ボートを用意しろ

ボートを用意しろとは、「METAL GEAR SOLID V:THE PHANTOM PAIN」にてヴェノム・スネークが放った言葉である。

概要を用意しろ

※！ネタバレ注意！※



本項目には「METAL GEAR SOLID V:THE PHANTOM PAIN」の重大なネタバレに溢れています！
以下は自己責任で閲覧願います！！

ＢＩＧＢＯＳＳことヴェノム・スネークが率いるダイアモンド・ドッグズは傭兵部隊であり、その構成員の出自は多様である。かつて敵同士であった者も、ダイアモンド・ドッグズのマザー・ベースに来てからは同じ部隊の仲間である。

その中に唯一の裏切り者が居た。

エメリッヒ博士-かつて国境なき軍隊にてヒューイと呼ばれていた科学者であった。
彼は理由や目的はどうあれ、スネークや仲間たちを裏切る行為を重ねてきた。

作中終盤ダイアモンド・ドッグズの中で裁判が行われた。多くのスタッフはエメリッヒの死を望んだ。
その判決としてスネークはエメリッヒの追放を命じた。

「ボートを用意しろ。一人乗りでいい」

「仲間じゃない」

罪状を用意しろ。

• 物語の９年前、「国境なき軍隊＝ＭＳＦ」のメンバーだった当時、ＩＡＥＡ（国際原子力機関）による核査察を独断で受け入れる。（越権行為、外患誘致）
  しかし、それは偽の核査察でその正体は非正規諜報機関「サイファー」の実行部隊「ＸＯＦ」による奇襲作戦だった。
  結果、「ＭＳＦ」は壊滅、スネークは９年間の昏睡状態に陥り、カズヒラ・ミラーは右手左足を失う重症を負う。その他多数の犠牲を生む。しかもそれはＸＯＦ指揮官スカルフェイスに身柄を保障され行ったことだった。
  余談だがこのＭＳＦは前々作「ＭＧＳＰＷ」にてプレイヤーが築いた部隊であり、その基地である。前作「ＭＧＳＶ：ＧＺ」のクライマックスにて崩壊するＭＳＦマザーベースや散っていくスタッフを見て多くのスネークが憤怒の炎を燃やしたという。
  （「僕は核を持つことに反対だったんだ。」「偽の核査察だなんて知らなかったんだよ」）

• 「子供達の質問に答えただけ」といいつつ、少年兵たちの武装蜂起の援助をする。（内部紛争幇助、生物テロ）
  今の立場が納得いかないのか、ただの善意なのか。イーライ率いる少年兵たちがサヘラントロプスを修理できるようにした。
  この結果、（重要なネタバレ）核兵器であるサヘラントロプスはダイアモンド・ドッグズの手を離れ、また多くの人間が話すであろう英語話者だけを殺害する英語株の声帯虫が野に解き放たれてしまった。（ネタバレここまで）

• 自らの子供をメタルギア開発の為の実験台にした。（児童虐待）
  サヘラントロプスは直立型二足歩行兵器でもあった。その姿勢制御に用いるＡＩを小型化したは良い物の、コックピットが小さくなってしまった。そこでエメリッヒ博士は自分の子供＝ＨＡＬ（後のオタコンと思われる）をコックピットに入れ実験台にした。当時のＨＡＬは大きくても４歳児である。
  （「あの子が乗りたがったんだ！」）

• 上記に対して、ＨＡＬの母親が反抗したので間接的に殺害。（殺人（親族）、死体遺棄）
  子供を実験台とする凶行に対し、母親であるストレンジラブが反抗。ＨＡＬをエメリッヒから遠ざける。これに怒ったエメリッヒはニカラグアから引き揚げたピースウォーカーのレプタイルポッドにストレンジラブを閉じ込め、ストレンジラブは窒息死した。また、その遺体はダイアモンド・ドッグズに発見されるまで放置されていた。
  さらに当初、ストレンジラブの死因は「スカルフェイスに殺された」とし、復讐としてスネークたちが生き地獄を与えたスカルフェイスに対し勝手にトドメを刺し「仇をとったぞ！」と白々しく叫んでいた。
  （「あいつが勝手に入ったんだ！」「そうだ！アレは事故だったんだよ！」「あれは自殺だ！僕がやったとしてもお前たちに何の権利がある！」）

• 変異型声帯虫を隔離塔内で蔓延させる。（生物テロ、外患誘致）
  エメリッヒは管理塔内に運び入れる機材を提供したが、そこから大量のベータ線が漏出、声帯中とそこに寄生するボルバキアが変異し、生物汚染が発生。多数の犠牲者が出る。（重大なネタバレ）感染を食い止める為、感染者は全員生きたまま外に出すわけにはいかないので外に出た者はナパームで焼かれる羽目に。また感染者内の何人かはプレイヤー＝スネークが自ら手を下さねばならない。これは居心地が悪くなってきたダイアモンド・ドッグズから再びサイファーに着くための手土産として開発した生物兵器であった。（ネタバレここまで）

まともともなのは言い訳だけか・・・？

• 上記の罪状という事実のみであれば、スネークたちの行いは行き過ぎかもしれない。だが、エメリッヒは上記罪状について責められたとき、見苦しい言い訳をした。また、自分の事は棚に上げて周囲のダイアモンド・ドッグズスタッフを批判する。

• 「どうして僕だけが！」
  ９年前の事件に関して。サイファーに通じていたＭＳＦスタッフは何もヒューイだけではない。副指令たるカズヒラ・ミラーも通じていた。だが、それらと違うのはエメリッヒ博士のみが疑われるのは「無傷で」「ＺＥＫＥ以上の研究成果を得て」「脚を手に入れ」「美人と子供まで作りやがって」「何も失っていない」からである。
• 「元はと言えばスネークが悪いんだ」
  偽の核査察に関しての言い訳。ＰＷをプレイした人には分かるだろうが、彼は賛成していた。また、核査察の事以外で責められていても、核査察に話題をすり替え、このセリフを吐く。
• 「君たちはただの悪者なんだよ！」
  声帯虫を蔓延させ被害が出た後、多くのダイアモンド・ドッグズスタッフに詰められた際に出た発言。
  自らを正当化し、保護され、中にはかつての仲間もいるはずなのにこの言葉である。
• 「僕だって仲間なんだ」「目を覚ましてくれ。　君たちがしているのはただの人殺しだ」
  上記の台詞の直後にこの独り言である。しかも自分が二人も手にかけている事を棚に上げている。
• 「まともなのは僕だけか……！？」
  追放時の台詞。薄っぺらい道徳観を傘にして自分の為に周りを裏切り続けてきた男の主観。

追放

数々の裏切り行為とそれらを裏付ける言動を重ね信頼を失ったエメリッヒにスネークが下した罰は追放だった。

「そうだ、奴は敵だ、仲間じゃない。仲間じゃないからこそ、俺たちには裁けない。ただ、マザーベースは降りてもらう」

一人用のボートに僅かな水と食料を与えられ、エメリッヒは最後まで薄っぺらい嘘と言葉を叫びながらインド洋を一人漂っていった。命よりも大事と称した脚まで捨てて…。

カズヒラ・ミラーは「ああいう奴は死なない」と評し、
オセロットは「人は”誰でも”自分に生き方が返ってくる」
と未来を予想したかのようなコメントを残した。

その後

エメリッヒ博士のその後についてはＭＧＳ２で語られている。
後に再婚するも、後妻は息子のハルの方が好みだったらしく、そちらと肉体関係を結ぶ。それを知ったエメリッヒは絶望し後妻の連れ娘、エマと無理心中を図り、死亡する。

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関連項目

• METAL GEAR SOLID V:THE PHANTOM PAIN