反存在(the opposite; anti-existence)とは、主に日本のSF作品などで使われる用語である。
反存在の定義は作品によって様々だが、通例ある存在と反対の性質あるいは属性を持つ対象を指して反存在と称する事が多い。また定義上では双方にとって片一方が反存在となる筈だが、劇中では専ら片方のみ(次項における後者)を反存在と呼ぶ場合が多い。これはある存在を主体としてその対抗者、カウンターバランスとしての存在意義を与えられているが故に一種の舞台装置的な役目を担うことになるという部分に依る所が大きい。
また劇中で反存在という呼称はされていないものの、それに準じる役割を果たす事になる存在は数多くあり、例として戦術シミュレーションRPG『タクティクスオウガ』に登場するキャラクター、ヴァイス・ボゼッグが挙げられる。彼は主人公デニム・パウエル扮するプレイヤーの取った選択肢に拘らずそれと相反する行動をとるように設定されており、デニムに対する反存在としての役割を備えたキャラクターである。
個人的なものに限らず、チームや組織団体に対して反存在に相当するものが用意される事も多い。SFCソフト『美少女戦士セーラームーン ANOTHER STORY』にはオポシティオ戦士というオリジナルキャラクター群が登場し、主要キャラクターである内部太陽系戦士の五人と対蹠的な性質を持った敵対者として描かれる。
類似したものとして、キリスト教には「反キリスト」(antichrist)という概念がある。この概念が、こういった創作物における「反存在」というアイディアの誕生に間接的に影響を与えた可能性もある。
またそのキリスト教を始めとする諸宗教の原型となったと言われるのがゾロアスター教で、善神アフラマズダと悪神アーリマンの二元的対立を背景とする教義はまずユダヤ教に取り入れられ、マニ教やグノーシスを経てキリスト教やイスラムの教義にも強く反映されている。
地球に対してその反存在とも云うべきもう一つの地球が存在するという説が古代ギリシャからあり、アンチクトン(αντιχθον; antichthon: chthonはギリシア語で大地を意味し、またそれを司る神の名前)と呼ばれていた。
太陽系における反地球の存在は天文学的には否定されているが、もう一つの地球という概念は現代でも小説などのテーマとして盛んに使われており、特にジョン・ノーマンの『ゴル』(Gorean Saga; 並行宇宙に存在する反地球「ゴル」が舞台)シリーズが代表格で、1966年からスタートし2016年までの半世紀の間に34作品が世に出ている。また日本の漫画作品などでも反地球をテーマにしたものは多く作られており、著名漫画家によって題材に使われている。
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最終更新:2025/12/11(木) 23:00
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