
金色のガッシュ!!とは、『週刊少年サンデー』で2001年6号~2007年4・5合併号まで連載されていた漫画である。作者は雷句誠。
単行本は全33巻、ただし小学館問題により版権を引き上げたため絶版。のちに講談社から漫画文庫として再発行され、全16巻。2019年にはクラーケンコミックスより新規描き下ろし小話「ガッシュカフェ」を収録した完全版コミックス全16巻が電子書籍で刊行され、後に紙の書籍でも刊行された。
また、文庫版発売記念としての番外編「友」が『どうぶつの国』6巻に掲載されている。この番外編「友」は2021年9月に20周年を記念して無料配信されたファンブック『金色のガッシュ!!20周年ありがとうなのだ!ブック』に収録されている。
なお、『金色のガッシュベル!!』の名前でアニメも2003年4月から2006年3月まで放映されていた。タイトルが変更されているのは商標に引っかかるためだといわれている。
概要
1000年に一度、魔界の王様を決める為、人間界に送られた100人の魔界の子供たちが戦うバトルストーリー。
雷句誠の名前が幅広く売れた作品であり、『小学○年生』、『コロコロコミック』等数多くの場所でいろいろな漫画家が派生漫画を連載したほど。
現在でも根強い人気を誇る漫画であり、『別冊少年マガジン』にて本編後の番外編が描かれたほどである。
主なキャラクター
以下多少ネタバレを含んでます。
- ガッシュ・ベル(CV:大谷育江 - 吉田小南美)
- 本作の主人公、魔界にいた頃の記憶を失っている魔物の子。
元気いっぱいで誰にでも優しい。王様っぽく語尾に「なのだ!」とつけたり、「ウヌゥ」という口調をつける。
このしゃべり方にはワケがある。昔ガッシュが魔界にいた頃、体内に最強の雷呪文「バオウ・ザケルガ」を封じ込められたことから民間の家に隔離され、養母にもクラスメイトにもいじめられて絶望的な毎日を送っていた。
そんな中、偶然自分が王族である事、親と兄がいることを知って、以後励みになるようにこの言葉を使い始めた。
コルルという少女に出会ったことで、優しい王様になることを誓う。
電撃を主体とした術を使う。
- 高嶺清麿(CV:櫻井孝宏)
- ガッシュの赤い本の使い手。天才的頭脳を持つ中学生。もう一人の主人公。
その天才的頭脳故に周りから煙たがられていたが、ガッシュとの出会いにより変わり始め、次第に友達も増えてきた。
基本的に物語のツッコミ役兼もう一人の主人公として参加しており、彼がいなくなるとこの漫画の展開が基本的にグダグダになるためあまりオススメはできない。
ゼオン/デュフォーペアとの戦いで、考えればその答えがすぐに浮かぶ「答えを出す者-アンサー・トーカー-」という異形の力を習得するが、ある日の夜に意味不明のアホな夢を見て力を失ってしまった。
- ブラゴ(CV:小嶋一成)
- ガッシュのライバルとして雷句が考えた魔界貴族の青年。
ブルドーザーも一撃でぶっ飛ばすほどの腕力を有しており、その圧倒的パワーを武器にした戦い方をする。
シェリーのことは当初は認めていなかったものの、魔界に帰る際は「お前がパートナーで俺は幸せだった」と作中最強のデレを見せている。後の雷句の言葉によれば、ブラゴはシェリーに恋をしていたとのこと。
重力を主体とした術を使う。
- シェリー・ベルモンド(CV:折笠富美子)
- ブラゴの黒い本の使い手。ベルモンド家令嬢。
当初は親友であるココを洗脳していたゾフィスに復讐心を燃やして他の魔物を寄せ付けていなかったが、清麿たちと出会うことにより彼女自身の心も変わってきた。
ブラゴとのコンビネーションは抜群であり、彼女自身もかなりの戦闘能力を有する。家名や武器からすると、多分悪魔城ドラキュラネタなキャラ。
- ティオ(CV:釘宮理恵)
- ガッシュの友達のCVくぎゅの幼女。やっぱりツンデレ。
魔界にいた頃はガッシュ、キャンチョメをいじめていたらしく「首絞めティオ」の二つ名で恐れられていた。
その本質は思いやりのある優しい女の子であり、その彼女の人格が現れてか使用する呪文も盾を出したり、体力を回復させる呪文が多い。こら、誰だチャージル・サイフォドンとか言ったのは。
守りが主体の術を使う。
- 大海恵(CV:前田愛)
- ティオの朱色の本の使い手。高校生の人気アイドル歌手。
とある一件以来清麿に好意を抱いており、以後さりげなくアプローチをかけるが最後まで清麿には気づいてもらえなかった。同じく清麿に好意を抱いている水野スズメとは仲が良いが、ごくまれに彼女にいじわるした部分もあった。
生身の戦闘能力は人間相手ならばある程度は戦える程度。
- キャンチョメ(CV:菊池正美)
- ガッシュが魔界にいた頃の友達、口がアヒルの魔物。
覚えている術は攻撃には使えない呪文ばかりだったが、次第に戦闘型の呪文も覚えていった。
図々しい上にうっとうしい面も持っているが、誰とでも仲良くして一緒に遊ぶことにためらいがない為友達は比較的に多い。
泣き面等に騙されがちだが、意外と頭の回転はよく、時には清麿すら気づかなかった事に勘付くことも。変化、まやかし系の術を使う。
- パルコ・フォルゴレ(CV:高橋広樹)
- キャンチョメの黄色の本の使い手。イタリアの世界的有名スター。
いつもハイテンションで女子相手にセクハラをしているが、まじめな時はまじめな男。でもチチはもぐ。
実は過去に不良をやっていた経験があり、その豪腕で多くの人間をボコボコにしていたがその怖さから親から勘当され、天涯孤独となる。街中で偶然見かけたカバの映像を見て以来、不格好でも強く、そして優しいカバさんを目指すようになる。
- ウマゴン(シュナイダー)(CV:こおろぎさとみ)
- ウマの怪獣のような外見をしていることから清麿にそう名づけられた不運な魔物。幼いのでまだ言葉を話せず、名前を訂正できない。
ガッシュとは魔界にいた頃一時期嫌っていたが、父親のパパゴンの命の危機を一緒に救ったことから、以後ガッシュの友達になる。
ウマのような外見に比例して干草が好きだが、逆にニンジンは大嫌い。
炎、また速さを主体とした術を使う。
余談だが、『どうぶつの国』にも出ていたりする。
- カフカ・サンビーム(CV:郷田ほづみ)
- ウマゴンの薄橙色の本の使い手。
動物の言葉をわかる能力を持っているがいまいち感覚がアレであり、ごくまれに清麿を困惑させる。
年長者ということからメンバーのまとめ役になっており、清麿に代わって作戦参謀を担当したこともしばしば。
心情は「グルービー-いかしてる-」。
- キッド(CV:岡村明美)
- 人形のような外見をした魔物の子。
見た目に反して高い戦闘能力を持つ。
純粋な心を持ち、疑いを知らない性格だが、それ故にナゾナゾ博士の「ウ・ソ♪」に騙され続けている。
機械系の術を使う。
- ナゾナゾ博士(CV:納谷六朗)
- キッドのパートナー。本名は不明。口癖は「ウ・ソ♪」。
自称「何でも知っている不思議な博士」であり、基本的に清麿たちにヒントを与え彼らをサポートする。
その実態は未だ不明であるが、今考えれば答えを出す者の類かと思われる。
「マジョスティック12」という奇々怪々な超能力集団を連れているが、基本戦闘能力は全員無いに等しい(一応、意識を反らしたり、移動を補助したりとそこそこ役立ってるのもいたが)。
- ウォンレイ(CV:石田彰)
- リィエンの恋人。
格闘術系の呪文を使う。原作での最後の対戦相手がアレという不遇なキャラ。しかし戦う様には相手すら漢と評されるほど魅せるものがある。
- リィエン(CV:池澤春菜)
- ウォンレイの恋人。そしてパートナー。
実家は中国の財閥であり、父親によりウォンレイと離ればなれになっていたが、清麿とガッシュによって救われて現在は田舎で暮らしている。
ウォンレイと同じく格闘術に精通している。
- ゼオン・ベル(CV:高乃麗)
- 魔界の王族の御子息であり、ガッシュの双子の兄。
父親がガッシュに「バオウ・ザケルガ」を授けたことから彼に嫉妬し憎悪を抱き、人間界でガッシュの記憶を奪った。
ガッシュと違い非道で残忍な性格をしているが、それは本質ではなく本来は穏やかで弟思いな性格。
ガッシュとの戦いにおいて真実を知った彼はガッシュと和解、魔界に帰る際に兄弟の絆を取り戻した。
パートナーのデュフォーとは同じ心の闇を持つ者どうし深い絆で結ばれている。
ガッシュと同じザケル系の呪文を使うが、一部の呪文はゼオン流のアレンジが加えられている。
- デュフォー(CV:緑川光)
- ゼオンのパートナー。その昔、人身売買によって施設に売られた天才少年。
基地の自爆で廃棄されそうになったところをゼオンに拾われ、以後彼のパートナーとなる。
「答えを出す者」の能力を持っている。
ゼオンが魔界へ帰った後、とある集落で命の尊さを知り、クリア編では清麿たちに協力した。
- ヴィンセント・バリー(CV:置鮎龍太郎)
- 頭に角を2本生やした長身の魔物。角から光線を出すなど、光線系の術が多い。
ガッシュと戦ったことで『強き王』を目指すようになる。
- グスタフ(CV:石塚運昇)
- バリーのパートナー。彼の実家の屋根にバリーが突き刺さっていたという奇妙な出会い方をしている。
そしてやはり、この御方を取り上げないわけにはいくまい。
- ビクトリーム(CV:若本規夫)
- Vの字を2つ重ねたような外見、メロンが大好物なばかりに緑色の塊状のものになんでもかぶりついてしまうボケっぷり(歯はカボチャを噛み砕くくらい頑丈w)、しかしながらその実力は小細工なしの真っ向勝負ならおそらく魔界最強クラスな魔物様。彼に遭ったら失礼のないようにこう呼ばねばならない、「華麗なるビクトリーム様」と。なお「ベリーメロン」という華麗なるテーマソングを持っている。
外見通りVの字が大好きでよく「Vの体制を取れ」と叫ぶが、ポーズを取った彼の身体を見て「それYの字なんじゃ」などとツッコんではいけない。
作者によれば、『コン・バトラーV』の主題歌を歌いながら3時間で考案したらしい。術も超電磁ヨーヨーとかだし。それが復活希望葉書が大量に舞い込む人気キャラに。どうしてこうなった……かというと、このお方おいしい場面をかっさらうのがあらゆる意味で上手い上に名台詞作成メーカーなのだ。「その美しさを股間の紳士に!」「わたしの紳士をいじめるな~~~!!」「『一粒のメロンの種が百万のメロンを生む』……この言葉を忘れるんじゃないぞ…」……なんだかお笑い方面のセリフばかりな気がするが気にしたら負け。
- モヒカン・エース(CV:永野善一)
- ビクトリームの現代のパートナー。
ゾフィスによって洗脳されてパートナーになったが、以後の消息は不明。
ニンニキニキニキニンニキニキニキウワ~~~~オ!!ウワ~~~~オ!!
- ウンコティンティン(CV:高木渉)
- 詳細は該当記事参照。
続編
2022年、作者の雷句誠のツイッターにて、『金色のガッシュ!!2』を執筆中と発表があった。
2022年3月14日から雷句誠が設立した出版社BIRGDIN BOARD 株式会社により各種電子書店にて第1話が配信され、2話以降は月刊で配信されている。
2022年9月には単行本第1巻が刊行。こちらは紙媒体でも出版され、2023年2月までで12刷が行われている
。2024年8月現在既刊4巻。第4巻発売時の単行本帯では累計販売数が90万部を突破したことが報告されている。
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