SOMEONE IS TAKING AIM ON YOU!
アウトフォクシーズとは、1995年にナムコより発売されたアーケードゲームである。ジャンルとしては対戦型のアクションゲームに属する。
裏社会では名の通った7人の殺し屋によって、世界を代表する7人の美術鑑定家が殺害された。
依頼を行ったのは、アクメ氏を名乗る謎の人物。
彼はさらに、7人の殺し屋それぞれに、他の6人を暗殺するよう指示を下す。
巨額の報酬と殺し屋としての威信をめぐり、
最も危険なプロフェッショナルたちの、熾烈な生存競争が世界を揺るがす。
(アウトフォクシーズ・オープニングデモより、一部改)
対戦格闘ゲームとはまた趣を異にした対戦アクションゲームである。
殺し屋同士の決闘というダークな題材でありながら、アクションにはコミカルさも見られ、その個性的すぎるキャラクターとステージギミック、世界観によく合ったBGM、そして、シンプルな操作ながらプレイすればするほど高まる戦略性などに「20世紀のナムコ」らしさが見て取れる名作のひとつ。
残念ながらそのゲーム内容・設定からか、家庭用ゲーム機には全く移植されていない。
しかし一部のゲームセンターには今でも本ゲームが導入されており、対戦会が開かれているところもあるという、根強いファンを持つゲームである。
後述する7組のキャラクターの中から1人(組・匹)を選び、他のキャラクターと果し合いを行う。
いわゆる同キャラ戦は存在しない。制限時間は、デフォルトでは1ステージにつき200秒。その間に敵を攻撃することにより敵体力をすべて奪えば(殺害すれば)勝利、自分の体力が無くなれば死亡=ゲームオーバーである。
時間切れの場合は、その時点で体力が多いほうが勝利。両者の体力は画面上部にカラーバーとして表示され、残り体力により緑→黄→赤→黒と変化していく。
素手でも攻撃は可能であるが、いかんせん攻撃力と射程距離に欠けるため、必然的にステージに配置されている武器を拾って敵を攻撃することになる。また、ステージによっては武器以外のものでも拾って攻撃ができ、さらにはステージに組み込まれているギミックによって体力を奪われることもある。
まさに"KILL YOUR ENEMY BY ANY MEANS."(対戦開始時に表示されるメッセージ。意訳すれば「手段は問わない、とにかく敵を殺れ!」)である。
攻撃を食らうと、そのキャラクターは所持している武器を落としてしまうが、その直後の少しの間キャラクターが点滅し、無敵時間が発生する。
ただし、武器によってはノックバック中に連続ヒットを食らうこともある。
ステージは構造やキャラクターのスタート位置が非対称となっており、基本的に1P側が有利となっている。
しかし最近の研究では、ステージによっては2Pが有利とされる場合もあるという。また、時間経過や攻撃の状況によって、地形が変化するステージもある。
対CPU戦の場合、対戦相手の順番は不定だが、登場するステージはその時の対戦相手によって固定である。
なお、2P側でCPU戦を行うことも可能。自分以外のキャラクターをすべて倒すとボス戦となり、これに勝利すればエンディングとなる。スコアは、ステージをクリアした時点で、(各ステージの報酬額)―(ダメージを負った分の治療費)が加算される方式。クリアした時間は影響しない。
プレイヤー同士の対戦の場合は、ステージはボスステージ以外からランダムに選ばれる。また、同キャラ戦無しという仕様により、乱入する側は、被乱入側がすでに選んでいるキャラクターは選べないので注意されたい。決着がつくと、勝者はCPU戦に戻る。
8方向レバーと2つのボタンによって、キャラクターを操作する。
左右入力でそれぞれの方向に移動、同方向に2回入力するとダッシュする。
下入力でしゃがみ、そこに武器があった場合はその武器を拾う。すでに武器を所持している場合は、武器を交換する。下入力から左右斜め下に入力することで、前転・後転も可能。
上入力で上を見上げる。ジャンプはボタン入力なので注意。ジャンプで何かに掴まった時は、上入力でよじ登ることができる。
水中ではレバー操作で泳ぐことも可能。と言っても水中でいいことはほとんど無いので、早急にステージに復帰しよう。
普通に押すと、その場でジャンプする。レバーとの組み合わせで前方ジャンプ、ダッシュジャンプも可能。
上下にある壁が薄い場合は、その方向にレバー入力しながらJボタンで、階の移動ができる。
壁やロープに向かってジャンプし、Jボタンを押しっぱなしにすることで、それらに掴まることができる。
普通に押すと、攻撃を行う。武器を持っている場合はその武器を使用し、素手の場合はパンチorキック。しゃがみ攻撃、ダッシュ攻撃(素手攻撃より威力が高い)、ジャンプ攻撃も可能。マシンガン、火炎放射器は、ボタン押しっぱなしで連射ができる。
レバーを上に入れながらの攻撃で頭上攻撃、ジャンプ中にレバー下+Aボタンで足元攻撃ができる。
ドラム缶や木箱などのアイテムに向かってレバーを入れながら、Aボタン押しっぱなしで、そのアイテムを持ち上げることができる。持ち上げながら移動も可能。Aボタンを離すと、そのアイテムを投げつける。
前述のように、CPU戦ではキャラクターごとに専用のステージがあるため、キャラとステージを一緒に紹介する。冒頭の「」内は、オープニングデモでのキャラ紹介メッセージ。
「ベビーシッターから革命の指導者まで、報酬のためなら仕事を選ばない男」
38歳。本作の主人公的存在。在日占領軍士官の息子でヒロシマ生まれ。隻眼であり、革ジャンの下に着込んだダルマのTシャツは、彼が修得した「禅の精神」の表れとのこと。ちなみにジョン・スミスと言う名前は山田太郎並みのポピュラーな名前で偽名に使われることも多いが、このジョン・スミスが偽名かどうかは不明。
すべての能力が平均点以上で、そつがなく非常に扱いやすい初心者向けのキャラクターである。裏を返せば、とがった長所がないという器用貧乏なところが短所。とは言え、しゃがみ姿勢が非常に低く(木箱の後ろにスッポリ隠れる事が出来る)、体力がバーナードに次ぐ2番手であるなど、中級者以上でも十分に使えるキャラクターである。
「7つの学位を持ち、14カ国語を自在に操るインテリ美女にして狙撃の名手」
33歳。極貧から「20世紀最も成功した女性実業家」にまで成り上がったが、その地位や財産は文字通り「自分の手を汚して」掴み取ったものである。
狙撃の名手の触れ込みに偽りはなく、全キャラ中で狙撃精度はNo.1。しかも操作レスポンスが非常に良く、あらゆる行動に無駄がない。何気に日本刀を持たせてもリーチが長めで扱いやすい。主な攻撃方法が武器によるもので、なおかつ攻撃チャンスを作り出すことが難しい本作では、狙ったところに確実に武器攻撃を与えられる彼女は最強キャラの呼び声も高い。短所は移動の遅さとジャンプ力の無さ。隙の無い挙動を活かして先手必勝で死闘に臨みたい。
「消火栓を引き抜く怪力と、鋼鉄の義手を使い、大量殺人の世界記録を更新中の巨人」
36歳。元CIA。褐色かつスキンヘッドの大男という威圧的な外見だが、家庭ではよき夫・パパであり、人間以外の動物はゴキブリさえも殺すのをためらうというナチュラリスト。
その巨体は、敵の格好の標的になりやすいことは言うまでもない。射撃精度もベッティに次いで正確なのだが、他キャラとの体格差のせいで却って当てにくいというジレンマがある。
しかしその短所と引き換えに、素手攻撃力は他キャラの3倍以上あり、ダメージ耐久力も飛び抜けて高い。他キャラより体力が多い、と読み替えてもいいだろう。ロケットランチャー持参で突撃し、相打ち覚悟でぶっ放す、という戦法は彼の専売特許である。無論相手だけがこれに被弾すれば、確実にロケットランチャー一発分以上のダメージを与えられる。見た目によらず移動は早くダッシュの最高速度はイヴにも勝るが、やはりその体格のせいで思わぬ場所でしゃがみ移動を強制されてしまう。
「仕込んだトカゲを使う窃盗の名人で、元ポルノ女優」
29歳。金のためにポルノ女優から盗賊へ転身、さらに殺し屋へと、どんどん闇に染まっていく魔性の女。パンキッシュな外見が特徴。ペットのトカゲとともに行動している。
イヴの長所は機動力の高さ。移動は早く、ジャンプ力は全キャラ一。垂直ジャンプから足元へロケット弾を撃つ、というテクニックも彼女ならより安全に行える。ただし操作のレスポンスが悪く、急停止や方向転換はかなり苦手で、いざというときに後手に回る場合も多い。
背中にいる相棒のトカゲは一発だけ銃弾を防いでくれる。攻撃を受けるとトカゲは落ちて、またイヴの元に戻ろうとするのだが、途中で手榴弾を見つけた場合はその手榴弾を(ピンを抜いて)拾ってくる場合がある。うまく利用すれば動く時限爆弾と化すが、くれぐれも身内に殺されないように。
「自らの設計した殺人車椅子に乗る、謎の東洋人科学者にして中国拳法の達人」
82歳。第2次大戦中は「東洋のアインシュタイン」と呼ばれた天才博士。護身の為に身につけた中国拳法が長寿と健康に結びつき、特殊合金製の車椅子を愛用しているものの、本人は全くもって五体満足である。体力がゼロになると車椅子が爆発し、運命を共にする。
ご自慢の殺人車椅子はダッシュ時の速さが全キャラ中No.1(ただし急停止は難しい)。ロケットランチャーを車椅子のアームに固定しているので全キャラで唯一ロケット弾が正確無比にまっすぐ飛んでいく。そして特殊合金により、背後からの銃弾を受け付けない。銃弾以外の攻撃(刀、ロケット弾など)は背後でもしっかり受けてしまう。しゃがみ移動の際には他キャラのように転がらずに車椅子をリクライニング状態にしたまま滑るように移動、段差を昇る際には直接よじ登らずブースターを吹かせて浮上するなど基本的な挙動が他キャラとまったく違う。
ダッシュ以外の移動は遅く、銃の扱いは不得手で、ロケット弾が正確無比に飛んでいくことは必ずしも利点になるとは限らない。(斜めに飛んでいかないので軌道を読まれやすく爆風を発生させにくい)長所と短所が極端すぎる、本作屈指のピーキーキャラである。ちなみに中国拳法の達人という触れ込みだが、素手の攻撃力が特別高いというわけでもなく、立ち素手攻撃のハイキック等にかろうじて影響が見て取れる程度。むしろ82歳という高齢にもかかわらずダメージ耐性を並程度に押さえられている所に本人の健在ぶりを感じられるだろう。
「バナナのために人を殺す世界唯一の殺し屋」
10歳。タキシードとシルクハットでお目かししているが、紛れもなくお猿さんである。お金の勘定ができたり、子供向けテレビ番組が好きだったり、人間の女性に興味を示したり、あげくの果てに軍事用の大型航空機による国外脱出を謀るなど、猿とは思えないの知性の持ち主。
体力は低い(ダニデミよりはマシ)ものの、何といっても猿だけにダッシュは早い、ジャンプ力は高い、おまけに背丈は小さい、と敵の攻撃を避けることに関してはお手の物。しかし猿ゆえの哀しさ、武器の扱いが圧倒的に下手なのである。特に狙撃系武器は、笑ってしまうほど狙ったところに弾が飛んでくれない。だが、下手だからこそ意外なところにロケット弾を飛ばせられたり、と運も加味するがトリッキーな攻撃が可能である。イヴ同様に操作レスポンスは悪いので注意。
「大人を優にしのぐ知能と冷徹な行動力で犯罪を繰り返す邪悪な双子」
11歳。ダニーが弟で、デミが姉であるが、「発狂した生理学者の研究所で生まれ、実験用のハムスター達と一緒に檻の中で育てられた」という設定が完全にアウト。彼らにとっての殺し稼業とは、武器という「おもちゃ」を使って、知らないおじさん・おばさんと「戦争ごっこ」をしているにすぎないのである。漫画「BLACK LAGOON」に登場するヘンゼルとグレーテルは、このダニー&デミがモデルとも言われている。
ダッシュ攻撃(弟が姉をジャイアントスイング気味に振り回して、そのまま姉が飛び蹴りを食らわす豪快な攻撃)以外の能力は平均点未満。特にダメージ耐性の無さは心もとない。子供であるが2人いるので、的が小さいというわけでもない。
しかし本作で彼らだけに与えられた「武器を2つ所持できる」というアドバンテージが、戦局を大いに変えることができる。詳しく言えば最初に拾った武器をキープしたまま後に拾った武器をメインで使用し、弾切れになったりダメージを食らったりするともう一つの武器に切り替えられるというもの。
バーナードステージの貨物車から好きな武器を2ついっぺんに持ち去ったり、チンステージなら開幕にロケットランチャー2つ(弾6発)を持ち歩けたりする。ダウンした後に武器をすぐに取り出せるのもこの双子のみ。また、ロケットランチャーのしゃがみ撃ちが少々変わっており、ロケットランチャーを地面に置いて、その上に跨って撃つ。このせいか下方向へのブレはベティ並に抑えられ、上方向へのブレはドゥイーブ以上という変わった飛び方をする。
その人気とは裏腹に扱いが難しい上級者向けキャラだが、この姉弟にしかできない特性を活かして「戦争ごっこ」を勝ち抜いていこう。
本ゲームのラスボスであり、すべての元凶。年齢不詳。表向きは世界的に有名な美術商。だが実際は贋作を売りさばいて不当な財を築いている。ストーリーに登場する美術鑑定家たちはアクメ氏とグルだったのだが、用済みになると殺し屋7組を雇って殺害、そして殺し屋たちさえも報酬を餌に潰し合わせ、最後に残った1人(組・匹)だけを「報酬を手渡しする」という名目で自邸へ呼び寄せ始末しよう、という魂胆であった。
アクメ氏には秘密があり、それはアクメ邸最上階で奴と対峙したときに明らかになる。また、アクメという名前が、いろいろと想像させるものがあるが、ここでは「頂上」を意味する別称、あるいは単純に「某氏」くらいの意味しかないらしいので、あまり気にしないほうが吉である。体力ゲージが表示されているが、フィニッシュ時まで消滅することはなく、タイムアップ時にはプレイヤーの敗北が確定する。
各ステージにはあらかじめ各種武器が配置されている。時間経過や木箱の破壊などで、新たな武器が出現することもある。
基本的な武器と言えるハンドガン。全弾命中すれば、標準的なキャラなら体力を約半分奪うことができる。弾切れ後は、Aボタンで投擲武器としても使える。これはマシンガン、ロケットランチャー、火炎放射器でも可能。
1発の威力は大したことがないが、連射でダメージを与え続けることができれば相応のダメージになる。連射中にレバーを上下入力することで弾幕も張れる。
戦局を大きく左右する主力武器。発射された弾は、敵か障害物に当たると爆発し、直撃でなくとも爆風に敵を巻き込めば大ダメージを与えられる。直撃でも爆風のみでもダメージは一緒。ただし爆風は自分にもダメージがあることと、発射直後は反動で体勢が崩れることに注意。なお弾丸で撃墜されるので、マシンガンを持った相手にうかつに発射しないように。
投擲武器。拾ってからAボタンを押すと、ピンを抜いて7からのカウントダウンが始まり、0になると爆発する。この爆風も敵・自分の両方にロケットランチャーと同量のダメージを与える。
近距離戦闘向けの武器。リーチは短いが結構なダメージを与えられる。普通にぶん回すだけでなく、障害物や上の階の床を貫いて攻撃することもできる。またAボタンを押しっぱなしにすると「構え」のポーズをとり(構えたまま移動も可能)、この間は正面からの銃弾を防いでくれる。ただし銃弾が刀を砕くこともあるので、過信は禁物。
日本刀と比べると、リーチは長くなった代わりに攻撃力が減った、という感じの武器。こちらもタイミングよくムチを振ることで銃弾を叩き落とすことができる。破壊されることはないが、ムチで叩かれた相手の無敵時間は、他の武器より長めに設定されている。
火炎を噴射し、敵を火だるまにできる。燃えている敵や床・天井に触れると自分も炎上してしまうので注意。燃料制の武器で、燃料が残っている限りは噴射し続けることができる。
持ち上げてから敵に投げつけて攻撃ができる。しゃがみ状態で投げると、床を滑らすように投げ、距離が伸びる。木箱は壊すと中から武器が出てくる場合があるほか、敵に当てると頭から箱をかぶったよろけ状態にできる。ドラム缶は敵を押しつぶし、身動きをとれなくできる。
ビル、列車、武器工場の各ステージには、投擲武器として使用できるアイテムが配置されている。大ダメージを与えられるミサイルやドラム缶と同じ感覚で使える家具、金庫などがあるかと思えば、ほんの1ドットしかダメージがないフルーツ(パイナップルだけ2ドット)といったネタ武器まで用意されている。
サーカスの人間大砲と飛行機の銃座は、操縦席に立つ(座る)ことで、それぞれの武器を使用できる。レバーで角度を調整し、Aボタンで攻撃。操縦席から降りるときは、レバー上or下+Jボタンで移動できる。
バーナード・ホワイトを使用したCPU戦。
CPU戦いろいろ。縛りプレイも。
対戦動画。アウトフォクシーズ大会が毎回行われている「裏塔劇」より、第9回を紹介。
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最終更新:2025/12/07(日) 05:00
最終更新:2025/12/07(日) 05:00
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