エニックスお家騒動

エニックスお家騒動とは、エニックスコミックス部門で起きた内乱である。

概要

エニックスコミックス部門を代表する雑誌「月刊少年ガンガン」。
創刊当初は自社看板作品であるドラクエの情報をメインとし、それによるコミカライズであるロトの紋章を展開していたが、どちらかと言えばジャンプなどの週刊少年誌に連載されるような小中学生向けの特にゲームとは関係ない作品が主力となっており、代表例としては「南国少年パプワくん」「ハーメルンのバイオリン弾き」「魔法陣グルグル」が挙げられる。実際初代編集長保坂嘉弘も目指していたのは少年誌と語っている。

しかし90年代後半になると編集長が飯田義弘に変わり、他社のゲームを題材にした作品がヒットを出すようになり、「刻の大地」「まもって守護月天！」「スターオーシャンセカンドストーリー」と言った女性漫画家の作品が人気を牽引するようになっていた。少年漫画でも少女漫画でもない、むしろその2つを混ぜたような作品が人気を博し、独特の雰囲気を持つためそれはエニックス系・ガンガン系と呼ばれ、独自路線を進んでいくようになった。

しかし編集部ではこの動きを良しとしない層とそうでない層で対立が起きており、結果刻の大地・TWIN SIGNALがGファンタジーに移籍させられる(前者は長期休載・後者はほどなくして終了)などの結果をもたらした。

2001年初代編集長保坂が「マッグガーデン」を設立。これに飯田も参加し編集者もついていったことにより、大量の作家がガンガン各誌から移籍という形で引き抜かれていった。
これとほぼ同時期にGファンタジーの編集長杉野庸介も呼応するようにGファンの作家を連れて独立、「一賽舎」を立ち上げ、コミックZERO-SUMを刊行に至った。

影響

ガンガンWINGは8割以上の作家を持っていかれ崩壊。連載作品が3作品まで減少したが、その中の１つである「まほらば」やお家騒動後に連載開始した「瀬戸の花嫁」がなんとか踏ん張った。2009年に休刊となったものの、休刊とほぼ同時に創刊したガンガンJOKERに多くの連載作品が引き継がれ、系譜は現在も続いている。

月刊ステンシルは元々作家の主力に欠けるきらいがあり2003年に休刊となった。

Gファンタジーは一賽舎に当時の主力である峰倉かずやと高河ゆんを持っていかれたものの、他の作品が穴を埋められたため2023年現在まで存続している。

そして本誌ガンガンは主力漫画家を軒並み失うことにはなったのだが、「東京アンダーグラウンド」や「スパイラル～推理の絆」と言った作品が残ったこととお家騒動の前に開始していた「鋼の錬金術師」がヒットしたことにより結果として世代交代に成功。
特にお家騒動の後に連載された「ながされて藍蘭島」は、2023年に至るまで現役で連載されており長寿作品である。

2003年にスクウェア・エニックスとなるとスクウェア側の作品も扱えるようになり、FFやキングダムハーツのコミカライズも繰り出した。ハガレンのアニメ化が成功したことにより部数が増加し、以後はアニメ化も精力的に行い、部数を伸ばす戦略をとった。
しかしいささかハガレンパワーに頼り切ったところがあり、2010年のハガレン最終回以後は部数は右肩下がりとなっている。2022年に荒川弘が「黄泉のツガイ」で12年ぶりに本誌復帰となったが果たして…

マッグガーデン

そうしてできた「月刊コミックブレイド」は当初各所で引き抜いた作家たちによる手持ちの作品を再開させることを売りにしていた。
創刊時の主な作品としては

• ARIA(天野こずえ)
• まもって守護月天！再逢(桜野みねね)
• ジンキ・エクステンド(綱島志朗)
• スケッチブック(小箱とたん)
• エレメンタル・ジェレイド(東まゆみ)

といったところである。
ただこれと言ったヒット作はその後はあまりなく、紙媒体廃止前に連載開始した「魔法使いの嫁」や、「そふてにっ」「南鎌倉高校女子自転車部」あたりがアニメ化もした作品となっている。

関連動画

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関連静画

同上

関連項目

• 月刊少年ガンガン
• マッグガーデン・コミックブレイド
• 一迅社(一賽舎とスタジオDNAが合併してできたのがここ)