ジロ・デ・イタリア2025 単語

ジロデイタリアニセンニジュウゴ

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ジロ・デ・イタリア2025とは、2025年5月9日から6月1日にかけて行われる、世界最高峰のロードレースであるジロ・デ・イタリアの第108回大会である。全21ステージ。

概要

コース概要

総距離は3413.3km。スタート地点はアルバニアの港湾都市ドゥラスで、イタリア国外スタートはハンガリーでのスタートとなった2022年以来15回目となる。

2日目の首都ティラナでの個人タイムトライアルを含め3日間のアルバニアステージのあとは、移動日を挟んで4日目に長靴のかかと、プッリャ州アルベロベッロに上陸。そこからはイタリア半島を徐々に北上し、3週目の第16ステージからはいよいよ本格的な山岳決戦となる。全てが決したあとの最終日には、例年通り首都ローマに戻る。

参加チーム

18のUCIワールドチームすべてと、5のUCIプロチームが参加。昨シーズンオフにトム・ピドコックの移籍により話題となった2023年設立のQ36.5がグランツール初参戦となる。

白 Alpecin-Deceuninck / アルペシン・ドゥクーニンク
仏 Arkéa-B&B Hotels /アルケア・B&Bホテルズ
仏 Cofidis/ コフィディス
仏 Decathlon AG2R La Mondiale Team / デカトロン・AG2Rラモンディアル
米 EF Education - EasyPost / EFエデュケーション・イージーポスト
仏 Groupama-FDJ / グルパマ・FDJ
英 INEOS Grenadiers / イネオス・グレナディアーズ
白 Intermarché - Wanty / アンテルマルシェ・ワンティ
米 Lidl - Trek / リドル・トレック
西 Movistar Team / モビスター
独 RED BULL - BORA - HANSGROHE / レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ
白 Soudal-Quick Step / スーダル・クイックステップ
バレ Bahrain - Victorious / バーレーン・ヴィクトリアス
蘭 Team Picnic PostNL / ピクニック・ポストNL
豪 Team Jayco AlUla / ジェイコ・アルウラー
唖 UAE - Team Emirates XRG / UAEチームエミレーツXRG
蘭 Team Visma | Lease a Bike / ヴィスマ・リースアバイク
カザ XDS Astana Team / XDSアスタナ
以 Israel - Premier Tech / イスラエル・プレミアテック
瑞 Q36.5 Pro Cycling Team / Q36.5プロサイクリング
伊 Team Polti VisitMalta / ポルティ・ビジットマルタ
瑞 Tudor Pro Cycling Team / チューダー・プロサイクリング
伊 VF Group–Bardiani–CSF–Faizanè / VFグループ・バルディアーニCSF・ファイザネ

有力選手

総合優勝

総合優勝をあらわすマリア・ローザ争いは、2024年の覇者タデイ・ポガチャルは欠場、参戦が取り沙汰されていたオリンピック金メダリストのレムコ・エヴェネプールもケガの影響で回避し、やや本命不在の混戦感があったものの、下馬評ではおおむねプリモシュ・ログリッチフアン・アユソの一騎打ちとされている。

2023年以来となる2度目の戴冠を目指すログリッチはレッドブル・ボーラ・ハンスグローエ所属の35歳。グランツール制覇は現役最多5回を誇る大ベテランで、昨年ポガチャルが達成したダブルツールを今年の自身の目標として、まずは第一関門であるジロに挑む。
ポガチャルに次ぐUAEチームエミレーツXRG第2のエース、アユソは弱冠22歳で、グランツール完全制覇で知られる地元スペインの英雄・アルベルト・コンタドールの再来との呼び声高い若き天才。既に今年のティレーノ~アドリアティコでは昨年2位の無念を晴らす総合優勝を果たしている。

この二人は既に3月、7日間のステージレースであるボルタ・ア・カタルーニャで全面衝突している。第3・第4ステージでは2日連続でこの二人の一騎打ち決着となり1勝ずつ、総合順位は最終日時点でわずか1秒だけアユソがリードしていたが、この最終日は圧巻の走りを見せたログリッチが貫録の独走勝利で逆転している。

2強の隙を伺う他の有力選手には、UAEチームエミレーツの副エースであるアダム・イェーツ、直前のツアー・オブ・ジ・アルプスを制したマイケル・ストーラー(チューダー)、9年ぶりの地元勢優勝を狙うアントニオ・ティベーリ(バーレーン・ヴィクトリアス)や、エヴェネプールに代わりスーダル・クイックステップのエースを務めるミケル・ランダなどが挙げられている。

各賞

ポイント賞にあたるマリア・チクラミーノは昨年ブエルタ・ア・エスパーニャのポイント賞に輝いたカーデン・グローブスに、若手No.1スプリンターであるオラフ・コーイ、ヘント〜ウェヴェルヘム優勝者マッズ・ピーダスンらが挑む構図。

山岳賞マリア・アッズーラは総合争いとも密接に関わるため何とも言えないが、ヤングライダー賞のマリア・ビアンカはフアン・アユソが対象年齢の範囲内なので最有力候補。昨年この賞を獲ったアントニオ・ティベーリもまだ対象年齢内。

ステージ

第1ステージ ドゥラス〜ティラーナ 164km(丘陵)
第2ステージ ティラーナ〜ティラーナ 13.7km(個人タイムトライアル)
第3ステージ ヴロラ〜ヴロラ 160km(丘陵)
第4ステージ アルベロベッロ〜レッチェ 187km(平坦)
第5ステージ チェーリエ・メッサーピカ〜マテーラ 144km(平坦)
第6ステージ ポテンツァ〜ナポリ 226km(平坦)
第7ステージ カステル・ディ・サングロ〜タリアコッツォ 168km(山岳)
第8ステージ ジュリアノーヴァ〜カステルライモンド 197km(丘陵)
第9ステージ グッビオ〜シエナ 181km(丘陵)
第10ステージ ルッカ〜ピサ 28.6km(個人タイムトライアル)
第11ステージ ヴィアレッジョ〜カステルノーヴォ・ネ・モンティ 185km(丘陵)
第12ステージ モデナ〜ヴィアダーナ 172km(平坦)
第13ステージ ロヴィーゴ〜ヴィチェンツァ 180km(丘陵)
第14ステージ トレヴィーゾ〜ノヴァ・ゴリツァ 186km(丘陵)
第15ステージ フィウーメ・ヴェーネト〜アジアーゴ 214km(山岳)
第16ステージ ピアッツォーラ・スル・ブレンタ〜・サン・ヴァレンティーノ 199km(山岳)
第17ステージ サン・ミケーレ・アッラーディジェ〜ボルミオ 154km(丘陵)
第18ステージ モルベーニョ〜チェザーノ・マデルノ 144km(平坦)
第19ステージ ビエッラ〜シャンポルク 166km(山岳)
第20ステージ ヴェール〜セストリエーレ(ヴィア・ラッテェア) 203km(山岳)
第21ステージ ローマ〜ローマ 141km(平坦)

総合争いの展開

1週目

何と言ってもピーダスンが開幕5ステージで3勝を上げる絶好調でポイント賞争いを独走。山岳ステージに入る第7ステージまではマリアローザさえ着用していた。総合争いは山岳初戦の第7ステージから本格的になり、アユソが勝利し好調を示す。一方マリアローザはログリッチが着用し、下馬評通りの二人の争いになることを示唆するスタートになった…はずだった。

第8ステージでは先頭集団の逃げ切りを許し、XDSアスタナのディエゴ・ウリッシにマリアローザを明け渡し、開催国イタリアに4年ぶりにマリアローザが渡る。第9ステージではログリッチは酷いパンクに見舞われ総合10位に後退。黄信号が灯ってしまう。

一方のアユソは総合2位。1分13秒差で追いかける首位に立つのは同じUAEチームエミレーツのイサーク・デルトロ。総合9位につけたアダム・イェーツも合わせて、総合トップ10にUAEが3人出すという盤石の体制となった。

2週目

ピサの斜塔で知られるピサでの個人TTから始まった2周目はデルトロが総合首位を守りながら進み、アユソとログリッチはこのTTでデルトロとの差を山岳ステージ1つでいくらでも逆転可能なところまで埋め戻した。他にもティベーリ、サイモン・イェーツといった面々が上位につけていた。 

総合争いが大きく動いたのは第14ステージ。残り23kmというところで発生した集団落車によって総合7位のジュリオ・チッコーネが負傷リタイア。しかもこの落車でプロトンが分断され、前方にいたデルトロ、サイモン、カラパスらが難を逃れる一方、アユソやログリッチ、ティベーリらは後方にいたため離されてしまう。サイモンが総合2位に浮上する一方、アユソは38秒だったデルトロとの差を1分26秒まで拡大し3位後退。

ログリッチもアユソと同様に離され、しかも次の第15ステージで痛恨の遅れを見せ、4分近くも離された10位まで順位を落としてしまう。

デルトロがリードを固める一方で、二強とされたアユソとログリッチは苦戦。既に波乱含みの総合争いは、山岳ステージが多くなる3週目には更に激化することが予想される。

運命の第16ステージ

3週目初日の第16ステージから大きな事件が起こる。雨の路面で落車が続出し、ログリッチも落車。大きな怪我こそなかったもののここでリタイアし、グランツール現役最多勝の男がジロを去る。それだけではなく、ここまで盤石を誇っていたUAEの牙城が他チームの積極的な攻めの前に崩壊。デルトロはなんとか総合首位を死守したものの1分20秒あった2位サイモンとの差は26秒まで削られ、比較的早くから遅れたアユソに至っては総合17位まで順位を下げ、総合争いから完全脱落。事前予想の二強が総合争いから姿を消した。カラパスも得意の山岳で良い脚を発揮し、サイモンから5秒差の総合3位に浮上した。

リードを大きく失ったとはいえ、若さに溢れ依然強力なサポート陣を擁するイサーク・デルトロ。2018年のジロであと少しのところで掌からこぼれ落ちた忘れ物を取り返すことを誓うサイモン・イェーツ。昨年のツールでは山岳賞を獲った現役きっての山岳巧者リチャル・カラパス。残り5日となったジロの総合争いは、おおむねこの3名に絞られる格好となった。

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