Studio][Pocket_Singer][ソフトウェアシンガー][NNSVS]で部分一致したタグ |
・「音楽」[11]「エンタメ」[12]ランキングの条件に当てはまるもの ・[歌ってみた] [演奏してみた]で完全一致したタグが設定されているもの |
※詳細についてはニコニコヘルプ「[動画]各ランキングの掲載条件について」を確認のこと。
また掲載条件は変化する可能性があるため、最新情報を確認してほしい。
このランキング仕様改変においては、ランキング区分名に「ボカロ」を用いながら、多様な類似ソフトウェア名称・「ソフトウェアシンガー」タグが付けられた動画も対象としていることは特筆すべき大きな変化であると言える。
このランキング区分について、ニコニコ運営代表の栗田穣崇氏は彼のX(旧Twitter)において、
工夫ポイントのひとつは、ボカコレの流れでヤマハさんとも調整して「ボカロ」ジャンルを大階層にしたことと、ボイスロイド、トークロイド、ソフトウェアトークなど呼称が多岐に渡っていたジャンルを分かりやすく「音声合成実況・解説・劇場」としたことなどです
と投稿し、このランキング改変についてヤマハと調整を行ったことを明らかにしただけでなく、当該ポストのリプライにおいて、ニコニコとしての歌声合成ソフトウェアの総称を「ボカロ」とした旨の投稿[13]も行っている。
ヤマハ側からの声明は特に確認できていない(2025年3月21日時点)が、実質的に包括的な「ボカロ」概念に大きなお墨付きを与える変更であり、今後の議論や動向が注目される。
掲示板
1 ななしのよっしん
2025/03/22(土) 12:50:12 ID: vH0mYIGosE
17年越しのリダイレクト解除おつです(震)
2 ななしのよっしん
2025/03/24(月) 00:27:53 ID: DpfTH7AM8v
>>1 ありがとうございます!
リダイレクトを外せたのは、ニコニコ運営が予定しているランキング仕様改変が「ボカロ」の意義に大きな影響を与えるものであったことやそもそも関連する議論が一定の着地点を見出しつつあると判断したためです。
ただ、今後の掲示板や全体的な議論の進展によっては内容が変わることはあり得ますので、その際には記事に反映させます。閲覧された皆さんもよりよい記事のためご協力宜しくお願いいたします。
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最終更新:2025/03/24(月) 03:00
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