新選組!とは、2004年に放送した第43作目のNHK大河ドラマである。
「古畑任三郎」「王様のレストラン」など多くのヒット作を手掛ける三谷幸喜の書き下ろし作品。音楽は服部隆之。
オープニングテーマは「信長 KING OF ZIPANGU」以来となる歌付きとなっており、テノール歌手のジョン・健・ヌッツオが独唱を務め(作詞は三谷幸喜)、同年の紅白歌合戦でも白組歌手としてこの曲が歌われた。
主人公である近藤勇役にはSMAPの香取慎吾、副主人公の土方歳三役には山本耕史が演じた。それまで映画やドラマで新選組隊士を演じるキャストは年配の役者が多かったが、本作では登場人物の実年齢に近い若手役者が多数選出された。特に土方役の山本耕史と山南敬助役の堺雅人は本作で大きく注目を集め、山本は2年後の続編(詳細は後述)で今度は主役として再び土方役となり、堺は11年後に三谷が再び脚本を手掛ける大河ドラマ「真田丸」で主人公の真田信繁を演じている。一方、原田左之助役の山本太郎にとっては、白歴史の代表作となってしまったが・・・
毎回のテーマとして“近藤勇の人生にとって重要な49日”を取り上げ、(一部の回を除く大半が)その一日を一話に当てはめて物語が進められている。例えば、第一話は黒船や坂本龍馬らとの出会いが、最終話では近藤勇が処刑されるまさにその瞬間までが描かれた。
歴代大河ドラマの中でも出演者数の多さは歴代1位であり、2021年現在もこの記録は塗り替えられていない。出演者の数を問わず、新選組隊士個人個人の性格や心情、人間関係を三谷氏が細かく書いていることも特徴のひとつであり、近藤・土方の他にも、沖田総司・斎藤一・藤堂平助・原田左之助・山南敬助・永倉新八・井上源三郎の7人も主役格として描写されている他、前半は近藤たちの前に大きく立ちはだかる存在として芹沢鴨が重要なキーマンとして描かれた。
作品全体としては、三谷幸喜が得意とする青春群像劇の色合いが強く、特に前半はコミカルな場面もが多数見られた。放送当時は、マスコミを中心に「主演の香取が、それまでの近藤勇像とかけ離れ過ぎている」「コントシーンが多すぎる」などの批判を受け視聴率には恵まれなかった [1]。
しかし、新選組の仲間が次々に命を落としていく後半は次第にシリアスな展開となり、一見本編には不要に思われた前半のコミカルタッチな展開が、実は物語の伏線となって回収されるなど、後半を中心としたシリアスなシーンとのメリハリや、本編を通してみると近年の大河ドラマの中でも完成度はかなり高い [2]。従来の大河らしくない大河ドラマであり、それまで若者が敬遠していた大河ドラマに新たな風を吹き込んだという一面もあり、現在でも本作の評価は大きく賛否両論である。
最終回の翌日、フジテレビの「SMAP×SMAP」では三谷幸喜が書き下ろしたミニコント「局長!」が放送され、香取慎吾が本編と同じ近藤勇を演じた(衣装もわざわざ大河ドラマで使ったものをNHKから借りて着用している)。最終回で号泣した視聴者の余韻をぶち壊したのは言うまでも無い。
また、徳川慶喜を演じた今井朋彦はその強烈なインパクトが話題となり、放送終了後、本編の慶喜を彷彿させる殿様役で消臭プラグのCMに長年出演した。
最終回「愛しき友よ」は、主人公・近藤勇の処刑で締め括られたが、流山で出頭した近藤と別行動をとり新政府軍と戦った近藤の盟友・土方歳三の最期については描かれず、本編では宇都宮城の戦いでの奮闘する場面で終了している。このことから本編放送終了後に視聴者から、「その後の土方を描いた続編を作ってほしい」との要望が多数寄せられた。
そして本編放送終了から13ヵ月後の2006年1月1日に正月時代劇として「新選組!! 土方歳三 最期の一日」が放送された。大河ドラマの続編というのは異例であり、現在まで唯一である。
物語は、箱館戦争(五稜郭の戦い) [3]において、土方の回想を交えながら、五稜郭でともに戦う榎本武揚・大鳥圭介の3人の対話による密室劇、そしてタイトル通りこの戦いで土方が戦死するに至るまでが描かれた。
主要メンバーである試衛館の仲間を中心とした9人のほとんどは本編最終回の時点で既に死亡しているため(斎藤・永倉は別行動で健在)、回想シーンとして沖田・平助・左之助・山南・永倉・源三郎・斎藤が登場した。この回想シーンはドラマ本編の使い回しではなく、今回のために新たに撮影されたものである。
近藤も土方が死ぬ今際の間際に登場するが、香取がフジテレビのドラマ「西遊記」のロケでスケジュールが取れなかったので、最終話の処刑間近に「トシ…」と語りかけるシーンがワンカットだけ使われた。
それからさらに9年後の2015年10月には、三谷幸喜の脚本ではないが、連続テレビ小説「あさが来た」で山本耕史は3度目となる土方歳三役を務めた [4]。過去にも複数の大河ドラマで特定の俳優が同じ役柄を演じるケースは多数見られるが、大河と朝ドラで同じ役を演じるのはこれが初の試みとなった。
掲示板
94 ななしのよっしん
2024/04/25(木) 12:43:36 ID: jGkRDtbvM0
主人公が美化されているのはそうだけど、言われるほどか?と思う。
破滅に向かう過程もしっかり描かれていたし、 (近藤目線の)悪役である勝や西郷も義があることをしっかりフォローしてたので、むしろ割と全キャラクターに平等な大河かと思う。
松平上総介と徳川慶喜の描き方だけは納得いかなかったけど…。
95 ななしのよっしん
2024/04/25(木) 12:51:01 ID: R2vSFNyS5G
破滅まっしぐらのドラマ終盤でも、永倉達が近藤を正面から批判して新選組をやめたことが描かれていたしね
あそこのシーンは史実の新選組を知っていても「あー、ドラマ前半であれだけ仲良くしてた古参達がどんどんバラバラになっていく…」と思ってしまった
96 ななしのよっしん
2024/04/25(木) 12:53:03 ID: Wzcf5CnMjV
でも正直伊東暗殺まわりは話としての出来はともかく美化しすぎじゃねえかとは思う。
本当にあんないきさつだったら御陵衛士もあんな恨み持たないだろって思った。もちろんドラマの中では行き違いとしてそのへんは描かれてはいるけど
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最終更新:2025/04/08(火) 12:00
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