タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦 単語

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タイコンデロガキュウミサイルジュンヨウカン

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タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦とは、アメリカ海軍が保有するミサイル巡洋艦(CG)である。

タイコンデロガ級初期型(ハルナンバー架空)

概要

世界初のイージス艦であり、現用巡洋艦分け的存在。

艦級名の「タイコンデロガ」は18世紀、フレンチインディアン戦争におけるタイコンデロガの戦いに因む。

アメリカ海軍イージス・システムの実用艦を作るにあたり、当初は17000t級の原子力打撃巡洋艦イージス・システムを搭載することを考えていた。しかしコストが高すぎるとして議会の同意を得られず、ヴァージニア原子力ミサイル巡洋艦イージス・システムを積むという修正案も議会は受け入れなかった。そこで海軍はやむなく、当時建造が始まったばかりのスプルーアンス級駆逐艦を大化してイージス・システムを搭載することにした。これがタイコンデロガ級で、後に分類は駆逐艦(DD)から巡洋艦CG)へ格上げされた。[1]

タイコンデロガ級はスプルーアンス級駆逐艦の拡大発展であるが、イージス・システムのためのフェードアレイレーダー等を搭載するため艦構造物の大化が必要で、較的余裕のある本艦がイージス・システムの運用を担うこととなった。

そのため艦ボインとでっかいのである。

特徴

タイコンデロガ級はイージスシステムの運用のノウハウがまだ未成熟なため後のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦と異なり試行錯誤の過程がよく分かる。

 巨大な艦構造物

ターター・システムべてイージス・システムは構造が複雑でかつ大なためそのプラットフォームたる艦構造物はかなり巨大なものとなった。海上自衛隊イージス護衛艦も大の艦を有しているがタイコンデロガ級はそれ以上にデカイ。基本設計はスプルーアンス級に基づくため理がたたって一つの艦フェードアレイレーダーを搭載することが困難になり、前後艦にて分散配置している。本来なら一つの艦めるべきものだが妥協せざるを得なかった。よってステルス性も低下している。

 VLS

初期のタイコンデロガ級のミサイル発射機はMk26連装ミサイル発射機が2基で、この発射機は再装填に時間がかかる為、イージス・システムの「同時に10数発のミサイルを管制する」というを活かせなかった。6番艦(ベースライン2)よりMk.41VLS(垂直発射システム)が搭載され、限られた時間に大量のミサイルを発射できるようになった。

 速と安定性の低下

機関スプルーアンス級と同じく80,000ガスタービンエンジンを搭載しているが、構造物の巨大化に伴う重量化で速が低下している。また、トップヘビーは避けられず安定性には不安が残る。30ノットの速は維持できるようだが結構理しているらしい。なおスプルーアンス級は32ノット。

タイコンデロガ級の種類(ベースライン)

こういった試行錯誤を受け、アメリカ海軍アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦建造にノウハウを活かしている。じゃぁ、「もうタイコンデロガ級は要らないんじゃね?」と思うかもしれないが、タイコンデロガ級は艦構造物の肥大化に伴いイージス・システム等のプラットフォームとして結果的にアーレイ・バーク級より優秀であるとされ同艦を引き続き運用することとなった。持ちだしな
 正しく、駆逐艦に対する巡洋艦再来というわけである。

と、アーレイ・バーク級を62隻作りながらこっちも27隻作ってしまった。流石リアルチート国家である。

また、前級にあたるバージニア原子力ミサイル巡洋艦の退役に伴い、アメリカ海軍最後の巡洋艦となった。ところで、巡洋艦と称される艦艇を有しているのはアメリカ海軍ロシア海軍のみ。

現在は、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦と同等以上の戦闘を備えたアメリカ海軍を支える巡洋艦として活躍中。アーレイ・バーク級コンビを組んでより高度な戦術情報システムを運用し、戦闘揮及び情報収集が可に。さらに一部はベースライン8までアップグレードされ、ますますの活躍が期待される。まさにアーレイ・バーク級兄貴分である。ボインお姉さんかも

ところで、タイコンデロガ級の更新である、新ミサイル巡洋艦CG(X)が計画されるもののズムウォルト級ミサイル駆逐艦と同じく中止になったので、しばらくは活躍する予定。やっぱりこの流れ、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦じゃないか・・・

タイコンデロガ級が登場する作品

タイコンデロガ級は1980年に起工されてから年刊イージス巡洋艦として出版・・・建造され続けたので色々な作品に登場する。

・・・と、アーレイ・バーク級が「バトルシップ」や「トランスフォーマー(実写映画)」などの映画で結構活躍しているなか、損な役回りが多い。半ば噛ませ犬とも言えるが、その辺はメディア作品の軍事兵器お約束に近い感もある。アーレイ・バーク級も「蒼き鋼のアルペジオ」なんかではフルボッコにされているし。
 その分メディア露出も多くにする機会が多いと言えるのかも。

ところで、「鋼鉄の咆哮」ではシリーズによってはプレイヤー艦として使用可だが、ゲーム仕様上、艦構造物が邪魔なので(大抵)すぐに撤去されより小な艦に変更される事が多い。艦だけがオマハ軽巡になってることも・・・

関連作品

動画

静画・MMDモデル

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関連項目

脚注

  1. *軍事研究1993年6月号別冊 イージス艦「こんごう」 ジャパンミリタリーレビュー 1993 p.122
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