ロシア連邦軍とは、ロシア連邦の軍事組織である。装備や組織の大部分(勿論、核兵器も含む)はソ連崩壊後に旧ソビエト連邦軍から継承しており、規模だけなら世界有数の軍隊である。
90年代はソ連崩壊の影響をもろに受け、瀕死の状態まで追い込まれていたが原油高騰による好景気で幾分かは持ち直してきている(それでも台所事情はかなり厳しいらしい)。
最高指揮官は各国の軍隊同様、大統領であるが軍を統括しているのはロシア国防省である。
現在は陸軍、海軍、空軍の3つの軍種と空挺軍、戦略ロケット軍、宇宙軍の3つの独立兵科を傘下に持つ。
総兵力は2008年当時で約113万人。
国防予算は年々増加しており、1999年当時で950億ルーブル(約40億ドル)だった予算は10年後の2008年には約9600億ルーブル(約400億ドル)と約10倍に達している。
但し、これでも慢性的な予算不足に悩まされているようである(後述)。
旧ソビエト連邦軍は冷戦時代には約530万人の大兵力を誇り、米軍に唯一対抗できる軍隊として名を馳せていた。だが、ソ連崩壊後は経済不況や政治的混乱による予算不足、軍規の著しい乱れにより弱体化の一途をたどり、第一次チェチェン紛争では軍の弱体化の様を世界に露呈(上層部の判断ミスにより特殊部隊であるスペツナズが敵に降伏したり、陸空軍のお粗末過ぎる連携不足等)する結果となった。
その後の悲惨すぎるロシア連邦軍の現状は語るのが辛くなるほどのもので最早、崩壊寸前にまで追い込まれていた。
その後、奇跡的な復活を遂げたロシア連邦軍であったが、肥大化し時代にそぐわなくなった組織をスリム化するために現在も改革が行われている。
主な改革は次の通り。
1、「カデット」と呼ばれる強い愛国心を持った士官候補生を養成するための学校をロシア全土に建設。
2、軍事物資の調達を行う部門の民営化。
3、兵力自体を約80万人程度にまで削減し(但し、40~50万人まで削減するべきとの意見もある)、徴兵制から
契約制への移行。
上記3つの改革を主に行っているが、兵力削減に関しては理由は不明だが現在は中止されている。
現状の問題を上げるときりが無いので主要な問題・懸案事項を羅列する。
1、慢性的な予算不足
勿論、最悪の状態からは脱しているものの、現状の規模からすれば予算は全く足りていない。以前のように給料の不払いという状況は改善されているものの全体的な待遇は劣悪であり将軍クラスでさえ安月給に甘んじている。この事が後述する犯罪に関する問題の原因となっている。
2、部隊内でのいじめ
ロシア以外の軍隊(勿論、自衛隊も)でも隊内のいじめ問題はあるが、ロシア連邦軍では深刻なレベルに達しており、脱走の大きな原因とも言われており、公式発表では2002年の前半だけで2000人以上が脱走している(但し、実際にはその10倍とも言われている)。また、いじめに伴う自殺も確認されており早急な解決が望まれる。
3、徴兵制に関する問題
ロシアでは18~27歳の男性に2年間の徴兵義務が課せられているが、地方の農村部に住む貧困層で教育レベルの低い若者が選ばれる傾向が強い。これは都会に住む裕福な高学歴の若者が健康上の理由や大学で行われる軍事教練(因みにプーチン首相の息子もこれを受けて兵役を逃れている)を選んだり、代替勤務を選んだり、軍関係者に賄賂を贈ったりしているためである。
最も真に問題なのが徴兵される人間の質の低さであり(あくまで軍人としてのである)、大抵の者がアルコール中毒や薬物中毒、過去に補導・逮捕の前科があったり医療措置が必要なほどな健康問題を抱えていたりするのである。
4、軍による犯罪
恐らくはこれが一番深刻な問題である。前述した予算不足による深刻な安月給が影響してか上級幹部から下っ端の将兵に至るまで犯罪に手を染める者が後を絶たない。主に兵器や食料の横流しから新兵に対する恐喝などありとあらゆる犯罪が横行している。特に予算を管理する部門は不正の土壌となっていて、現在でも改善は行われていないという。
因みにロシア製携行式地対空ミサイルが2002年だけで数万台が行方不明になっている事を覚えておいてほしい。
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最終更新:2025/12/10(水) 11:00
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