アダム(メトロイド) 単語

アダム

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アダムとは、ゲーム『メトロイド』シリーズに登場するコンピューターである。

概要

『メトロイドフュージョン』にて初登場。

惑星SR388の探索中、Xが体内に侵入したサムスは、帰路の途中に意識を失い、アステロイドベルトに突入して自身のスターシップを大破させてしまう。メトロイドワクチンによって回復したサムスは、Xに対抗できる唯一の存在として、B.S.L.で発生した爆発事故の調査に向かうこととなる。その際、スターシップのコンピューターの命令に従うことを条件に、サムスは銀河連邦から新しいスターシップを提供してもらう。そのスターシップのコンピューターこそがアダムである。

アダムという名前は正式な名前ではなく、サムスが独自に名付けたもの。「無愛想な司令官」と形容されるコンピューターの冷静かつ淡々とした口調は、かつての連邦軍の優秀な司令官「アダム・マルコビッチ」をサムスに思い出させたのである。

アダム・マルコビッチは冷徹なまでに任務に忠実な人物で、発する命令は常に素早く正しかったという。その一方で、デリカシーに欠ける面もあり、サムスを「レディー」と呼んで神経を逆撫ですることもあったようだ。とはいえ、二人の間には確かな信頼関係があり、アダムが指令の最後に付け加える「異論はないな?レディー」という言葉にその象徴が表れていた。

彼に次いで二度目となる司令官のもとでの行動を前に、アダムに対する大いなる敬意とささやかな皮肉を込め、サムスは密かにコンピューターのことを「アダム」と呼ぶようになる。B.S.L.の調査が本格化する中で、サムスはこのアダムのようなコンピューターとどのような関係を築いていくのか、思い巡らせる。

アダムと名付けられたコンピューターは、最初は普通にサムスに指示を下していくが、サムスが本部の意図しない行動を取るようになると、途端に慎重になっていき……

ネタバレ

B.S.L.の調査中、サムスは極秘エリアのシークレットラボに侵入し、銀河連邦が秘密裏にメトロイドを研究・飼育していたことを突き止めてしまう。その後、探索を行っていた最中にSA-Xが襲来。メトロイドのカプセルに攻撃を加えた結果、逃げ出したメトロイドが一斉にSA-Xに襲いかかった。セクターは切り離され、取り残されたSA-Xとメトロイドは爆発に巻き込まれて死亡。命からがら退避したサムスは、ナビゲーションルームでアダムと名付けたコンピューターと向き合う。コンピューターは「君の勝手な行動が招いた結果だ」と非難するとともに、銀河連邦がメトロイドの平和的な利用を模索していたこと、惑星SR388を再現したエリアは、メトロイドの飼育を目的に作られたものであることを明かした。最後に、連邦の対応を報せるため、移動の途中にあるナビゲーションルームには必ずアクセスするようサムスに求める。

アダム、もといスターシップのコンピューターの物言いを聞いたサムスは、本来のアダム・マルコビッチであれば、自身の身を案ずる言葉を先にかけてきただろうと思い、仮にコンピューターがアダムと同じような言葉を発しても、決して首を縦に振りはしないと決意を新たにする。

その後、再びナビゲーションルームにアクセスすると、コンピューターは突如、サムスの任務は終わったと通告する。Xの可能性に興味を抱いた連邦は、SA-Xを捕獲するべく軍隊を出動させたとコンピューターは告げた。実は、連邦は当初からSA-Xの破壊を拒んでおり、サムスが破壊しないよう、彼女への支援を途中から絶っていた。連邦軍の派遣は、サムスの協力を得られないと判断した連邦の苦肉の策だという。

連邦軍がXに敵うはずがないのは、サムスが最も理解していた。たちまち連邦軍は全滅し、Xによる連邦軍のコピーが完成すれば、その被害は銀河連邦のみならず、全宇宙にまで及ぶことになるだろう。サムスは自身を犠牲に研究所の爆発を試みるが、連邦軍の命令によってコンピューターがハッチを閉じる。感情的になったサムスは、密かに呼称していた「アダム」という名前を不意にコンピューターに呼びかけた。アダムがかつてのサムスの仲間だと知ると、コンピューターは「アダムはこんな場合、君にどうしろと言うのだ?」とサムスに問いかける。

サムス「一切迷わず、ステーションの自爆装置を起動しろと、私に命ずるはずだ。」

コンピューター「アダムは、高みの見物か? 安全な場所から、君を見殺しにする命令を下すのか。」

サムス「行くべき者が行き、残るべき者が残る、という判断だ。あの時、彼自身がそうしたように・・・」

コンピューター「その時は、君が残るべきだったという意味か? 未来をサムス・アランに託し・・・」

コンピューター「アダムは、自らを犠牲にしたという訳だな。銀河の平和と、君の命を守るために・・・」

サムス「・・・・・」

コンピューター「おろかな考えだ。」

サムス「おまえに、そんなことを言われたくない!」

コンピューター「ここを爆破しようとも、SR388にいる無数のXはそのまま残る。つまり、なんの解決にもならず・・・」

コンピューター「今回の連邦の計画にとって邪魔な、サムス・アランという勇敢な戦士が、この宇宙から消え去るだけだ。」

コンピューター「そんな簡単なことに、気づくこともなく、君は、自らの命を絶とうとしている訳だ。」

コンピューター「残るべき者の選択を、アダムは誤ったようだな。」

サムス「!・・・・・」

コンピューター「・・・このステーションを、SR388に衝突させれば、Xの根絶は可能だろう。

サムス「?・・・・・」

コンピューター「今すぐ推進エンジンを、起動し、SR388へ向かえば、連邦軍は追いつけまい。」

アダム「サムス、最終ミッションだ。君はコントロールブリッジへ向かい、目的地を惑星SR388にセットせよ。」

アダム「そして激突までの間に、シップに戻り、脱出するのだ。すみやかに行動し、必ず生還せよ。これは命令だ!」

アダム「異論はないな? レディー」

アダム・マルコビッチは、その豊富な経験と的確な判断力を買われ、死後もコンピューターの頭脳として連邦軍のために任務を続行していたのである。最終ミッションを終えたサムスは、アダムとの奇妙な再会によって、全銀河に及ぶ宇宙の危機を回避できたことを痛感するのであった。

その後、『メトロイド ドレッド』においても、サムスは『フュージョン』と同じスターシップに搭乗しており、アダムも登場することが明かされている。

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関連項目

  • メトロイド
  • メトロイドフュージョン
  • メトロイド ドレッド
  • サムス・アラン
  • アダム・マルコビッチ
    • METROID Other M

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