あきづき

あきづきとは、海上自衛隊が現在、進水を終え建造中の最新護衛艦である。

概要

「むらさめ」型、「たかなみ」型に続く汎用護衛艦であり、命名されるまでは「5000トン型護衛艦」。もしくは予算成立年度をとって「19DD」と呼ばれていた。名称のとおり基準排水量は5000トン。満載排水量は7000トンに迫り、最早DDGに近いサイズである。

なお、「あきづき(秋月)」の名前を冠する水上戦闘艦は、これが三代目である。初代は帝国海軍駆逐艦「秋月」。二代目は海上自衛隊の、初代護衛艦「あきづき」である。何れも対空戦闘能力に優れた艦であるのは、縁を感じさせる

建造経緯の変更

「あきづき」型には当初、二つの建造案が存在していた。一つは現在の、「たかなみ」型護衛艦の拡大改良案。もう一つは、英国風変態ステルスマストや、大口径機関砲をCIWSに採用。船体のステルス化を徹底した、先進案である、

しかしながら、おりからの防衛予算圧縮の状況を受け、一説によれば防衛省内局と財務省と折衝の末、現在の、良く言えば手堅い設計案が採用された。とはいえ、英海軍のデアリング級駆逐艦のように、コスト高騰で建造数が削られるよりは、余程マシかもしれない。調達価額は750億円前後であり、装備や船体規模を考えれば抑制されている。

性能と目的

船体構造こそ保守的であるが、搭載されている電子装備と誘導武器は、最新鋭のものである。

特に、「ひゅうが」にも搭載され、このクラスにも搭載された多機能レーダー。「FCS-3」は、出力と処理能力を大きく強化した、改善型「FCS-3A」が搭載されている。戦闘指揮システムも、「OYQ-11」という全自動の最新型が搭載された。

また、搭載している誘導武器(ミサイル)も、発達型シースパロー(ESSM)と07式新アスロックと最新鋭のそれを、前部甲板VLS32セルに満載している。ESSMは射程が50kmにまで伸びており、限定的な広域防空も可能である。水上目標への対処には、90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)が使用される。

海上自衛隊としては、この「あきづき」型を用い、BMD任務に専念しているイージス護衛艦の警護。防衛を行うことを想定している。無論、ソーナーシステムや統合水中攻撃システムも最新のもので、哨戒ヘリを搭載しているため、対潜攻撃能力も高い。主砲には「あたご」型と同じ、米国製62口径5インチ砲が採用された。

「手堅い」「保守案」と言われているが、その内実はコストと性能をよく見極めた、非常に高性能な護衛艦として、完成する可能性が高い。また、既に後継艦として「5400トン型護衛艦」というプランが存在し、こちらは小型、省電力化されたFCS-3のアンテナを、イージス護衛艦と同じ八角形の艦橋に、4枚搭載している。

現在、一番艦「あきづき」は進水の上で三菱重工業長崎造船所で艤装中。二番艦(平成20年度護衛艦、名称未定)も同じ三菱長崎の船渠で、建造が進んでいる。

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関連項目

• 海上自衛隊
• 護衛艦