タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦 単語


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タイコンデロガキュウミサイルジュンヨウカン

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タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦とは、アメリカ海軍が保有するミサイル巡洋艦(CG)である。

世界初のイージス艦であり、現用巡洋艦の草分け的存在。

艦級名の「タイコンデロガ」は18世紀、フレンチ・インディアン戦争におけるタイコンデロガの戦いに因む。

なお、戦後最も量産された巡洋艦にして世界最強クラスの戦闘能力をもつリアルチートでもある。
あれ、この流れアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦で見たような・・・

概要

戦後、アメリカ海軍はミサイル巡洋艦及び駆逐艦の開発並びに建造に邁進していた。また同海軍は当時、艦隊防空ミサイルとしてターター・システム[1]を運用していたのだが、同システムは同時捕捉可能な空中目標がかなり少なく、仮想敵国といえるソ連海軍の対艦ミサイル飽和攻撃の対処が困難との指摘を受けていた。既存のターター・システムの拡大発展には限界があり、ここに「イージス・システム」が誕生することとなった。

そのイージス・システム運用艦として白羽の矢が立ったのがタイコンデロガ級である。タイコンデロガ級はスプルーアンス級駆逐艦の拡大発展型であるが、イージス・システムのためのフェーズドアレイレーダー等を搭載するため艦橋構造物の大型化が必要で、比較的余裕のある本艦がイージス・システムの運用を担うこととなった。

そのため艦橋はボインとでっかいのである。

特徴

タイコンデロガ級はイージスシステムの運用のノウハウがまだ未成熟なため後のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦と異なり試行錯誤の過程がよく分かる。

 巨大な艦橋構造物

 ターター・システムと比べてイージス・システムは構造が複雑でかつ大型なためそのプラットフォームたる艦橋構造物はかなり巨大なものとなった。海上自衛隊のイージス護衛艦も大型の艦橋を有しているがタイコンデロガ級はそれ以上にデカイ。基本設計はスプルーアンス級に基づくため無理がたたって一つの艦橋にフェーズドアレイレーダーを搭載することが困難になり、前後艦橋にて分散配置している。本来なら一つの艦橋に纏めるべきものだが妥協せざるを得なかった。よってステルス性も低下している。

 VLS未装備

 初期のタイコンデロガ級はまだ、ターター・システム用のMk26連装ミサイル発射機を運用しており、VLS(垂直発射システム)を搭載していなかった。このため、トマホーク巡航ミサイルやSM3弾道弾迎撃ミサイルの運用が出来ない。後述するベースライン0,1まではVLSの運用能力を有していないため、現在必要とされるイージス艦の能力を発揮出来なかった。

速力と安定性の低下

 機関はスプルーアンス級と同じく80,000馬力のガスタービンエンジンを搭載しているが、構造物の巨大化に伴う重量化で速力が低下している。また、トップヘビーは避けられず安定性には不安が残る。30ノットの速力は維持できるようだが結構無理しているらしい。なおスプルーアンス級は32ノット。

タイコンデロガ級の種類(ベースライン)

こういった試行錯誤を受け、アメリカ海軍はアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦建造にノウハウを活かしている。じゃぁ、「もうタイコンデロガ級は要らないんじゃね?」と思うかもしれないが、タイコンデロガ級は艦橋構造物の肥大化に伴いイージス・システム等のプラットフォームとして結果的にアーレイ・バーク級より優秀であるとされ同艦を引き続き運用することとなった。金持ちだしな
 正しく、駆逐艦に対する巡洋艦の再来というわけである。

  • ベースライン0(1~2番艦)
    • 初期型のタイコンデロガ級の規格。
  • ベースライン1(3~5番艦)
    • ベースライン0と合わせて初期型とされる。ベースライン0より軽量化されている。ベースライン1以前は全艦退役。
  • ベースライン2(6~12番艦)
    • Mk41VLSを装備。多種のミサイル運用能力を得た。本規格以降のベースラインは現役である。本ベースライン以降は改タイコンデロガ級と呼称することもある。トマホークミサイル運用能力も獲得している。2008年~2010年に掛けて本ベースラインに該当する艦船はベースライン8までアップグレードされた。
  • ベースライン3(13~18番艦)
    • 発展型フェーズドアレイレーダーであるSPY-1Bを搭載。トップヘビー改善も企図され、ベースライン4クラスのアップグレードがなされたが、これをベースライン3Aと呼称し区別している。
  • ベースライン4(19~27番艦)
    • 最新型。より優秀なSPY-1B(V)を搭載している模様。また、米海軍の標準的な32bitコンピュータである「AN/UYK-43」を導入し、一部はベースライン5クラスのアップグレードがなされた。

と、アーレイ・バーク級を62隻作りながらこっちも27隻作ってしまった。流石はリアルチート国家である。

また、前級にあたるバージニア級原子力ミサイル巡洋艦の退役に伴い、アメリカ海軍最後の巡洋艦となった。ところで、巡洋艦と称される艦艇を有しているのはアメリカ海軍とロシア海軍のみ。

現在は、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦と同等以上の戦闘能力を備えたアメリカ海軍を支える巡洋艦として活躍中。アーレイ・バーク級とコンビを組んでより高度な戦術情報システムを運用し、戦闘指揮及び情報収集が可能に。さらに一部はベースライン8までアップグレードされ、ますますの活躍が期待される。まさにアーレイ・バーク級の兄貴分である。ボインなお姉さんかも

ところで、タイコンデロガ級の更新型である、新型ミサイル巡洋艦CG(X)が計画されるもののズムウォルト級ミサイル駆逐艦と同じく中止になったので、しばらくは活躍する予定。やっぱりこの流れ、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦じゃないか・・・

タイコンデロガ級が登場する作品

タイコンデロガ級は1980年に起工されてから年刊イージス巡洋艦として出版・・・建造され続けたので色々な作品に登場する。

  • 沈黙の艦隊(マンガ)
    • CG-72ヴェラ・ガルフ他、同型艦が登場。最強のイージス・システムとかチート潜水艦「やまと」の前には無力なので、あまり活躍できない。まぁそもそも、イージス・システムは対潜戦闘とは関わり薄いし・・・
  • 鋼鉄の咆哮(ゲーム)
    • 敵艦として登場。電波妨害艦として登場することも。最強のイージス・システムとかこのゲームの前には無力なので、やっぱり活躍できない。(後記するが、シリーズによってはプレイヤー艦として操作も可能)
  • エースコンバットシリーズ(ゲーム)
    • 敵艦として登場。最強のイージス・システムとか(ry、ここでも真価を発揮出来ない。(まぁ、これに関してはイージス・システムが本気出すとゲームが詰むので仕方ないかも)
  • 戦闘妖精・雪風(OVA版)
    • OVA版に日本海軍の艦艇として登場するが、実際の所属が日本海軍なのかは不明。惑星フェアリィより侵攻してきた未知の存在「ジャム」が相手なので手が出せない。イージス・システムは地球外の未知の存在に対応するものではないので、活躍できない。
  • 学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD(アニメ)
    • 米海軍第7艦隊所属艦としてCG-67 シャイローがDDG-54 カーティス・ウィルバー、海上自衛隊DDG-173 こんごう及び同 DDG-174 きりしま と共に登場。アメリカが中国・北朝鮮へ向け発射したトライデントII 核SLBMへの報復として中国が発射した東風21型 核MRBMを搭載するSM-3を用いて日本海上で迎撃する。(なお、DDG-54 カーティス・ウィルバーはとある事情によりSM-3を発射できず1発撃ち漏らす)

・・・と、アーレイ・バーク級が「バトルシップ」や「トランスフォーマー(実写映画)」などの映画で結構活躍しているなか、損な役回りが多い。半ば噛ませ犬とも言えるが、その辺はメディア作品の軍事兵器のお約束に近い感もある。アーレイ・バーク級も「蒼き鋼のアルペジオ」なんかではフルボッコにされているし。
 その分メディア露出も多く目にする機会が多いと言えるのかも。

ところで、「鋼鉄の咆哮」ではシリーズによってはプレイヤー艦として使用可能だが、ゲームの仕様上、艦橋構造物が邪魔なので(大抵)すぐに撤去されより小型な艦橋に変更される事が多い。艦橋だけがオマハ級軽巡になってることも・・・

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関連項目

  • 軍事/軍艦/軍用艦艇の一覧
  • 巡洋艦
  • イージス艦/アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦
  • スプルーアンス級駆逐艦(原型)
  • イラン航空655便撃墜事件 (本級が起こした民間旅客機の誤撃墜事件)

脚注

  1. *ターター・システム:中距離艦対空ミサイル「RIM-24ターター」を用いた対空ミサイルシステム。射撃管制装置と武器管制装置を有しているが信頼性や発展性は頭打ち状態であった。発展型であるターター-Dシステム開発も行われたが難航した。この際の経験は後のイージスシステムに活かされている。
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