アニマルチェンジ!!
動物戦隊ゴーバスターズとは、もしかしたら2012年2月26日から2013年2月10日までテレビ朝日系列で放送されていたのかもしれない、スーパー戦隊シリーズ幻の第36作目である。
ところどころにある不自然な空白は、Vシネマ『帰ってきた特命戦隊ゴーバスターズVS動物戦隊ゴーバスターズ』のネタバレを含んだ記述です、注意してください。
概要
西暦2012年、新エネルギー「エネトロン」によって、さらなる発展を続ける世界。
すべての動物を抹殺し、機械だけの世界を創造しようと目論むキカイ帝国メカリアスが、突如として人類を襲撃し、世界は滅亡の危機に陥る。
その最中、エネルギー管理大学付属農業高校の若き教育実習生・桜田ヒロム、熱血体育教師・岩崎リュウジ、秀才女子高生・宇佐見ヨーコは、教頭の黒木タケシによって秘密基地に案内される。
実は彼らこそは、黒木がこの日のために集めた、メカリアスに対抗する正義のヒーロー、動物戦隊ゴーバスターズだったのだった。
かくして3人は、事務員・陣マサトと共に、動物の力をその身に宿し、メカリアスとの戦いに身を投じていく。
動物愛護の魂をこめて、戦え、動物戦隊ゴーバスターズ!!
登場人物
動物戦隊ゴーバスターズ
キカイ帝国メカリアスから動物達を守るために戦う正義の戦士。それぞれが、特定の動物の力を身に宿しており、まるで動物のような能力を発揮して戦う。
腕に装着したモーフィンブレス?で、「アニマルチェンジ!!」の掛け声と共に変身する。
- 桜田ヒロム(20歳)/レッドチーター
本編の主人公で、明るく正義感の強い好青年。エネルギー管理大学付属農業高校の教育実習生。ゴキブリが苦手。教師として働いている間はグレーのスーツに赤いネクタイ、私服のときは、チーターのワッペンがついた赤いジャケットを着ている。
まがりなりにも教師の卵のはずだが、化学式を間違えて書いてそれを生徒であるヨーコに指摘されるという残念な体たらくを見せる。当初は生意気な彼女と衝突してばかりだったが、第5話で和解して以降はだんだんと距離が縮まっていき、途中アツシとの三角関係にもつれ込んだものの、最終決戦では互いの手を取り合って奮起するなどかなり親密な仲になった。
変身時の名乗りは、「大地のハンター、レッドチーター!」 。チーターのような俊敏で獰猛な戦い方を得意とする。また、体が炎に包まれたチーターの姿になることも出来る。
「メサイア」の暴走が起きなかったため、両親も姉も健在。学校に初めていく時には両親が見送ってくれていた。姉はもう仕事に行っていたということでここでは登場しなかったが、後にまさかの追加戦士として登場した。
- 岩崎リュウジ(28歳)/ブルーゴリラ
3人の中では最年長で、エネルギー管理大学付属農業高校の熱血体育教師。常に竹刀を持ち歩いているおっかない人物。寒さに弱く冷え性で、服の裏に常に大量のカイロを貼っている。教師として働いているときは青いジャージ、私服のときは、ゴリラのワッペンが付いた明るい青色のジーンジャケットを着ている。
変身時の名乗りは、「林のウォーリアー、ブルーゴリラ!」。 その名の通り、パワフルな攻撃力を活かした戦い方をするが、高いところから降りる際にバランスを崩したりと、フットワークは悪い。
本編では一貫してクールないいお兄さんキャラを演じてきた馬場の、がむしゃらな熱血演技が魅力的。特に道明寺アツシの殉職シーンでは、ヒロム役の鈴木と共に、悪ノリとしか思えない絶叫を見せ付ける。
- 宇佐見ヨーコ(16歳)/イエローバスター(イエローラビット)
エネルギー管理大学付属農業高校2年B組の女子生徒。頭がいいが生意気かつツンデレな性格で、当初は失敗を繰り返すヒロムを舐めきっていた。また、体重を気にしており、お菓子を食べたがらない。普段は学生服だが、戦隊として出動するときには、ウサギのワッペンが付いた白いジャケットと、黄色いショートパンツを着る。
初登場は、ヒロムと道端で衝突しかけ、その後教室で再会するというフラグじみたものだった。第5話「深まるキズナ」で命を救われた際に和解し、いい関係になっていくが、一時はアツシにも惹かれたために、面倒くさい三角関係が戦隊内に出来てしまった。第49話では殆ど恋人同然と言っていいほどの絆を見せた。
変身時の名乗りは、「野原のジャンパー、イエローラビット!」。ウサギのようなジャンプ力を活かしたトリッキーな戦い方をする。
- 陣マサト(40歳)/ゴールドビートル
黒木の元同僚で、エネルギー管理大学付属農業城戸高校の事務員(管理作業員)。とにかくおっさん臭く、普段は腹巻に股引といった格好で学内をうろついており、彼の数メートル圏内では、慣れないと表情が苦悶にゆがむのを抑えられないほどのきつい加齢臭が漂っている。七輪で魚を焼きつつ日本酒を煽るという、おっさんを通り越して爺臭いシーンも疲労した。
戦隊として行動するときには、西部劇のカウボーイのようなジャケットと帽子に身を包む。帽子には、カブトムシのバッジが付いている。
黒木の計画の内容を知った上で学校にいた人間の一人で、やがて来る戦いに備えていた。
変身時の名乗りは、「樹木のリーダー、ゴールドビートル!」。
本編世界の彼は、亜空間に本体を封じられたアバターであるため老けていないが、今作の彼は真っ当に年をとっている。また、動物戦隊の世界での彼とJは追加戦士ではなく、初期メンバーである。
- ビート・J・スタッグ/シルバースタッグ
陣が家の前で拾ったバディロイド。ただの作業用ロイドであるはずなのに、なぜか自我を持っている上、ゴーバスターズへの変身能力を持つ。エネトロンと樹液が好物で、他人によく被るのが特徴。胸にクワガタのアクセサリを下げている。
変身時の名乗りは、「樹液のドランカー、シルバースタッグ!」。
チダ・ニックと共にパラレルワールドからやってきた存在であるため、本編世界と同一人物。エネトロンと樹液にしか興味がないせいか、死後の世界にあっても「エネトロンをくれ」とぶれず、「(周りがどう変わろうが)俺は俺だ」といって、パラレルワールドで暮らしていくことに何の違和感も抱いていない。また、なぜか動物戦隊への変身や名乗りをしれっとこなしていた。最後に2つの戦隊が終結した場面では、両方の名乗りに参加するという欲張りな一面を見せた。
- 道明寺アツシ/グリーンヒポポタマス
第15話「吹き荒れる緑の新風」で登場した6人目の戦士。カバの力を身に宿している。変身時の名乗りは、「湿地のスイマー、グリーンヒポポタマス!」。
ヨーコは彼に一目ぼれしており、ヒロムと彼女の間で心ならずも面倒くさい三角関係を作ってしまう。
第37話「さらば! 緑の風!」にて戦闘中に重傷を負い、殉職した。死亡退場したメンバーは、アバレキラー以来9年ぶり。 演じるのは鈴木達央。ニックの声を演じた藤原やゴリサキの声を演じた玄田は、それぞれが演じるバディロイドと共演していたが、彼だけは単体での出演となった。
- 桜田リカ(27歳)/ピンクキャット
第28話「敵か!? 味方か!? 謎の女戦士!」で登場した7人目の戦士。女性追加戦士は、『炎神戦隊ゴーオンジャー』のゴーオンシルバー以来4年ぶり2人目。ピンク色の髪が特徴。ヒロムの姉だが、ヒロムの方は、彼女が普通に働いているとばかり思っていた。
ヒロムの精神的な甘さを指摘し、ヨーコがアツシと接近していることをからかう一面も見られた。
変身前の姿しか登場しないため、変身後の姿や名乗りは不明。ただ、最終決戦には一応参加していた。
- 黒木タケシ/ブラックピューマー
エネルギー管理大学付属農業高校の教頭で、ゴーバスターズの司令官。普段は毒の薄い、いかにも教頭先生然とした男だが、司令官として活動する際には、サングラスにちょび髭に軍服というちょっと危ない格好になる。なぜかいつも腰に果物を下げており、またりんごをよくかじる。
元々はエネルギー管理部にいた人間であり、当時の人脈と技術を使い、メカリアスの襲撃に備えていた。
第38話「新たなる力! 黒き疾風」にて、アツシ/グリーンヒポポタマスの穴を埋める形で8人目の戦士として参戦する。変身時の名乗りは、「夜中のウォーカー、ブラックピューマー!」。なぜか背景がアメコミ調になる。
おそらく一番悪ノリしているキャラクター。本編エンディングでなぜか一番ダンスノリノリだったりもしたが、そういったレベルではないぶっ飛んだ演技が見られる。榊氏のスケジュールの都合なのか、なぜか最終決戦にいない。
- 森下トオル
- 仲村ミホ
共に、エネルギー管理大学付属農業高校の実習生で、戦隊出動時には本部でナビゲーションを担当する若者。彼らを含め、学校の教師達は、ヒロムたちを除いた殆どがメカリアスのことを知っており、初襲撃時には黒木の指示で迅速に行動していた。
この2人は本編とそんなに変わっていない。
バディロイド
ゴーバスターズと行動を共にする作業用ロボ。当初は学校内での飼育動物の世話を中心に働いていたが、メカリアス襲撃と動物戦隊ゴーバスターズ結成に伴い、人格を付与された。
ニック、ゴリサキ、ウサダの3体は、それぞれの中の人が顔出しでも出演している。
- チダ・ニック
桜田ヒロム=レッドバスターの相方のチーター型バディロイド。バイクに変形し、ヒロムを乗せて走る。なぜか人格を付与される前から、自我を持っており、初対面であるはずのゴリサキやウサダ、リュウジやヨーコを知っているかのようなそぶりを見せる。
動物戦隊の世界の誕生のキッカケとなった存在であり、Jと共に本編世界からやってきた存在。つまり本編の彼と同一人物。最終的には、アザゼルに勝つ為の手段として動物戦隊と特命戦隊を引き合わせて協力することを思いつくが、アザゼルを倒した後にタイムパラドックスが生じてしまうことまでは考えてなかったようだ。
- ゴリサキ・バナナ
岩崎リュウジ=ブルーバスターの相方のゴリラ型バディロイド。落ち込みやすく、すぐ謝る気弱な性格で、リュウジをいつも心配している。
- ウサダ・レタス
宇佐見ヨーコ=イエローバスターの相方のウサギ型バディロイド。気が強くワガママで、ヨーコとはケンカばかりしている。
- ビート・J・スタッグ/シルバービートル
上記参照。
ゴーバスターズの関係者
- 桜田ヨウスケ・ミチコ
ヒロムの両親。教育実習生として学校へ出かける彼を見送った。
キカイ帝国メカリアス
作中の敵組織。地球上のすべての動物を抹殺し、世界を機械だけの世界にしようと企む。
怪人はみんな、外見からしてメカっぽい。 普段は人間大の姿をしているが、オイル注入することで巨大化する怪人もいる。
- 女帝トランジ・スター
メカリアスの女王。ボスなのに一番人間っぽい姿をしている。常に鞭を持っている。第49話「動物戦隊よ! 永遠に」でゴーバスターズと直接対決する。
見てくれは完全にエスケイプ。
その他
- 神様
死後の世界に待っているとぼけた神様。見てくれは完全にエンターだが、正真正銘の神様。
2012年に死んだ者100万人目に当選(?)したニックの願いをかなえてくれた。
どんな無茶なことでもかなえてくれるが、アザゼルを倒すなどの願い事は、例え相手が悪役といっても人殺しなのでかなえてくれない。
装備・施設
装備=バスターギア
正式名称が劇中では殆ど説明されないため、それぞれ名前は便宜上本編と同様のものとしている。
- モーフィンブレス
ヒロム・リュウジ・ヨーコ・アツシ・黒木が変身に使うブレスレットで、左腕に装着する。各々が体に宿した動物を象徴するポーズをとりながら、「アニマルチェンジ!!」の掛け声と共にスイッチを押すことで、変身する。
- イチガンバスター
ビームガン。レッドチーター・ブルーゴリラ・シルバースタッグが腕を組み、その上にゴールドビートル・イエローラビットが立つというアニマルクラッシュフォーメーション・ゴーバスタータワーを組んだ状態での5人一斉射撃で相手を倒す。
- モーフィンブラスター
ゴールドビートル及びシルバースタッグが変身に使う携帯電話(スマートフォン)型バスターギア。
- ドライブレード
ビートバスター及びスタッグバスター共通の武器。 ハンドルモードからブレードモードに変形可能で、ハンドルはバスターマシンを操作する時に使う。
- ゴーバスターボール
黄色いボール。イエローラビットが用意し、ゴールドビートル→シルバースタッグ→ブルーゴリラの順でパスをまわし、最後にレッドチーターが「アタック!」の声と共にスマッシュを敵に決めるという技に使用する。
『秘密戦隊ゴレンジャー』の必殺技・ゴレンジャーストームへのオマージュがあふれる技だが、「アタック!」という掛け声はゴレンジャーハリケーンにも似ている。というかゴレンジャーストームそのまんまだ。
- アニマルバズーカ
大型ブラスター。レッドチーターがかまえ、他の4人がそれを支えるという発射態勢で使用する。第49話でトランジ・スターを倒した。
巨大ロボ
オイル注入を行い巨大化したメカリアス怪人に対抗するための兵器。エネルギー管理大学付属農業高校の動物飼育所の地下にあるカタパルトから出撃する。
操縦席は密林になっており、内部に登場したゴーバスターズの体の動きに連動して戦う。『ジャンボーグA』に似た操縦方法である。
- ゴーバスターアニマル
ニック・ゴリサキ・ウサダがオペレーションマシンとなって起動する巨大ロボ。初期はレッドチーター・ブルーゴリラ・イエローラビットの3人で操縦していたが、後に他のメンバーも搭乗する。乗っている人間の数によってパワーが変動するようで、アツシが退場した直後の戦闘では敵に追い詰められた。必殺技は、ゴーバスターアニマルインパクト。
- タテガミライオー
黒い体に青い鬣が特徴的なライオン型ロボット。ブラックピューマと共に登場した。戦闘時には鬣が回転し、口から火炎を放射する。ブラックピューマーが腰に下げた果物を、操縦桿らしき木に「ジャキーン!」という掛け声と共にセットすることで、ゴーバスターアニマルとの合体が発動する。
- ゴーバスターアルティメットアニマル
ゴーバスターアニマルとタテガミタイオーが合体した究極ロボ。必殺技は、パーフェクトアニマル斬り。
エネルギー管理大学付属農業高等学校
ヒロム達が働く高校。一般の高校のような校舎に加えて、動物飼育用に、東京エネドーム6個分の広大な敷地を持っており、馬や羊、鶏など多様な動物を飼育している。
教頭である黒木の指示の下、メカリアスに立ち向かうための改造が施されており、緊急時には、戦隊メンバーのデスクが、職員室から司令室へと移動する。また、メカリアス対策がなされているのは設備面だけでなく人的な面も同様であり、教師の殆どは、メカリアス襲撃を知っていた。
司令室は、職員室からリフトを使って移動する。司令とオペレーター2人のデスクが設置された、いかにも秘密組織の司令室、といった感じの部屋だが、壁にツタが貼っていたり、通常時はモニターにひたすらサバンナの動物達の姿が映っていたりと、動物愛護の精神に満ちている。
主題歌
- 「動物戦隊ゴーバスターズ」
唄:山形ユキオ
作詞:下山健人 作曲:Raizo.W 編曲:中畑丈治
同じく動物を題材とした『百獣戦隊ガオレンジャー』のオープニングテーマを担当した山形が、11年ぶりに戦隊のオープニングを担当することになった。
『非公認戦隊アキバレンジャー』のオープニングにも参加しているが、割愛。また、劇中では1番までしか流れないが、ちゃんと2番もある。
キャスト
レギュラー俳優・声優
- 桜田ヒロム/レッドチーター(声):鈴木勝大
- 岩崎リュウジ/ブルーゴリラ(声):馬場良馬
- 宇佐見ヨーコ/イエローラビット(声):小宮有紗
- 陣マサト/ゴールドビートル(声):松本寛也
- ビート・J・スタッグ(声)/シルバースタッグ(声):中村悠一
- 道明寺アツシ/グリーンヒポポタマス(声)/ウサダ・レタス(声):鈴木達央
- 桜田リカ/ピンクキャット:吉木りさ
- 黒木タケシ/ブラックピューマ(声):榊英雄
- 森下トオル:高橋直人
- 仲村ミホ:西平風香
- トランジ・スター:水崎綾女
- チダ・ニック(声):藤原啓治
- ゴリサキ・バナナ(声):玄田哲章
- ナレーション:宗方脩
- 神様:陣内将
スタッフ
- 原作:八手三郎
- 監督:加藤弘之
- 脚本:下山健人
- アクション監督:福沢博文
- 特技監督:佛田洋
関連動画
関連項目
- 特撮作品一覧
- スーパー戦隊シリーズ
- 海賊戦隊ゴーカイジャー(前作?)
- 獣電戦隊キョウリュウジャー(次作?)
- 特命戦隊ゴーバスターズ
- 帰ってきた特命戦隊ゴーバスターズVS動物戦隊ゴーバスターズ
| スーパー戦隊シリーズ |
| 前作 |
今作 |
次作 |
| 海賊戦隊ゴーカイジャー |
特命戦隊ゴーバスターズ
動物戦隊ゴーバスターズ
|
獣電戦隊キョウリュウジャー |
外部リンク
解説
もちろんこの項は冗談である。
Vシネマ『帰ってきた特命戦隊ゴーバスターズVS動物戦隊ゴーバスターズ』に登場するパラレル戦隊であり、謎の敵アザゼルによってゴーバスターズが全滅した際、前述した神様に何でも願いをかなえてやるといわれたニックが、「メサイアの暴走がなかった世界」を願った結果生まれたパラレルワールドでの戦隊である。
劇中では、架空のオープニングはもちろん、まるで本当にシリーズが存在したかのようにいくつかのエピソードをダイジェストで紹介したりと、非常に凝った作りで展開する。
辛い過去を背負った登場人物たちがもし平和な世界に暮らしていたら……という、少なからぬファンが抱く想像をかなえるばかりか、最後にはそれらが共闘するという夢の競演まで実現するなど、1本のVシネマとしては異例なほどに力が入った作品である。
