ファイナルファンタジー8?とは (ファイナルファンタジーエイトハテナとは) [単語記事]

「ファイナルファンタジー８？」とはツクール作品である。

概要

他人ツクールシリーズ第22～32回目で取上げられた、RPGツクール SUPER DANTEによる長編RPG。通称は「FF8?編」「やまうち編」。作者はプロふじた氏。提供者はザベル1氏。
誤解を招くような紛らわしいタイトルがついているが、本作の内容は全てオリジナルである。

本作は異常なほど高い作品完成度、画期的なシステムに作りこまれたシリアスなシナリオ、絶妙なゲームバランス、珍妙なモンスターのネーミングなどにより、視聴者及びプレイヤーのチーム・The Bからは非常に高い評価を得ている。
中村（実況プレイヤー）曰く、「満塁ホームラン級の大当たり」。

また後述するが、本作はRPGツクール SUPER DANTEの使用容量を限界まで使って作られた作品であるため、単なる名作として見るだけでなく、本ゲームの仕様の限界を知るためのサンプルとして見る事も可能である。

ストーリー

第一章『えらばれしもの』

やまうち編

「やまうち城」の主である英雄・「やまうち」は、その権力や名声をほしいままにしていた。ある日、やまうちは謎の人物「シルク」の襲撃を受け、さらに側近の「マクダレイン」にも裏切られ、囚われてしまう。やまうちは牢に囚われていた男・「くれない」とともに脱獄を果たし、彼らの持つ「聖せき」を欲しているシルクを倒すも、やまうち城は時限装置により爆破されてしまい、首謀者マクダレインにも逃げられてしまう。
「オヴァンレイ」にて再び合間見えた両者であったが、マクダレインの目的は聖せきを12個すべて集め、「神」になることだった。そこでやまうち達の聖せきを奪うため、自身の持つ「ぎんいろの聖せき」の力でモンスターに変身して襲い掛かったが、返り討ちにされ敗れるのであった。
ぎんいろの聖せきを手に入れたやまうち達は、残る聖せきを求めて、ワープゾーンで次の土地に向かう…。

ふじた編

舞台は「ライナスシティー」。そこで？（名称不明の男）を追い詰め、「みどりの聖せき」を手に入れた男・「ふじた」は、村長にそのことを知られ、町からの追放処分を受ける。しかし、それと入れ替わりに聖せきを求める謎の男が現れ、町は滅ぼされてしまうのだった。
その後ふじたは「ベリーケイブ」にて自分を狙う刺客「よしい」と交戦する。町を破壊した男というのは彼のことであった。よしいは自身の持っている「あおの聖せき」の力を使ってモンスターに変身し、ふじたを襲うが敗北する。
あおの聖せきを手に入れたふじたはワープゾーンで次の土地に向かう…

…はずだったがワープゾーンが作動しない。直前でワープキャンセルされたのである。そこへ現れたのは謎の女性「ルシフェル」であった。彼女はふじたから聖せきを奪い、南西の塔「ケイジングタワー」に彼を誘い出す。塔にて彼女の使い魔を倒し、聖せきを取り戻したふじたは、「なかまになってあげようか」という彼女の誘いを受けて仲間にし（もしくは断り）、塔を後にする。
こうしてふじた（達）は、残る聖せきを求めて、ワープゾーンで次の土地に向かうのだった…。

かじボーン編

かつて英雄やまうちに倒された邪悪なモンスター「かじボーン」。奇跡的に復活した彼は全面的に改心し、人の役に立つ「人間」になろうとしていた。恭しく「セレンきょうかい」を訪れた彼は、教皇フューネルに導かれ、南の塔「サンクチュアリ」の試練を乗り越えて正義の心に目覚める。
教会に戻ったかじボーンだったが、教祖カノンの反乱に巻き込まれ、教皇フューネルとともに殺されてしまう。
一方、「きいろの聖せき」を手に入れたカノンは教会を後にし、世界を闇で多い尽くすべく、ワープゾーンで他の土地へ向かうのだった…。

第二章『うらぎられしもの』

物語は「やまうち」、「くれない」、「ふじた」、「ルシフェル」、そして「カノン」の5人が一同に集結したところから始まる。
残る5つの聖せきを求めて「ヴォルガノントラップ」を訪れたやまうち達だったが、その奥地ででカノンが裏切り、聖せきの力でモンスターに変身して襲い掛かるも倒される。
その後、同じく聖せきを探し求める「いしまる」の力によって「ゲートジェネレイター」に飛ばされたやまうち達は、そこで襲い掛かってきたかつての仲間・「いしまる」と「よしい」を倒す。
その後、「ふういんされし神でん」にてふじたが裏切り、彼の仲間・「アルハザード」とともにやまうち達と戦って敗れる。
かつての仲間達に次々と裏切られていくやまうちは一体何を思ったのだろうか…？

第三章『ほろびしもの』

やまうち、くれない、ルシフェルの3人は船で「かいていしんでん『デ・レ・メタリカ』」へ向かい、その奥地にいた「ひりゅう」をかっぱらい手なづけ、テレポートで「オヴァンレイ」へと飛んだ。
オヴァンレイの城内で次々と襲い掛かる刺客達を倒して進んだ先には、すべての黒幕・「フィーストファ」が待ち構えていた…。

本作の特徴

ゲーム開始直後、3つのシナリオから自由にひとつ選んでプレイすることができる。これはRPGツクール SUPER DANTEにはあるまじき驚愕の仕様である。
「かくれが」にてパーティ編成を行うことができる。上に同じ。
ゲームバランスは良好にして絶妙。かなり作りこまれているようである。
テキストは漢字が使えない分、『』を多用して文字をくぎり読みやすくしてある（この手法はリメイク作品にも踏襲されている）。
建物に入るとその建物の名前がまず表示される。
ほとんどのモブキャラにいちいち名前が付けてある。
シナリオにはやや不備があり、主人公やまうちの行動原理がいまいち曖昧。また多くの場合、次の目的地が示されず、場当たり的な探索からストーリーが進んでしまう。
ゲームの仕様で仕方がないが、「テレポート」を使うと既にいった別のストーリーの町にもいけてしまう。
ストーリー上重要な登場人物である「かじボーン」「よしい」がザコ敵として出現するという致命的なバグが存在する。なかでもよしいはボスクラスの強さの上に「聖なるしんぱん」を放ってくる凶悪性能。
本作の残りエデット容量はなんとたったの「5」であった。そのためラストは少々尻切れ気味であったのだが、要領の都合であれば仕方がないだろう。むしろそこまでがんばった作者を賞賛したい。

登場人物

やまうち
- 本作を通しての主人公。かつて「かじボーン」を倒した英雄にして「やまうち城」の主。「しろの星せき」の所持者。側近のマクダレインには裏切られた上に城を爆破されてしまう。後に再会し打ち倒したマクダレインから聖せきの秘密を知り、残る聖せきを求めて旅に出た。第一章やまうち編にて「くれない」を、第二章で「ふじた」「ルシフェル」「カノン」を仲間に加えて旅を続ける。
- しかし旅の途中で次々とかつての仲間に裏切られてしまう。やがて彼は最終決戦の地「オヴァンレイ」へと向かい、すべての黒幕「フィーストファ」と聖せきに封じられしもの「シルバーザダーク」を打ち倒し、全てを終えたのだった。
- 武器は剣。
- 「ははははははははは　『かね』だ！『さけ』だ！『めいよ』だ！　『えいゆう』はええのう！」
くれない
- 「やまうち城」に囚われていた人物。性別不明。牢を出してくれたやまうちへの恩義から彼の仲間になる。口数が少なく、本編中に目立った活躍もなかったが、仲間の裏切りが多い中、絶えることなくやまうちの味方であり続けた義理堅い漢（女）。「あかの聖せき」の所持者。
- 武器は銃。
- 「『やくそく』どおり　おまえの『なかま』になってやる」
ふじた
- 夢の実現のために聖せきを探す男。実は英雄のひとりだった。元は「かじボーン城」で倒れていたところをライナスシティーの村長に助けられ、町に住まわせてもらっていた。しかし物語開始時に？（名称不明の男）を討ち取り、聖せきを奪い取った罪で町から追放される。その後、刺客であるよしいを倒し、魔女ルシフェルを仲間に加えつつ旅を続ける。やまうちとは面識があったことが示唆されており、第二章では彼の仲間になっている。実は黒幕・フィーストファの部下であり、やまうち達の聖せきを手に入れるため「ふういんされし神でん」にて裏切り、生身のまま戦って倒される。
- 武器は銃。
- たにツクアンケート「第１回主人公キャラ投票」部門で第1位を獲得。
- 「『にんげん」は『ひと』の『すがた』をかえてまで『つよく』なるひつようはない」
ルシフェル
- 謎の魔女。ワープゾーンに来たふじたから聖せきを奪い、「ケイジングタワー」にて使い魔をけしかけるも倒される。そこで聖せきをふじたに返し、目的は不明だが彼の仲間になる（仲間にしないことも可能だが、第二章冒頭では合流している）。その後はふじたと共にやまうち達に同行し、ふじたの裏切り後もやまうちの仲間であり続けた。「ちゃいろの聖せき」の所持者。
- イメージに反して武器は剣で、重装備が可能。
- 第2回ヒロイン投票で第1位を獲得した。
- 「ついでにきみの『なかま』になってあげよう！」
かじボーン
- かつて英雄やまうちによって倒された邪悪なモンスター。しかし、かろうじて生存しており、そのことがきっかけで改心し、その後は人の役に立つ「人間」になりたがるようになった。見た目に反してとても礼儀正しい性格。教皇フューネルに導かれて「サンクチュアリ」の試練に打ち勝ち、正義の心に目覚めるも、教祖カノンの反乱に巻き込まれ、フューネルとともに殺された。
- 武器は斧。
- その後（作者のミスだと思うが）ザコ敵として再登場し、やまうち達に倒された（「かじボーン」を種族名と解する説も）。
- たにツクアンケート「第１回主人公キャラ投票」部門で第3位を獲得。
- 「わたくしはついにめざめました！　『ひと』のためにやくにたつ『にんげん』になりたいのです！」
カノン
- セレン教会の若き教祖。「かじボーン編」後半で反乱を起こし、教皇フューネルとかじボーンを殺して聖せきを奪う。その後は教会を後にし、聖せきの力を使って世界を闇で覆いつくそうと目論む。その後、第二章でなぜかやまうち達の仲間になるが、「ボルガノントラップ」の奥地にて裏切り、聖せきの力で「ゼルテュークス」に変身して襲い掛かるも倒された。
- かじボーンの死亡後入れ替わりに使用キャラになる。武器は杖。
- 「くくくくく……　おれは『神』をもこえてしまったのか……」

シルク
- やまうちを狙う刺客。マクダレインと組んで陰謀を企てており、その目的はやまうちの持つ「聖せき」を奪い、英雄になり代わることであった。やまうち城にて倒される。
マクダレイン
- やまうちの側近。シルクと組んでやまうちを裏切り、やまうちの持つ「聖せき」を手に入れようとしていた。その目的は、世界中に散らばる聖せきを12個全て集めて「神」になることであった。「オヴァンレイ」城壁にて、聖せきの力で「ベリアル」に変身してやまうち達に襲い掛かるも敗北する。
- 「ぎんいろの聖せき」の所持者で、後に聖せきはやまうちの手に渡る。
？
- ライナスシティーの住人。グラフィックからして男性。「みどりの聖せき」の所持者だったが、ふじたにあっさり倒され、聖せきを奪われる。「聖せきは英雄のみが持つことを許される」という村長の台詞からすると、彼も英雄的な人物の一人だったようである。
ライナスシティーの村長尊重
- どう見ても王様である村長。「かじボーン城」で倒れていたふじたを助け、「ライナスシティー」に住まわせていたが、ふじたが聖せきを奪ったことを知り、町から追放する。しかし、それと入れ替わりに聖せきを求める謎の男（よしい）に町を襲撃され、最後はショックのあまり気が狂ってしまった。その後の消息は不明。
よしい
- 英雄の一人で聖せきを探す男。聖せき欲しさに「ライナスシティー」を滅ぼした張本人。幹部命令によりふじたを「破壊」するべく襲い掛かり、自身の持つ聖せきの力で「アルスレート」に変身して戦うも敗北する。たまに口調がおかしな関西弁になる。
- 「あおの聖せき」の所持者で、後に聖せきはふじたの手に渡る。
- その後も復活し、（作者のミスだと思うが）「ヴォルガノントラップ」のザコ敵としてやまうち達の前に（しかも複数）現れ、圧倒的な強さと「聖なるしんぱん」でパーティを全滅に追い込んだ。その後「ゲートジェネレイター」にて再び彼らと戦い、倒された。
- 「なんでおれがまけるねん……」
フューネル
- セレン教会の教皇。教祖であるカノンよりも立場が上らしい。教会の掟を破ってまでかじボーンを受け入れた懐の深い人物。「きいろの聖せき」の所持者だったが、カノンの裏切りによって殺され、聖せきを奪われた。
いしまる
- 英雄の一人。「ゲートジェネレイター」の城主で、よしいの仲間。詳しい目的は不明だが「生きる」ために聖せきを欲しており、同じく聖せきを集めているやまうちとふじたを殺そうと画策する。最後は強制ワープによってやまうち達を「ゲートジェネレイター」に呼び寄せ、（なぜかネズミの姿で）やまうち達と戦うも倒される。

アルハザード
- フィーストファの部下で、ふじたの仲間。「ゼファー」に変身してやまうち達に襲い掛かるも、全く適わず倒される。「黒の聖せき」の所持者で、後に聖せきはやまうちの手に渡る。
- 「ばかな！　こいつら『ほんとう』に『にんげん』か！」
ジャスティーン
- フィーストファの部下の一人で、おそらくは変身後の姿。「きんいろの聖せき」の所持者で、後に聖せきはやまうちの手に渡る。
オードリューク
- フィーストファの部下の一人で、おそらくは変身後の姿。「むらさきの聖せき」の所持者で、後に聖せきはやまうちの手に渡る。
フィーストファ
- 黒幕。「オヴァンレイ」の城主で、「だいだいいろの聖せき」「ももいろの聖せき」の所持者。残る聖せきを手に入れようと世界中に部下を放っていた。やまうちはそれを知ったのか彼を倒しにやってくるが、やまうち達が残る10個の聖せきを持ってきたことを利用して、12個の聖せきを同時に使用して「神？」になってしまう。しかし最後には彼らに敗れた。
- 名前も存在もゲーム終盤で唐突に登場したが、おそらく容量の都合なので「誰？」とかいってはいけない。
シルバーザダーク
- 聖せきに封じ込められしもの。本作のラスボス。聖せきの力の源にして世界を滅ぼしうる存在。聖せきを全て集めたやまうち達の力を試す。
- 魔法が一切効かないうえに（核爆弾も効かず）、行動はチート魔法「聖なるしんぱん」しかしてこない。よって攻略法はこちらが全滅するまで物理で殴り続けることのみである。

モンスター

ママースパゲティ
- ミイラの敵。名前はおそらく「マミー」→「ママー」から。
といめいにんげん
- 透明なモンスター。「とうめいにんげん」の打ち間違い。
やきとりくん
- 鳥型の敵。焼けてない。
いちりゅう剣士
- 話しかけると「きえー！」と叫ばれ戦闘になる。痛恨の一撃を連発する強敵。
じゅう王
- グラフィックはガダマンクス。
かんりにん
- 「えいゆうかん」の管理人。飛天御剣流の使い手。「きえ！」
ガチャピン＆ムック
- 蛙と木のコンビ。「何もあってねーじゃねえかよ！」
カエルちゃん＆やみの戦士
- 正当派モンスターの「やみの戦士」が馬鹿みたいに見える組み合わせ。
アヒルちゃん
- アヒルじゃない。
スーパースライム
- すぐ逃げて倒しにくい、はぐれメタル的な敵。
ハイテクロボ
- 「こだいのとうぎじょう」の1回戦の相手。弱い。行動は何もしないか、怖ろしく高い攻撃力で痛恨撃をくりだすかのどちらか。「ブラックマーケット」でも雑魚的として登場。
ホーリーナイト
- 「こだいのとうぎじょう」の2回戦の相手。
ハイプリースト
- 「こだいのとうぎじょう」の3回戦の相手。
オーディーン
- 「こだいのとうぎじょう」の4回戦の相手。「ざんてつけん」をくりだしてくる、FFのオーディンそのまんま。
神りゅう
- 「こだいのとうぎじょう」の5回戦の相手。
魔まどう士
- おそらく誤字。
ガーディアン
- 「かいていしんでん『デ・レ・メタリカ』」を護るドラゴン。強敵な上に何度でも蘇る。

用語

聖せき
- 聖なる石。英雄の印であり、英雄だけが持つことを許されている。12個全てを集めることで「神」になることができるという。色で分けられており、それぞれ、白、赤、銀、緑、青、茶、黄、黒、金、紫、橙、桃色の12色。
英雄
- かつて邪悪なモンスター「かじボーン」を倒し、世界を救った者たち。「やまうち」、「よしい」、「ふじた」、「いしまる」の四人。「えいゆうかん」にて彼らの肖像画が飾られている。
ワープゾーン
- 別の土地へワープさせてくれる装置。使用には対応した聖せきの力が必要。
ごごのこうちゃ
- 本作における回復アイテム。
そせいのは
- 気絶状態を回復するアイテム。ただ、戦闘不能は回復しない。
- そもそもこのゲームは仕様により、戦闘中に戦闘不能を回復させることは不可能である。
かくばくだん
- 単体に3000のダメージを与えるアイテム。使い放題。隠し部屋「ブラックマーケット」でのみ購入可能。
- 本ゲームの仕様上、敵のHPの上限は9999であるため、理論上、三人でこれを使えば与ダメージ9000となり、どんな敵でも2ターン以内に沈めることができる。
聖なるしんぱん
- 単体に9999ダメージを与える魔法。使用者はラスボス・シルバーザダーク、及びよしい。
- 以降、同シリーズのチート魔法として定着した。
雑魚寝の宿屋
- 宿屋なのにベッドがなかったことへの中村のツッコミから。
1G減るピアノ　
- 「オヴァンレイ」の城へ入るための仕掛け。弾くとお金が減ってワープする仕組みらしい。「1Gへった」
かねがなるき
- 「ライナスシティー」の南にある、お金をくれるありがたい木。喋る。「おかねをあげよう！」