ジメイ
自明(じめい)とは、自ずと明らかなこと、取り立てて説明する必要もないほど当たり前のこと、を表す言葉である。
自明な事柄といえば例えば次のようなものが挙げられるだろう。
しかし、上に挙げた例は本当に“自明”なのだろうか?
「1+1=2」というのは本当に当たり前のことのように思える。だが、「それはなぜですか?」と問われたとき、あなたは答えることができるだろうか?りんご1個とりんご1個を合わせたらりんご2個になるから、ではあまりいい答えとは言えない。この場合問題になるのは「1」や「2」、「+」や「=」とは何か?ということである。これらを定義してはじめて、「1+1=2」は正しい、ということができる。そう考えてみるとこれは本当に自明なことだろうか?
「私は存在する」これも本当に当たり前のことだ。根源的な問題だからこそ、これを議論するのはより一層骨が折れる。まず「存在」とは何なのか、そしてその意味で私たちは「存在」しているのかを考えなければならない。「我思う、ゆえに我在り」なんて馬鹿馬鹿しい言葉だ、と思うかもしれないが、今述べた観点で考えてみると、実はよく出来た表現だということが分かってくれると思う。
「熱したやかんに触るとやけどをする」これは上の二つよりも具体的な話で考えやすいだろう。やけどはなぜ起こるのかなどと考えると上二つと同じような話になるが、今はそれは考えないことにしよう。とりあえず私たちはこのことが正しいということを経験的に知っている(勿論上の二つの例も経験的には正しいだろうと思っていたはずだ)。だが、例えば火というものを見たことのない人間は、熱したやかんに触ってどうなるか、全く想像ができないだろう。今のは少々突飛だが、時代や文化が違えば、経験から来る自明性でさえもまた違うことは分かってもらえるだろう。
「自明」という表現には主観が多分に含まれる。私にとっては「自明」であっても相手にとっては「非自明」である、というのは意外とよくあることだ。「自明」だと思っていたことが実は「非自明」だった、あるいはそもそも間違いであった、ということも少なくない(例えば、ガリレオの実験以前は重いものほど早く落ちる、というのが自明とされていた)。自明と思える事柄を深く考えることも時には重要である。そうすることで、自分の考えは何を根拠にしているのかがはっきりしてくる。時には新たな知見を得ることもあるかもしれない。
掲示板
25ななしのよっしん
2019/04/21(日) 01:29:08 ID: c4jtjQPd9U
>>19
「1+1はなぜ2になるのか?」という問題に対して
数学の事情はよく知らないが、哲学的にはフレーゲの考えが一般的だと思う
https://算術の基礎
26ななしのよっしん
2021/09/15(水) 03:56:33 ID: NXiVmSdk4J
科学は自明である
と思い込んでる人が大勢居るけど、その理論は思想的には1哲学でしかないので、哲学の自由(思想の自由)が根底にある。
その資料は歴史学的な保証しかなく、歴史学は常に歴史認識と呼ばれ思想的な都合の良さに影響されてきた。
1思想の域を出ず、歴史認識に立脚せざるを得ない科学が自明になれるはずはないが、しかし多くの科学主義者は自明だと信じているようだ。
27ななしのよっしん
2022/05/12(木) 05:37:48 ID: YWy0Na85OY
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最終更新:2023/01/29(日) 22:00
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