アーチャー自走榴弾砲

アーチャー自走榴弾砲とは、スウェーデンとノルウェーが共同で開発した自走砲である……スウェーデンの一国開発のような気がするが。

概要

ボルボ製鉱山用ダンプのシャシーにボフォース製榴弾砲『FH77』を搭載した装輪式自走砲。砲塔は完全無人化・自動化され、乗員4名は操縦席のキャビンから一切出ることなく射撃が可能。2S4チュリパン涙目。移動から停止→射撃体勢への移行までわずか30秒。射撃後バックれるまでも30秒しかかからないなど驚異的な身軽さを誇る。Sタンクの砲兵版じゃねぇか。

日本にくれ（？）

その身軽さと全自動無人砲塔というハイテクぶりは日本の軍ヲタさんのハートをがっちり受け止めた。『こういう兵器こそ日本に必要なんだ！』と叫ぶヲタさんは数多い。

　しかし。諸元を読むとコレ本当に日本にふさわしいのか？　と疑問に思う点が数多い。

• 幅3m。道路法の車両制限令^[1]に引っかかります。
• 重量30トン。道路法の車両制限令に（ｒｙ
• 6輪しかないタイヤ。重量30トン以上ですから軸重でもたぶん道路法の（ｒｙ
• 重くて運べる飛行機がないです（C-2でぎりぎり）。

シャーシの件は重装輪回収車のやつ使えばいいじゃないかと言う意見はあるが、あれ元の重装輪回収車が重量ぎりぎりでアーチャー並みの自動装てん装置の積載とか無理なんじゃないかなぁ^[2]。アーチャーどころか(ﾉ∀`)ｱﾁｬｰだよ。

よく似た装輪式自走砲としてはフランスのカエサルがあるけど、アレは空輸を念頭に入れて砲塔をオミットしています。その考え方は中国もアイデアを丸パクリして09式122mm車載榴弾砲なるものを配備、パキスタンは中国が没にしたSH-2自走榴弾砲を購入しています。今後装輪式自走砲はこちらが主力になるんではないかと思われます。

なお日本では将来装輪戦闘車両をベースに軽量砲を搭載した自走砲を開発する計画があるとか。日本オリジナルのすんごい自走砲が出るのを期待しましょう。→平成25年度予算で重装輪回収車のシャーシに99式自走榴弾砲の大砲ベースの砲を積む装輪自走砲を開発するそうです（FH70の後継だとか）。平時は夜しか移動できないけどいいのかなぁ……。

関連動画

総代理店BAEシステムズ制作のプロモーションビデオ。

関連コミュニティ

関連項目

• 軍事 / 軍用車両の一覧
• カエサル 155mm自走榴弾砲：これとよく比較されるフランスの装輪式自走砲。
• AFV / 自走砲
• スウェーデン / ノルウェー

脚注

1. *日本の法律では基本的に幅2.5ｍ、高さ4.2m、長さ12ｍ、重さ20t（認められた道路では２５tまでOK）、軸重10t以上の車は走ってはいけません。それ以上のものを走らせたいなら役所に届出を出し、走るルートと走る時間帯（基本的に夜間早朝以外はだめ）を提出したら許可が下りることもあります。ただし貨物自動車だと制限はもう少し緩いそうな。余談ですが全長15mの巨大2階建てバス『メガライナー』を定期バスとして走らせる際は許可が下りるまで2年かかったそうです。
2. *実際『火力戦闘車（現在は装輪155㎜りゅう弾砲車と呼ばれているらしい）』なるものが開発中だが公開されているちっさなイラスト見る限りどっちかというとカエサルに近い模様。