タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦とは、米海軍が保有するミサイル巡洋艦(CG)である。
世界初のイージス艦であり、現用巡洋艦の草分け的存在。
艦級名の「タイコンデロガ」は18世紀、フレンチ・インディアン戦争におけるタイコンデロガの戦いに因む。
なお、戦後最も量産された巡洋艦にして世界最強クラスの戦闘能力をもつリアルチートである。
あれ、この流れアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦で見たような・・・
戦後、アメリカ海軍はミサイル巡洋艦及び駆逐艦の開発並びに建造に邁進していた。同海軍は艦隊防空ミサイルとしてターター・システムを運用していた。ところが、同システムは同時捕捉可能な空中目標がかなり少なく、仮想敵国といえるソ連海軍の対艦ミサイル飽和攻撃の対処が困難との指摘を受けていた。既存のターター・システムの拡大発展には限界があり、ここに「イージス・システム」が誕生することとなった。
そのイージス・システム運用艦として白羽の矢が立ったのがタイコンデロガ級である。タイコンデロガ級はスプルーアンス級ミサイル駆逐艦の拡大発展型であるが、イージス・システムのためのフェーズドアレイレーダー等を搭載するため艦橋構造物の大型化が必要で、比較的余裕のある本艦がイージス・システムの運用を担うこととなった。
そのため艦橋はボインとでっかいのである。
タイコンデロガ級はイージスシステムの運用のノウハウがまだ未成熟なため後のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦と異なり試行錯誤の過程がよく分かる。
巨大な艦橋構造物
ターター・システムと比べてイージス・システムは構造が複雑でかつ大型なためそのプラットフォームたる艦橋構造物はかなり巨大なものとなった。海上自衛隊のイージス護衛艦も大型の艦橋を有しているがタイコンデロガ級はそれ以上にデカイ。基本設計はスプルーアンス級に基づくため無理がたたって一つの艦橋にフェーズドアレイレーダーを搭載することが困難になり、前後艦橋にて分散配置している。本来なら一つの艦橋に纏めるべきものだが妥協せざるを得なかった。よってステルス性も低下している。
VLS未装備
初期のタイコンデロガ級はまだ、ターター・システム用のMk26連装ミサイル発射機を運用しており、VLS(垂直発射システム)を搭載していなかった。このため、トマホーク巡航ミサイルやSM3弾道弾迎撃ミサイルの運用が出来ない。後述するベースライン0,1まではVLSの運用能力を有していないため、現在必要とされるイージス艦の能力を発揮出来なかった。
速力と安定性の低下
機関はスプルーアンス級と同じく80,000馬力のガスタービンエンジンを搭載しているが、構造物の巨大化に伴う重量化で速力が低下している。また、トップヘビーは避けられず安定性には不安が残る。
こういった試行錯誤を受け、アメリカ海軍はアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦建造にノウハウを活かしている。じゃぁ、「もうタイコンデロガ級は要らないんじゃね?」と思うかもしれないが、タイコンデロガ級は艦橋構造物の肥大化に伴いイージス・システム等のプラットフォームとして結果的にアーレイ・バーク級より優秀であるとされ同艦を引き続き運用することとなった。金持ちだしな!
正しく、駆逐艦に対する巡洋艦の再来というわけである。
と、アーレイ・バーク級を62隻作りながらこっちも27隻作ってしまった。流石はリアルチート国家である。
また、前級にあたるバージニア級原子力ミサイル巡洋艦の退役に伴い、アメリカ海軍最後の巡洋艦となった。巡洋艦と称される艦艇を有しているのはアメリカ海軍とロシア海軍のみ。
現在は、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦と同等以上の戦闘能力を備えたアメリカ海軍を支える巡洋艦として活躍中。アーレイ・バーク級とコンビを組んでより高度な戦術情報システムを運用し、戦闘指揮及び情報収集が可能に。まさにアーレイ・バーク級の兄貴分である。ボインなお姉さんかも。
更新型である、新型ミサイル巡洋艦CG(X)が計画されるもののズムウォルト級と同じく中止になったので、しばらくは活躍する予定。やっぱりこの流れ、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦じゃないか・・・
タイコンデロガ級は1980年に起工されてから年刊イージス巡洋艦として出版・・・建造され続けたので色々な作品に登場する。
・・・と、アーレイ・バーク級が「バトルシップ」や「トランスフォーマー(実写版)」で結構活躍しているなか、損な役回りが多い。鋼鉄の咆哮ではシリーズによってはプレイヤー艦として使用可能だが、艦橋構造物が邪魔なので(大抵)速攻撤去されより小型な艦橋に変更される。
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最終更新:2025/12/08(月) 09:00
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