ゆうちょ銀行とは、日本に存在する民間銀行である。
日本郵政公社(の銀行部門)を前身とする。
略称はゆうちょ、もしくはJPバンク
正式名称は株式会社ゆうちょ銀行。
銀行法により規定される民営の普通銀行である。
ただし、2013年現在では株主の日本郵政が100%の株式を保持し、かつその日本郵政の株式を政府が100%を保持している為、実質上国有銀行でもある。
全国銀行協会に「特例会員」として参加しており日銀ネット経由で全国の銀行とオンラインで決済が可能となっている。
特徴として直営店が少なく、日本郵便株式会社に窓口業務委託する形で業務運営している。
平成24年9月末の預金の総額は175兆7967億円、そのうち139兆7302億円が国債で運用されている。
傾向として国債運用額は年々縮小している。
また預金のことを歴史的経緯から貯金と表現する。
郵便制度の父、前島密がイギリスの郵便貯金を参考に1875年(明治8年)5月に日本に導入したことが郵便貯金の始まりである。 当初は預金まったくといっていいほど集まらず(江戸はツケ払いによるローン文化(=宵越しの金は持たない)が深く浸透していたため貯金に対して当初ほとんど理解されず嫌悪すらされた。)、集めたはいいが今度は運用先が見つからず仕方なく大蔵省に使い道を融通してもらう(後の財政投融資の原型がこの時点ですでに発生している)など運用には苦心惨憺していた。
その後、運用が軌道に乗った後は戦前、戦中、戦後を通して民間資金を広く浅く集め、それを政府主導で融通するシステムの一部(入金側)として長く利用されることとなった。
郵政民営化により民間銀行として再スタートすることとなった。
ただし、以下の複数の事情から制限と事実上の保護が設けられ現時点でも国有状態が続いている。
2013年時点では預け入れ限度額や可能業務などに制限を受けている。
定期に近い表現のされる金融商品。
預け入れ後、半年間は引きおろしができず、その後は満期前であっても自由に崩せるというかなり特殊な商品である。
実際の運用としては窓口に委託すれば客はほぼノーリスクでいつでも現金にできる。
金利に視点をあわせたゆうちょ銀行にとっての主要金融商品の特徴は以下である。
| 金利上昇 | 金利低下 | |
|---|---|---|
| 普通預金 | 損 | 得 |
| 定期預金 | なし | なし |
| 定額預金 | 損 | なし |
意外かもしれないが定額貯金という金融商品は、ゆうちょ銀行における最大の地雷である。
定期預金の場合には預け入れと同時に国債を買うことで金利リスクを打ち消すことができる。
だが中途解約が自由自在にできる定額預金においては顧客が解約、そして再度定額預金を行った場合、金利上昇分のリスクがそのまま内部に残留してしまうのである。
同種の商品としてはアメリカンプットオプションというデリバティブ商品があるが本来、この種の商品は顧客が自由に崩せる分、0.1~1.0%程度定期預金よりも金利を下げなければいけない。しかし一時期はむしろ定額貯金の金利アップキャンペーンなどをしていたあたり、ゆうちょ銀行自身がリスクについて理解しきれていない可能性がある。
以前は財政投融資の金利が高かったために出と入りで結果として帳尻が合っていたが、現在ではリスクに対して見合わなくなってしまっている商品なのである。
その為、ゆうちょ銀行への対抗意識が強く横並びが大好物の都銀の中でも定額貯金を採用した銀行は一行もないのである。
| 資産計(借入含む) | 預金総額 |
|---|---|
| 196兆0074億円 | 175兆7967億円 |
| 国債 | 地方債 | 社債 | 短期社債 | その他 |
|---|---|---|---|---|
| 139兆7302億円 | 5兆8908億円 | 11兆9890億 | 2889億 | 12兆8397億円 |
※データは平成24年9月末のもの。
傾向として国債から他資産への変更が毎年行われている。
また「その他」の多くの割合でサムライ債によるドル・ユーロ債での運用がなされている。
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最終更新:2025/12/07(日) 05:00
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