東方紅魔郷とは (トウホウコウマキョウとは) [単語記事]

「東方紅魔郷　～ the Embodiment of Scarlet Devil.」（とうほうこうまきょう　じえんぼでぃめんとおぶすかーれっとでびる）とは、同人サークル「上海アリス幻樂団」制作の弾幕STG「東方Project」の第6作目。

ちなみに「the Embod ime nt of Scarlet Devil」とは、「深紅の悪魔の化身」という意味である。

ゲームのスナップショットと切り抜き画像については、原作者の示した条件に基づき使用しています。

概要

Windows版1作目、通算6作目。動作環境をPC-98からWindowsに移して発表された、Windows版の東方Project第1弾。東方Projectの存在を世に知らしめたタイトルで、縦スクロール弾幕系シューティングゲームである。東方Projectの代名詞ともいえる「スペルカードシステム」が初めて搭載された作品でもある。

舞台は洋館。製作者のZUNは「東方だから、と和風に縛られたくなかった」と発言している。
そのため全体的にもやや洋風なイメージ漂う作品となっている。

Windows版最初の作品ということもあって、次作の妖々夢以降には標準的に採用されているようなシステムも、まだ未開発、未搭載であるものが多い。また、弾幕の傾向も大きく異なっている。

この為、後の作品から入ったプレイヤーが紅魔郷をプレイするとその違いにとまどい「紅魔郷は難しい」と評価する者が多い。ただし「慣れさえすれば簡単だ」という意見もある。

他のシリーズとはかなり傾向が違うため、windows版東方Project第一作でありながら、初心者お勧め！とは言いにくい、とする声もある。しかし、全体的にシステム、操作面はシンプルであるため、覚えることが少ないのはよい点である。また、本作のみ以降の作品より頒布価格が安い。

本作品の主な特徴は以下の通り。

低速移動時の当たり判定表示が出ない
画面下部のボス位置表示（エネミーマーカー）がない
プレイランクによる難易度変動（ノーミスが続いたりグレイズを大量に行ったりすると難易度が上がる）が比較的大きい
ボスの動きがランダムで自機に寄ってこない（誘導できない）＝気合避け成分多目
弾幕もランダム性の高いものが多く、自機狙い弾が比較的少ない（パターンを組みにくい）
比較的、弾速は遅い。
Extraではエクステンドがわずか2回とWindows版の中で最も少ない。
ゲームパッドでのプレイ時のゲーム遅延が激しい

ゲームシステム

ゲームシステムとしては、主人公の博麗霊夢と霧雨魔理沙から、キャラ毎に異なる2種類の武器から1つ、合計４種類の機体のうちどれかを選び出撃。縦スクロールの画面の中で、弾幕を避けつつ敵をショット、ボムで撃破していく。

敵を撃破した際に出現するアイテムを一定数集めると、ショットがパワーアップする。いくつかの段階を経て強化されていき、最大 128個までパワーアップ。被弾すると、ミスとなって残機が１、パワーが少量減少する。

今作から実装されたシステムの目玉は、やはり「スペルカードシステム」といえる。
このスペルカードシステムは敵が使用するものと自機が使用するものに分けられる。

敵が使うスペルカードは、「従来のSTGの敵の攻撃パターンに名前をつけたもの」である。
ある特定の攻撃パターンの開始時にカットインと共にその攻撃パターンの名前(スペルカード名)が画面に表示されそのパターンの終了までそのスペルカードを使っている、と言う解釈となる。
これによって、弾幕やパターンの記憶や情報共有がしやすくなった。また、ノーミス＋ノーボムでスペルカードを撃破するとスペルカードボーナスが獲得することができ、その取得回数と挑戦回数はずっと記録されていくのでやり込み要素にもなっている。
世界観的には攻撃手段でしかなかった弾幕のパターンに『意味』を持たせることが可能となり、敵キャラクターの設定や性格を反映した特徴的な弾幕が数多く生み出された。弾幕それ自体がキャラクターの設定や能力を抽象化したある種のアートであり、世界観や二次創作にも貢献している。

自機が使うスペルカードは「ボムに名前をつけたもの」である。
画面右に表記されている「BOMB」を１消費することで使用できるもので。使用すると専用のエフェクトが出現し、弾幕を消し去る等使用自機に依存した特殊な攻撃を行う。このスペルカードシステムで最も恩恵を受けたのは霧雨魔理沙の恋符であるとされ、彼女の使用する「マスタースパーク」は名実共に最強のスペルカードであるといえる。

難易度 Normal以上でStage.6までノーコンティニューでクリアすればグッドエンディングを見ることができる。グッドエンディングを見るとタイトル画面の「Extra Stage」が解禁され、挑戦することが可能。Easyでは５面までしか進むことができないのでどうがんばってもグッドエンディングは見られない。Normalをノーコンティニューすることが、このゲームにおける第一の到達地点であるといえる。

登場キャラクター一覧

キャラクターを表記する。同時に敵キャラのテーマ曲も記載する。

各キャラクターの詳細については、キャラクターごとのリンク先を参照されたし。

主人公

博麗神社の巫
女
さ
ん

博
麗霊夢

　　　　霧雨魔
理
沙

東
洋
の
西洋魔術師

敵キャラクター

登場ステージ	名前	テーマ曲
1面ボス	ルーミア	妖魔夜行
2面中ボス	大妖精（だいようせい）	ルーネイトエルフ(道中曲)
2面ボス	チルノ	おてんば恋娘
3面ボス	紅美鈴（ほんめいりん）	明治十七年の上海アリス
4面中ボス	小悪魔（こあくま）	ヴワル魔法図書館(道中曲)
4面ボス	パチュリー・ノーレッジ	ラクトガール　～少女密室
5面ボス	十六夜咲夜（いざよいさくや）	月時計　～ルナ・ダイアル
6面ボス	レミリア・スカーレット	亡き王女の為のセプテット
EX ボス	フランドール・スカーレット	U.N.オーエンは彼女なのか?

ニコニコ動画において

ニコニコ動画（仮）の時からこの作品のキャラクターを用いた二次創作の作品が多く投稿されているように、仮時代からニコニコ動画を支えてきた作品とも言える。
ニコニコ動画の変化とも対応しており、まず最初は曲(アレンジ含む)の丸上げや曲を利用したMADが主体であったが、徐々に東方手書き劇場が増加しキャラクターとしての認識が強くなり多数の作品によって二次設定やカップリングなどなどが増強されていき、そのままMMD東方や静画でも活躍している。

現在鬼形獣まで数えて17作出ている東方Projectだが、ニコニコ動画での紅魔郷の人気は根強いものがある。
紅魔郷キャラクターを用いたMADはいまだ投稿され続け、そこから東方手書き劇場やMMD東方、静画などで活躍している。紅魔郷に使われているBGMも数多くのアレンジが生まれ、13年が経過した今ですらも尚新規のファンも獲得し続けるという息の長すぎる活躍をしている。
東方Projectの人気の基礎を築いた作品といえるかもしれない。

この作品のBGMは特に「上海紅茶館」「亡き王女の為のセプテット」「U.N.オーエンは彼女なのか?」の人気が高い。※

ニコニコ動画上では「U.N.オーエンは彼女なのか?」の人気が圧倒的で、アレンジ曲などの動画投稿も多く行われている。ビートまりおによる後者のアレンジである「最終鬼畜妹フランドール・S」の人気もあり多くのMADが投稿されていた時期があり、ニコニコ動画では原曲よりこのアレンジを用いたMADのほうが有名と言う状況がかなり長く続いた。
しかし、これによってフランドール・スカーレットというキャラが周知され、元のポテンシャルもあって東方手書き劇場などで強固な基盤を築き、それに伴って原曲も評価されると言う物凄く遠回りな結果となった。(尚、このアレンジ曲も10年を経てから音ゲーに収録されるという快挙を成し遂げている)