ジャパンダートダービー

ジャパンダートダービーとは、大井競馬場・外回り2000ｍで行なわれる地方・中央競馬交流の統一のJpnI競走である。　賞金は6000万円(2021年に1500万円増額)

このレースの前身はスーパーダートダービーとされる。『ダービー』と名がつくだけあって、出走条件は3歳牡･牝となっている。概要としてはダート版の日本ダービーということで間違いないであろう。

概要

各地方の指定競走を勝ち上がってきた地方競馬の代表と中央競馬の強豪馬たちが戦う3歳ダート頂上決戦であるが、近年は中央競馬のダート路線が整備されたので、ダート適正が高いJRA所属馬も多数出走するようになった。地方所属の逃げ馬がJRA所属馬のペースについていけないということも。また4コーナー回ったときには既に中央競馬勢だけの争いになっていることも多い。

南関東においては、羽田盃・東京ダービーに続く南関東三歳三冠レースの三戦目に位置している。レース創設以前は、秋に行われていた東京王冠賞が三冠の三戦目に位置づけられてたが、現在は廃止されている。2001年にトーシンブリザードが達成。トーシンブリザードは羽田盃と東京ダービーの間に行われていた東京王冠賞も制したため、四冠馬とも称される。ちなみに1999年にオリオンザサンクスがこの三戦全てを制したが、東京王冠賞を落としたため三冠馬とは呼ばれない。
現行の三冠制度が確立された2002年から2014年までの間に、最初の二冠を制覇した馬は4頭いる（2003年・ナイキアディライト、2005年・シーチャリオット、2011年・クラーベセクレタ、2014年・ハッピースプリント）ものの、三冠達成馬は現れていない。クラーベセクレタはロジータ以来となる牝馬の南関東三冠達成なるかと期待されたが、グレープブランデー・ボレアス（いずれも牡3）の前に3着に敗れたうえに後日失格処分となってしまった。ハッピースプリントは写真判定での僅差の2着に敗れて三冠を逃す結果となった。

2021年までの23回で、地方馬6勝、JRA馬17勝となっている。

ダービーWeek

6月第1週に各地の地方競馬のダービーを集中開催するイベントである。
ジャパンダートダービーの前哨戦に当たる。

• 九州ダービー栄城賞（佐賀競馬場 2000m）：四国・九州所属馬限定。九州三冠第2戦。
• 岩手ダービーダイヤモンドカップ（盛岡競馬場 2000m）：東北所属馬限定。岩手三冠第1戦。
• 北海優駿（門別競馬場 2000m）：北海道所属馬限定。北海道三冠第2戦。
• 東京ダービー（大井競馬場 2000m）：南関東所属馬限定。南関東三冠第2戦。
• 兵庫ダービー（園田競馬場 1870m）：近畿所属馬限定。兵庫三冠最終戦。
• 東海ダービー（名古屋競馬場 1900m）：東海・北陸所属馬限定。東海三冠第2戦。

6レースの内、東京ダービーの1・2着馬にはジャパンダートダービーへの優先出走権が与えられ、他の5レースの勝ち馬はジャパンダートダービーの出走馬選定にノミネートされる。

前身：スーパーダートダービー

中央・地方間の交流競走が本格的に始まった1996年、以前から地方競馬における4歳（当時の表記）最強馬決定戦というコンセプトで開催されてたダービーグランプリ（盛岡競馬場 2000m）が4歳ダート最強馬決定戦に位置づけられた。しかし、地方競馬の盟主を自認し、ダービーグランプリに対して冷淡な対応を取っていた南関東にとってこの決定は面白いものではなかった。そこで南関東は新たな4歳ダート最強馬決定戦を新設し、ダービーグランプリと並ぶ競走に位置づけることを目論んだ。こうして同じ1996年に創設されたのがスーパーダートダービーである。

しかし、そんな横車が通る訳もなく、翌年ダートグレード制が施行された際スーパーダートダービーに与えられた格付けはGⅡ（当時の表記）。レースの位置付けもユニコーンステークス（GⅢ）からダービーグランプリ（GⅠ）に続く4歳ダート三冠の第2戦というものであった。

不満の収まらない南関東はわずか3回でスーパーダートダービーのダートグレード格付けを返上。地元重賞に格下げされて名称もスーパーチャンピオンシップに変更された挙句、3年後あっさり廃止されてしまった。そして、代わりに春の3歳ダート最強馬決定戦という位置づけの下、ジャパンダートダービーが創設され、現在に至っている。

ちなみにだが、本来の3歳ダート頂上決戦に位置付けられていたダービーグランプリは2007年をもって廃止されてしまった（地方競馬全国協会のリリース）。これは当時岩手競馬の経営改善が急務だったという事情もあった（記事）。2010年に競走名自体は復活するものの、地方競馬所属馬限定の競走となり、1着賞金も5,000万円から800万円と大幅引き下げとなった。

歴代勝ち馬

回数	開催日	勝ち馬	性齢	所属	勝利騎手	タイム	動画
第23回	2021年7月14日	キャッスルトップ	牡3	船橋	仲野光馬	2:05.9
第22回	2020年7月8日	ダノンファラオ	牡3	JRA	坂井瑠星	2:05.9	sm37160318
第21回	2019年7月10日	クリソベリル	牡3	JRA	川田将雅	2:06.1	sm35383070
第20回	2018年7月11日	ルヴァンスレーヴ	牡3	JRA	M.デムーロ	2:05.8	sm33509848
第19回	2017年7月12日	ヒガシウィルウィン	牡3	船橋	本田正重	2:05.8	sm31557721
第18回	2016年7月14日	キョウエイギア	牡3	JRA	戸崎圭太	2:05.7
第17回	2015年7月8日	ノンコノユメ	牡3	JRA	C.ルメール	2:05.6	sm26664678
第16回	2014年7月9日	カゼノコ	牡3	JRA	秋山真一郎	2:03.9	sm23964565
第15回	2013年7月10日	クリソライト	牡3	JRA	内田博幸	2:04.8	sm21323347
第14回	2012年7月11日	ハタノヴァンクール	牡3	JRA	四位洋文	2:05.3	sm18324086
第13回	2011年7月13日	グレープブランデー	牡3	JRA	横山典弘	2:04.9	sm15013170
第12回	2010年7月14日	マグニフィカ	牡3	船橋	戸崎圭太	2:05.2	sm11394184
第11回	2009年7月8日	テスタマッタ	牡3	JRA	岩田康誠	2:04.5	sm7577780
第10回	2008年7月9日	サクセスブロッケン	牡3	JRA	横山典弘	2:04.5	sm3909346
第9回	2007年7月11日	フリオーソ	牡3	船橋	今野忠成	2:02.9	sm3736452
第8回	2006年7月12日	フレンドシップ	牡3	JRA	内田博幸	2:06.1
第7回	2005年7月13日	カネヒキリ	牡3	JRA	武豊	2:04.9	sm6212460
第6回	2004年7月8日	カフェオリンポス	牡3	JRA	柴田善臣	2:04.5	sm5553484
第5回	2003年7月8日	ビッグウルフ	牡3	JRA	武豊	2:04.9	sm3701286
第4回	2002年7月4日	ゴールドアリュール	牡3	JRA	武豊	2:04.1
第3回	2001年7月12日	トーシンブリザード	牡3	船橋	石崎隆之	2:05.8	sm15472606
第2回	2000年7月12日	マイネルコンバット	牡3	JRA	大西直宏	2:06.4
第1回	1999年7月8日	オリオンザサンクス	牡3	大井	早田秀治	2:06.9	sm3701473

関連コミュニティ

関連項目

• 競馬
• 地方競馬
• 東京優駿
• 大井競馬場
• 帝王賞(前々週に同競馬場同距離で行われる春の古馬中距離ダートGI)