千葉県のYさんとは、終身名誉橘万里花の旦那である。
千葉県のYさんの名前が初めて世に出たのは、2013年に行なわれた、漫画『ニセコイ』の1周年記念人気投票だった。
この人気投票では、1位と2位はダブルヒロインである小野寺小咲、桐崎千棘がワンツーフィニッシュし、3位はツンデレ男装サブヒロインの鶫誠士郎が獲得。一方、ポジション的には「第3のヒロイン」であるマリーこと橘万里花は、つぐみんの後塵を拝す4位に終わった。
ところが注目は順位自体よりも、一緒に掲載されたマリーのコメントに集まった。
「私一人に1500票手書きで送ってくださった、千葉県のYさんに特別な感謝を…」
マリーの得票総数2694票のうち、実に6割近くを一人で投票し、マリー直々に感謝の言葉をもらったこの「千葉県のYさん」の溢れるマリー愛に、ニセコイファンの多くが驚愕した。
ちなみに、3位のつぐみんの得票数は2982票、5位の宮本るりは971票。すなわち、仮にYさんの1500票がなくてもマリーの順位は変わらず4位で、彼の票は順位に影響がなかったという微妙に悲しいオチがついている。とは言え、それでYさんの愛に傷がつくわけではないのはもちろんである。
そして迎えた第2回人気投票。ニセコイファンの注目は当然ながら「果たして千葉県のYさんは今年もマリーに大量票を入れるのか?」であった。ファンどころか公式も明らかに千葉県のYさんを意識しており、人気投票告知の記事ではマリーが「千葉県のYさん、今年もお待ちしておりますわ!」と名指しで投票を呼び掛けていた。前代未聞の個人への選挙活動である。
1年の間にマリーへの愛は冷めていないのか。その結果は……。
小野寺さんが前回4893票→5110票と微増、千棘が4338票→4341票とほぼ横ばいに留まる中、何とマリーだけ2694票→4518票と激増。つぐみんどころか千棘をぶち抜き、小野寺さんに次ぐ2位に躍進するという快挙を成し遂げた。そして結果発表ページの煽りには「沢山のご応募有難うございました!!(特に千葉県のYさん!)」の文句。Yさんは今回もやってのけたのである。
さらには千葉県のYさん自身も19位にランクインし、読者が人気投票にランクインするという前代未聞の結果になっており、この結果に、多くの人が「Yさん凄すぎる」「もうマリーはYさんとくっつくエンドでいいんじゃないか」と呆れ賞賛を送っている。
第2回では、小野寺さんに投じた千葉県のFさん、るりちゃんに投じた熊本のKさんなど、さらに投票がヒートアップしているらしく、すべて「手書き」である彼らの腱鞘炎を防ぐという理由で、運営は彼らが投じた票数の公開は控えた。
その後、アニメでマリーが登場するたびに視聴者がYさんYさんと騒いだりしていたが、しばらくはニセコイの人気投票もないしYさんの出番もないだろう……と思いきや、ニセコイと全く関係ない『ワールドトリガー』の人気投票で、再びYさんの名前が登場する。
何故か、「千葉県のYさん(ニセコイの有名ファン)」が27票を獲得し、90位にランクインしていたのである。Yさんは漫画のキャラでもないのに、2作品にまたがって人気投票にランクインするという快挙を成し遂げたことになる。なお、ワールドトリガーは複数投票を排除し、1人1票のみで集計した「単数得票ランキング」も同時に発表したが、こちらでもYさんは5票を獲得していた。バカは1人じゃなく5人いたらしい。
むろん、この件についてはYさん本人は何の関係もなく(さすがに自分で自分に投票はしないだろう)、その他の読者の悪ノリである。既にニセコイやマリー云々を離れ、「人気投票」に対する定番のギャグになりつつあるのかもしれない。どこまで続くかはわからないが。
「ニセコイ」のスマホアプリ「ニセコイマジコレ!?」の万里花のランキングで、千葉県のヤマモトさんが1位となり、千葉県のYさんではないかと話題になっていたところ、ニセコイ公式Twitterがとあるつぶやきをした。
ニセコイマジコレ!?育成日記:昨日からローンチした万里花のランキングを見ていたら。1位が、千葉県…?ヤマモト…?ウッ頭が…〈担当〉 pic.twitter.com/aGpCp7azMV
公式が拾ったことにより、千葉県のYさんは千葉県のヤマモトさんである可能性が高くなり、人気投票だけではない本物の愛で人々を驚愕させた。
2015年の3周年記念人気投票は過去2回と趣向を変え、キャラクターではなく好きな話を選ぶエピソード人気投票となった。さらに過熱する投票争いに配慮してか、投票ハガキへジャンプ本誌に付属する投票券を貼るのが必須の「投票券制」を導入。複数票を投じる場合は1票ごとに1冊のジャンプを買わなければならず、さすがのYさんもそこまでの大量投票は難しいのではと思われた。
迎えた結果発表。何とマリーが主役を務めた第97話「オネガイ」が1204票を集め、2位の第47話「ホンバン」(930票)に300票近い大差をつけて首位を獲得した。結果発表の煽りには「千葉県のYさんには重ねて御礼申し上げます」という謝辞が躍り、公開されたYさんの票数は800票超。総得票数5879票のうち、15%はYさんのものであった。ついにYさんとマリーは頂点を掴んだのである。
先述の通り投票券制を採用したこの人気投票では、1票ごとにジャンプ1冊(250~260円)とハガキ1枚(52円)のコストがかかる。Yさんは投票のために800冊以上のジャンプを購入し、25万円前後の巨費を投じた計算になる。千葉県のジャンプが極度の品薄に陥ったのではなかろうか。
そして訪れたマリーの誕生日である。千葉県のYさんもこの日を楽しみにしていただろうと言うことは容易に想像がついたが我々にできるのは精々家でグッズを囲んでお祝いでもしているのだろうと想像するのが関の山だった……
しかし、千葉県のYさんはその想像をはるかに超えてきた。
「先月のマリーの誕生日に月の権利書と花束が届いた。Yさん…!(感涙)」(作者)
原作者に月の権利書と花束を贈ったのである。頭おかしい。つまり、原作者を通じてマリーに誕生日プレゼントを送ったということであるのだが……現に月の権利書自体は2700円から買えるが、人気投票に25万ものジャンプとハガキを買ったYさんが相当なえぐい量の土地を買ったことは容易に想像がつくであろう。なんという愛だ。もう結婚してしまえ。
2016年の誕生日も誕生日プレゼントが届いた。今年は花束の他に、特注のガラスの靴が届いたのである。Yさんのマリー愛は今年も変わらなかったということか。
しかし、そちらに資金を使った影響か、人気投票ではYさんからは一票も入らなかった。その結果、1623票で4位に転落。とはいえ、誕生日プレゼントのことを誌面で紹介された他、誕生日プレゼントの花束と靴を身に付けた状態で描かれた。また、この票数を見ればわかる通り、Yさん以外の人からの得票数も着実に増えていることがわかる。
また、千葉県のYさん自身は前回と変わらず19位。Yさん自身の人気は変わりなかったということか。
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最終更新:2025/12/11(木) 18:00
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