エアフォース・ワン

エアフォース・ワン（AIR FORCE ONE）とは、以下の物事のことである。

1. アメリカ合衆国において、大統領の搭乗する空軍機に付されるコールサイン「Air force one」のこと。
2. 1.より転じて、アメリカ合衆国大統領専用機のこと。現在はVC-25（2機）が該当する。
3. 大統領専用機のハイジャック事件を描いたアメリカ映画。この記事で解説。

1及び2の概要

米国で重要な国防資産の一つで、アメリカ合衆国大統領の海外渡航時に必要となる移動手段。

1990年からはワシントンD.C.の最寄りのメリーランド州アンドルーズ空軍基地の第89輸送航空団に配備されているVC-25が運用されている。
この機体はボーイング747-200の改造型で、747クラシックの現役機がほぼ壊滅状態の中、2024年現在も現役で活躍している。但し老朽化が深刻なため、747-8への置き換えが決まっている。
機内は1階席前方に大統領の寝室、その横に執務室、会議室、シークレットサービスが利用する随行員室、同行記者団が利用する一般客室という構成で、簡易的なキッチンも付いている（通常の機内食とは違い、出発前に用意した料理を真空パックで積み込み、最終的な調理をする。毒物混入防止のため現地調達は禁止）。2階席は通信室である。
これらは日本を含め他国の政府専用機も基本的に同じような構成である（2階席がない747以外の機材は操縦室のすぐ隣に通信室が設置されている）。

本来は合衆国大統領搭乗中の空軍機には全てこのコールサインが与えられるが、あまりにもこの機材が有名すぎる為、そのままこのネーミングで定着している。

日米友好祭メインイベンター

2022年5月21日・22日の2日間、横田基地で日米友好祭が開催されていた。
ところが二日目の5月22日は、QUAD首脳会議に出席する第46代合衆国大統領ジョー・バイデンの訪日と重なった。

通常、この機体が飛来する基地や空港は厳重な警備体制が敷かれ、一般人の立入も規制されるが、友好祭は新型コロナウイルス感染拡大で2年間中止になっており、3年ぶりの開催となる友好祭を中止するわけにはいかない。
そこで何を思ったのか、区画を分けて友好祭を予定通り開催し、バイデン搭乗中のエアフォース・ワンをこの年の友好祭のメインイベンターに据えたのであった。異例の対応ではあるが、米軍側も見せる気満々である。

そして17時ごろ、予定通りに到着したエアフォース・ワンを迎えるべく、多くの来場客が滑走路に集まり、その流麗な機体が着陸した時は拍手に包まれ、メインイベンターとしての役割を果たしたのである。

3の概要

テロリストに自分のヒコーキを奪われた俺たちのハリソン・フォード大統領が、ジョーンズ教授のごときアクションを見せたかと思えばソロ艇長さながら操縦桿を握り、デッカード顔負けに駆けまわってライアン博士のように家族を守る姿を、妙に人間味のあるテロリスト達と大統領専用機特有の様々なギミック、それにミグとの航空戦とインターナショナルの合唱とあざとカッコいいキメ台詞とジェリー・ゴールドスミスの素晴らしいテーマ曲その他もろもろ満載でウォルフガング・ペーターゼン監督が送るアメリカ映画。

登場人物

カッコ内は日本語吹き替え版のキャスト

ジェームズ・マーシャル大統領　：　ハリソン・フォード（村井国夫）

アメリカ合衆国大統領。モスクワに赴きロシア大統領とともにテロとの戦いを呼びかけた帰り、テロリストに専用機を奪われる。フットボールの録画を楽しみにしていたのに部下が黙っていてくれない。

コールドウェル少佐　：　ウィリアム・H・メイシー（チョー）

チューバッカ。

ギブス警護官　：　ザンダー・バークレー（水野龍司）

大統領警護官。何をしたかったのか結局最後までよくわからないが、特に気にはならない。

キャサリン・ベネット副大統領　：　グレン・クローズ（藤田淑子）

アメリカ合衆国の女性副大統領。ホワイトハウスにあって大統領一家の生命と合衆国の利益との間で板挟みとなり苦悩する。なぜか彼女を大統領にしたがる閣僚を宥めるのにも苦労させられる。

イワン・コルシュノフ　：　ゲイリー・オールドマン（佐古正人）

カザフスタンのテロリスト。独裁者であったラデク将軍をロシアの刑務所から解放するため、仲間たちとジャーナリストに扮して大統領専用機をハイジャックする。笑顔が印象的。

イワン・ラデク将軍　：　ユルゲン・プロホノフ

一言も喋らないくせにやたら存在感のあるカザフスタンの独裁者。笑顔が印象的。

機内取材及び撮影用機材

当時エアフォース・ワンは機密保持の観点から機内の取材が一切認められていなかったが、ハリソン・フォードは友人で当時現職の第42代合衆国大統領ビル・クリントンに機内取材を直談判。条件付きながら許可が出た。
但し写真撮影等は許可されなかった為、機内の様子を記憶して装備品や配色などをイラスト化し、それを元に機内セットを製作した。

また撮影用機材にはカリッタエアの747-100貨物改造機が使われたが、この機体は日本航空で1970年に初導入した747のうちの1機で、92年まで日本航空及び日本アジア航空で運用されていたものである。
本作の撮影の間合いで1996年公開の映画『インデペンデンス・デイ』でも使用されている。

尚、機内撮影はジョージ・W・ブッシュ政権末期の2008年に入ってから、機密に触れない範囲内で許可されており、ドキュメンタリー作品も複数作られている。

関連動画

関連項目

• 映画の一覧