ボロディン(Borodin)とは、小説・OVA銀河英雄伝説の登場人物である。CV.池田勝。
なお歴史上にはアレクサンドル・ボロディンほか数名の著名なボロディンが実在するが当記事では割愛する。
物語開始時、自由惑星同盟軍第12艦隊司令官、中将。最終階級元帥(自決後特進)。旗艦は「ペルーン」。
クリーム色で短めの髪をし、紳士然とした熟練の用兵家。
宇宙暦794年、ヴァンフリート星域会戦に参加。
ヴァンフリート4=2周辺で帝国軍主隊と戦闘に突入した第5艦隊の援護としてその後方に展開するも、陣形再編中に更に後方から駆けつけた味方によって狭い宙域内で身動きがとれなくなり帝国軍ともども乱戦にもつれ込む結果となった。ちなみにこの時駆けつけたのは第8艦隊であるとモニターに表示されているが、この第8艦隊、司令官含め他のシーンで一切登場しておらず、また既に第5、第6、第12の三個艦隊が参加している(同盟軍は三個艦隊での動員が多い)、第8艦隊は次の第六次イゼルローン戦にも参加しているなど、色々とこの戦いでの存在が怪しい。
宇宙暦796年、帝国領侵攻に参加。
ボルソルン星系まで進出するも補給を絶たれ、帝国軍の反攻に際しルッツ艦隊の急襲を受け、艦隊は壊滅。
副司令官コナリー少将に残存艦艇が旗艦の他にわずか8隻にまで撃ち減らされたことを伝えられた直後、ピストル自殺を遂げた。戦役終結の後、ウランフとともに元帥号を追贈された。
ウランフと並び称される勇将であり、ヤン・ウェンリーやアレクサンドル・ビュコックにも悔やまれる名将……のはずなのだが、如何せん一番目立つのが自決シーンなので、「この人実は無能じゃね」とか思われていたりする。心外である。
実際の所、ヴァンフリートでの戦いでは『艦隊戦を行うには狭すぎる』宙域で戦闘するにあたり、一旦部隊を後方に下げ再編成、巧妙に両翼に陣形を広げようと試み、ほぼ成功させている。実際には後方からの援軍殺到によって不本意な乱戦を余儀なくされたとはいえ、彼の能力の一端を示すものであろう。
いっぽう彼の能力を語るにあたりしばしば言及されるのは「アムリッツァ前哨戦での文字通りの全滅」である。最終的に「旗艦以下護衛艦8隻」になるまで減らされたことをもって「兵士を無為に死なせた」と糾弾されることもあるが、だがちょっと待ってほしい。
ボロディンの能力が本当に誇張されたものであり、無能ゆえに前途のない戦闘で艦艇を続行したのだとすれば、一万隻を越える正規艦隊が一桁になるまで組織的行動を維持して戦闘を続行するなど不可能であろう。士気の面から見ても、あるいは指揮系統から見ても、半数を切ったあたりでほとんどの艦艇が個々に逃走を開始し、司令官がどれだけ艦隊をまとめようとしてもせいぜいが個艦による散発的な反撃が残るのみとなったはずである。
であれば、むしろボルソルン星域でのあの状況は、初めはルッツ艦隊に対し真っ向から会戦したにせよ、あのように補給を喪い戦力的にも拮抗がいいところの状況では第12艦隊が撃退ないし勝利に至るのは不可能に近く、援軍を期待しようにも駆けつけられる状況になく敗北し、そのため終末段階において旗艦を中心に少数が小惑星帯に篭って遅延戦闘を行い、残存艦隊の多くを撤退させようとして発生した状況ではないかと推察される。
結論としては、最後の自決シーンしか描写がなかっただけで、あるいはウランフ中将の第10艦隊並の戦闘の末に自決の道を選んだ可能性は十分にあるといえる。もちろん彼の能力が誇大評価されている可能性を否定するものではないが、簡単な推察だけで彼への能力評価が正当なものであると十分にいうことが出来る以上、無闇矢鱈に無能扱いするのは避けたほうが良いだろう。
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最終更新:2025/12/12(金) 20:00
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