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この項目の概要と[エレアのゼノン]を合体させる計画があります。 2015年1月26日以降に作業予定です。 |
ゼノンのパラドックスとは、時間と空間の実在性を否定するためのパラドックスのことである。「アキレスと亀」が有名。
ゼノンのパラドックスとは、エレアのゼノンが時間と空間の実在性を否定するために持ちだした一群ののパラドックスのことである。「アキレスは、前を行く亀に追いつけない(アキレスと亀)」が、本論よりも有名。他にも「飛ぶ矢は止まっている」というのもある。
ゼノンには「あるものはある」という命題で有名なパルメニデスという師匠がいた。パルメニデスは「変化というものはそもそも無が有になって、有が無になることだから矛盾している」として、そこから「変化や運動、多様性は俺たちが主観的に感じてるだけで実在しない」と主張した。
一方で、ピタゴラス派やデモクリトスみたいな原子論者はそれに反対して、世界は実在していて、たくさんのものがあって、それが「空間」の中を動いてると主張していた。
これら対して、ゼノンは「もし仮にたくさんのものがあって空間が存在していて、運動があると仮定すればアキレスと亀のようなパラドックスが起きて、逆に何も動かなくなる」と相手の矛盾を導き出した。ゼノンは世界が変化、運動していること自体を否定したかったわけではなく、相手の主張から運動が不可能になるという矛盾を導くことで背理法によって時間と空間の実在性を否定しようとしたのである。
ちなみに二分割とアキレスと亀は時間、空間は無限分割できるという前提にたつと生じる矛盾であり、飛ぶ矢のパラドックス(飛ぶ矢もそれと同等のものに対しては静止しているので飛んでいない)と競技場のパラドックス(競技場で反対方向に走る馬車の距離が最小単位離れる間に観客席からは最小単位の半分しか離れない)は時間、空間に最小単位があると仮定した場合におこる矛盾である。どちらにしても、時間と空間が実在すると仮定したらパラドックスがさけられない構造になっている。
背理法が成立するのは、矛盾を導くまでの演繹が正しいことが前提になる。アキレスと亀の誤りについては該当記事を参照のこと。
なお、ゼノンのパラドックスの誤りを指摘したからといって即座に「時間と空間が実在する」という結論には至らない(「ゼノンのパラドックスから時間と空間が実在しない」とはいえないだけに過ぎない)ことに注意されたい。
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最終更新:2025/12/11(木) 02:00
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