Fate/strange Fake(フェイト/ストレンジ・フェイク)とは、TYPE-MOONの作品『Fate/stay night』の少し未来を『バッカーノ!』『デュラララ!!』などのヒット作を執筆する成田良悟が描いた小説作品である。
概要
元々は2008年のエイプリルフールに成田が描いた二次創作作品であったが、後に「TYPE-MOONエース」Vol.2に別冊付録として加筆収録され、公式のスピンオフ作品となった。
本作はゲームシナリオを意識した構成となっており、自分(つまり読者)の分身である性別、詳細不明の「プレイヤーキャラ」が主人公と言う前代未聞のユニークな設定となっている。小説自体はゲームのプロローグパートを書いたものであり、当然のことながら物語の結末は描かれていない。
成田お得意の陽気な文体とFateの世界観が程よくマッチしており、「早く続きが読みたい」との声も多い。
登場するキャラクターにはFate本編からのゲスト参戦もあるほか、成田による「そんなのあり?」と思わせる独特なオリジナルサーヴァントもおり、ある意味本編以上にバリエーションに富んでいる。
文庫化とコミカライズ
2014年7月に改めてFateシリーズとしての新展開が発表され、2015年1月に電撃文庫から小説版が、TYPE-MOON BOOKSから森井しづきによるコミカライズ版が刊行された。
文庫版、コミカライズ版ではHP版で『プレイヤー』とされたキャラにアヤカ・サジョウの名前が与えられ、プロローグ部分しか語られていなかった物語が進められていく。
文庫版2巻のあとがきによると『大体年に2冊ぐらいのペース』で刊行していくとのこと。第2巻ではHP版よりも先に進んだストーリーが展開され、さらなる新キャラクターが多数登場している。
また、『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』第3巻の成田による解説では、奈須きのこから「Fakeは完全にパラレルだから好きにしていい」と言質を取り、「パラレル万歳!FGOぐらい無茶してしまえ!」と喜びの声を上げたことを報告。更なる展開に期待がかかる。
アニメ化
2019年の大晦日テレビスペシャルにて、30秒のアニメCM化。
2022年の大晦日テレビスペシャルにて、TVスペシャルアニメーション『Fate/strange Fake -Whispers of Dawn-』が放送予定だったが、制作上の都合により延期。当日は最新映像が流れるにとどまった。本編の放送は2023年夏ごろと発表された。
TVスペシャルアニメーション『Fate/strange Fake -Whispers of Dawn-』は2023年7月2日に放送。同日にニコニコ生放送とABEMAでもネット配信された。また、同日にテレビアニメシリーズの制作が発表された。テレビアニメシリーズの放送予定は2023年8月現在不明。
TVスペシャルアニメーション『Fate/strange Fake -Whispers of Dawn-』は2023年8月現在、ABEMA、dアニメストアなどで配信中。
登場人物
- アヤカ・サジョウ
- CV:花澤香菜
- 2人目の主人公。英霊召喚の生贄にされかかるもアサシンにより救われる。
- セイバー
- CV:小野友樹
- 召喚された際、近くにいたアヤカに契約を持ちかけたセイバーのサーヴァント。真名は『リチャードⅠ世』。アーサー王のファン。
偽りの聖杯戦争
- ティーネ・チェルク
- CV:諸星すみれ
- 1人目の主人公。外来の魔術師に奪われたスノーフィールドを奪還するために聖杯戦争に一族代表で参加した少女。
- アーチャー
- CV:関智一
- 自身を召喚した魔術師を処断したティーネをマスターとして認める。真名は『ギルガメッシュ』。無二の友の参戦によりいつになくやる気を見せる。
- フラット・エスカルドス
- CV:松岡禎丞
- 時計塔の現代魔術科・エルメロイ教室の生徒。英霊と友達になりたいというふわっとした理由で参加した天才児。
- バーサーカー
- CV:堀内賢雄
- フラットに「ゲームの懸賞ハガキがあたって手に入れた殺人鬼のナイフのレプリカ」を触媒に呼び出されたサーヴァント。真名は『ジャック・ザ・リッパー』。紳士的な男性で奔放なフラットに振り回される。
- ジェスター・カルトゥーレ
- CV:橘龍丸
- 6つの人格を持つ死徒。世界に退屈し水晶蜘蛛を目覚めさせて世界でも滅ぼそうかと聖杯戦争に参加。召喚したアサシンに魔術師人格を殺害された後、アサシンを心身ともに凌辱したい願望に目覚めた。
- アサシン
- CV:Lynn
- 自身を召喚したジェスターを殺害し、ハサン・サッバーハの信仰を狂わせる聖杯戦争と聖杯を破壊する目的で行動を始める。生前、名を捨てたため真名は不明。
- オーランド・リーヴ
- CV:羽多野渉
- スノーフィールド警察署の署長。聖杯戦争を仕組んだ側の人間。宝具で武装させた警官隊「28人の怪物(クラン・カラティン)」を率いる。
- キャスター
- CV:森久保祥太郎
- オーランドの召喚したサーヴァント。真名は『アレクサンドル・デュマ』。自身の能力で宝具化した武器を生産しクラン・カラティンに提供している。
- 繰丘椿
- CV:古賀葵
- 魔術師の両親により間桐家由来の蟲魔術を応用した細菌魔術を施され、病院で昏睡状態になっている少女。
- ライダー
- 椿が無自覚に召喚したサーヴァント。真名は『ペイルライダー(病)』。およそ英霊とは呼べぬサーヴァント。椿の願いに答えスノーフィールドの住民を夢の世界へ閉じ込め、彼女が怖がるものを排除しようとする。
- 銀狼の合成獣
- エジプトの神を召喚する触媒として作られたキメラだったが令呪が宿りランサーを召喚。創造主の元から逃げ出した。人間を警戒し森の中で隠れ住んでいたもののアヤカには懐く。
- ランサー
- CV:小林ゆう
- 銀狼の合成獣に召喚されたサーヴァント。動物会話スキルでマスターとも会話ができる。真名は『エルキドゥ』。
真なる聖杯戦争
- シグマ
- 3人目の主人公。フランチェスカに雇われた魔術師傭兵。いずれ生きながらにランサーの英霊へ至る可能性があるとされる。本人は知らないが久宇舞弥の息子。
- ウォッチャー
- シグマが召喚した「番人」のクラスのサーヴァント。白鯨への復讐心を持つ船乗り、蝋の翼を付けた青年、蛇の巻き付いた杖を持つ少年等が代わる代わる顕れる。真名は「●●●・●●●●」。
- ファルデウス・ディオランド
- CV:榎木淳弥
- 魔術協会に潜入していたアメリカ合衆国の魔術師。聖杯戦争を仕組んだ側の人間。先祖に冬木の第三次聖杯戦争にアサシンのマスターとして参加した人形遣いがいる。
- 真アサシン
- ファルデウスの召喚したサーヴァント。真名は『ハサン・サーバッハ〔幽弋〕』。影と同化する能力を持ち、あまりマスターと接触しようとしない。
- フランチェスカ・プレラーティ
- CV:内田真礼
- 聖杯戦争を仕組んだ側の人間。第四次聖杯戦争で旧友が召喚されたことで聖杯戦争に興味を持ち参加した。
- 真キャスター
- フランチェスカが自身を触媒として召喚した過去の自分。真名はもちろん『フランソワ・プレラーティ』。
- バズディロット・コーデリオン
- マフィア組織『スクラディオ・ファミリー』所属の魔術師。
- 真アーチャー
- バズディロットに召喚されたもののあまりの外道さに反旗を翻す。しかし令呪と聖杯の泥を利用され黒化し、アヴェンジャーのクラスへ変貌する。真名は『アルケイデス(ヘラクレス) 』。
- ドリス・ルセンドラ
- 強化魔術で有名なルセンドラ家のご令嬢。現代魔術科の生徒たちに雇われて参戦した。
- 真ライダー
- ドリスに従うサーヴァント。真名は『ヒッポリュテ』。
- ハルリ・ボルザーク
- 魔蜂使いである黒魔術師の少女。父親オッド・ボルザークを暗殺されたため魔術世界に恨みを抱く。(テロリストであったため始末されたことは知らない)。殺人を忌避しており得意分野は呪詛返しである。
- 真バーサーカー
- 獅子の頭を持つ怪物ロボ。ニコラ・テスラがライバルで、召喚に際し「マズダ」が影響したとされていたが・・・。実際はアーチャーとランサーの知り合い『杉の森の魔獣 フワワ』であった。
聖杯戦争に関わる者
- ランガル
- CV:咲野俊介
- 時計塔の老魔術師。人形遣い。聖杯戦争が始まろうとしているスノーフィールドへの諜報を担当していたが、弟子のファルデウスの裏切りにあい、人形の一つを失う。
- フィリア
- アインツベルン製のホムンクルスの少女。アヤカに令呪を押し付けた。なにかに精神をのっとられた後は明るい性格になり、ハルリを聖杯戦争に参加させたり、他所の世界線から奪ってきた神獣グガランナをスノーフィールドへ呼びつける。
- ハンザ・セルバンテス
- CV:小西克幸
- 聖堂協会から派遣された聖杯戦争の監督役。代行者であり高い戦闘力を持つが、不真面目な性格。4人組の修道女「カルテット」を連れて行動する。
関連動画
関連生放送
関連項目
関連リンク