ウェスターマーク効果(英:Westermarck effect、reverse sexual imprinting)とは、小さいころから一緒に暮らしてきた相手とは男女関係になりにくくなる現象である。恋愛関係になりにくいうえ、結婚生活も上手くいかない傾向がある。近親姦を抑制する主要な生物学的機構の一つ。
一種の刷り込み(imprinting)であり、霊長類をはじめ、うずら、はつかねずみなどでも同様の現象が確認された。近親姦を抑制するのは血縁や文化的禁忌だけではなく、幼少期の接触(養育環境)も大きな要素なのである。
血のつながりがなくても、育ての親とか義理の兄弟姉妹など、家族として共に暮らして育った相手とは、性的な関係になることに抵抗が生じる。母子姦の抵抗が極めて大きいのは、幼少期の接触が最も多いためかもしれない。
1891年にエドワード・ウェスターマークが「人類婚姻史」で提唱した仮説であるが、フロイトなどがこれを批判したため、長らく忘れられていた。しかし、1950年台にイスラエルのキブツという人工的な擬似家族の調査をきっかけとして、再評価された。その効果の度合いや文化の影響など様々な側面から、数量的な検証・調査が進められている。
むしろ現在では「男児は母親に性欲を持っているがそれを抑圧する」というフロイトのエディプス・コンプレックス理論が間違っていることの根拠としてしばしば引用される。エディプス・コンプレックス理論は性行為を指すものではなく幼児期の内面の願望であるといった精神分析学側からの反論もあるが、幼児期の内面の願望がそうしたものであると推測できる根拠はなく、反証可能性の無い理論であることを認めるようなものである。
そもそもフロイトの精神分析は、神経心理学や認知心理学など科学的に心理学を進めていく立場からはもはや相手にされておらず、ウェスターマーク効果を持ち出すまでもない。しかし、これは統計的手法が十分に浸透していなかったこと、脳科学が手付かずであったことなど、時代的限界もあるのでフロイトだけを責めるのはフェアではない。
なお、生物はきわめて複雑なシステムであり、生物学上の法則はしばしば例外が発生する。ウェスターマーク効果もこの例に漏れず、突然変異や特異な環境要因など様々な理由で弱まったり強まったりする可能性がある。そうした条件がどのようなものでどの程度の影響があるのかも、研究が進むにつれて明らかになってゆくだろう。
残念ながら、幼馴染は実際には上手くいかない。義理の姉妹とかもっと上手くいかない。ただし、一緒にいる時間が短ければ、むしろ運命を感じてうまくいく可能性はあるかもしれない。共同生活をした時間の長さが重要だからである。創作物では、幼馴染という設定でも実際にはほんの短期間遊んだ思い出があるだけ、というパターンも結構ある。
バイセクシャルの素質がある者の割合は結構高いので、むしろ同性愛のほうが上手くいくかもしれない。同性愛は人間以外でも数多く報告されている。単なる間違いのレベルから、有効活用しているボノボのようなものまで多様である。
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最終更新:2025/12/08(月) 18:00
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