アーマードコア・ネクストとは (アーマードコアネクストとは) [単語記事]

アーマードコア・ネクストとは、アーマードコア4～fAに登場する人型機動兵器である。

劇中ではネクストと略される。

概要

アーマード・コア4に登場する架空の物質『コジマ粒子』による恩恵を軍事転用したものの最高峰とされる。
基本的には全体構成するメカをパーツ単位で組み替えられ、それによる汎用性を持つのは旧作のアーマード・コアと同一の特徴である。

しかし、『コジマ粒子』の存在によって拡張された機能は既存の兵器を一絡げに「通常戦力」として陳腐化させるのに至るものだった。

企業の持つ強大な力の象徴でもあり、解体戦争以降もリンクスやネクストはいくらか増えている。しかし、どの企業もネクストの技術を秘匿していることや、そのメンテナンス・維持のための費用がかかるという事もあって、基本的にコロニーや武装勢力など企業クラスの規模を持たない者たちがネクストを保有することはできない。_[※１]

_{[※１]　コロニーに研究開発のため提供されていた機体を利用している者や、コロニーを傘下に収めている企業の援助によって維持している者など、一部だが例外はいる。（"アナトリアの傭兵"、ホワイトグリントなど）}

戦力価値

上記の動画を見てもらえれば、既存のACとの違いが分かるであろう。具体的には下記・および動画の通り。

(1) 新型ジェネレーターの搭載: 新種の物質「コジマ粒子」を動力に使用したことで、従来型のジェネレーターを大幅に引き離したエネルギー供給が可能になった。そのため、ACにあった様なエネルギー切れによるチャージングは発生しなくなり、大量のエネルギーを半永久的にいつでも使用できるようになった。
(2) プライマルアーマー: コジマ粒子でネクストを包み込むことでバリア状の装甲にする技術。圧縮したり濃度を変更したりすることで物理的に接触できる壁を作れるようになり、重量据え置きでも砲弾やミサイルの直撃に耐えうる強度を誇る。
(3) クイックブースト: コジマ粒子によるエネルギーを利用した小型ブースター。これまでのようにメインブースターをふかしてゆっくり避けることがなくなり、戦闘機すら比にならない全方向への急速な小回りと瞬発力を得ている。より単純にいえば「近距離で発射された弾すら避けるような瞬発的なスピードをあらゆる方向へ出せるようになった」ということである。
(4) オーバードブースト: コジマ粒子を利用することにより実現した1000km/h以上の長距離高速巡航。これによって今まで使用されてきた輸送手段が不要になり、単独でも長距離を移動できるようになった（ただし、乗り続けることによる負荷があることや、コジマ粒子の非利用者数の方が多いこともあって、輸送手段そのものは今も存在している）。
(5) 高火力な火器の搭載: コジマ粒子は圧縮することにより強力なビームとして発射できることが分かり、その特性は火器へも転用された。コジマ技術を応用した新しい高火力な火器は、単騎での破壊力の大幅なパワーアップを可能にし、従来の武装を陳腐化させた。
(6) AMS（神経接続）: パイロットとなる人間（リンクス）がネクストに神経をつなげることで、脳と機械が直接データをやりとりできるようにした制御システム。既存の兵器やノーマルよりもはるかに高性能なネクストでは操縦性が複雑になってしまい、従来のシステムでは制御が追いつかなかった。そのため、人の脳に電気信号を送り込んで制御することによりネクストを高い精度で動かすことを可能にした。

これらのどの要素が欠けても「アーマードコア・ネクスト」足りえない。

これがどういった結果を及ぼすかというと、通常戦力がネクストを相手する場合は──

ネクスト側の火力はどれも致命傷
通常戦力側の火力は「プライマルアーマー」で無力化される
そもそも「クイックブースト」で回避されるので、攻撃を当てる事そのものが困難
「オーバードブースト」の存在で、通常戦力は逃げることも追うことも限りなく不可能に近い

このように不利な条件だらけである。つまり、「走・攻・守全てがあらゆる兵器のトップに君臨する兵器」というわけである。事実、『アーマード・コア4』の作中で告げられている「国家解体戦争」では、現代のような国家が有していた数・量共に圧倒的な（通常）戦力が、単なるテロとされたはずの企業側のたった26体のネクストによって敗れてしまっている。

デメリット

しかし、ネクストは必ずしも絶対的なものではなく、恩恵と同時に致命的な欠陥を持つ兵器でもある。

(1) コジマ粒子による環境汚染: コジマ粒子は使われた後も空間に残り、環境と人体に悪影響を及ぼす（劇中では放射能に似たイメージ）。
コジマ技術の塊であるネクストは「歩く汚染源」でもあり、ネクストが戦闘行為を行った地域は不毛の大地と化してしまう（汚染の程度による。このケースは最悪の場合）。
また、この性質によってネクストの搭乗者（リンクス）は総じて短命であるともいわれる。
(2) パイロット（リンクス）が限定されてしまう: AMSを扱うためには特殊な才能（AMS適性）が必要であり、このAMS適正を持つネクスト操縦者をリンクス（繋がる者）と呼ぶ。
適性のない者にはまずネクストを操縦すること自体が不可能であり、適性があっても低い者は操縦に高い精神負荷を伴う事となる。また、AMS適性の優秀さが「ネクスト操縦兵」としての優秀さをあらわすわけではなく、適性が高くとも戦闘技術が伴わなければ意味がない（逆に、AMS適性が低くとも優れた戦闘技能を持っていれば頭角を現す場合もある）。理想としては「適性・戦闘技能の両方に優れているリンクス」だが、これはAMS適性者の中でもさらに稀少な人材となる。; 特に後者の「AMSにまつわる人材問題」により、ネクストは非常に個人への依存性が高く、一騎当千であるが故に、一機の損失が膨大であることから、組織の主戦力としては信頼のおけない存在となってしまっている。
これは後に企業がアームズフォートを製造・主力する直接的な理由の一つともなっている。

過去作のACとの違い

パイロットをレイヴンと呼んでいた従来作は『特殊なジェネレーター』というだけでうやむやにされていた設定を再度練り直し、明確にネクストと他の兵器との戦力差が整理し直されている。

また、作中でも従来作に登場するアーマード・コアにあたる立場の兵器として「ノーマル」が登場するが、従来作とは世界観を共有していないうえに企業の独自規格パーツで作られているため、厳密な意味では“レイヴンが乗るアーマード・コア”とは異なる。小説には統一規格パーツを組み換える機能を持つ「ハイエンド・ノーマル」とされているものが登場するので、従来作のアーマード・コアはこの「ハイエンド・ノーマル」に近いと見ていいだろう。_※１

開発のフロムソフトウェアは従来シリーズからの脱却を目指しているため、ネクストについて「従来型＝ノーマルとは全く違う新型」と打ち出してはいるが、これらノーマルが従来のものと全く同じであるという意見から、従来シリーズとはかなり違うシステム･機体であると考えるスタッフまでおり、見解は統一されていない。

_{※１：　ちなみに、コジマ技術を一部流用したノーマルが登場するが、その性能は不安定である。}