地蔵行平(刀剣乱舞)

地蔵行平(刀剣乱舞)とは、ブラウザゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』に登場する刀剣男士である。

イラストレーター：石商　/　CV：深町寿成

概要

オン カカカ ビサンマエイ ソワカ。それがすなわち、地蔵行平。
地蔵菩薩の加護を背負いし刀剣の名……

（刀帳）

---

平安時代末期から鎌倉時代前期の刀工、豊後国行平の打刀。
地蔵菩薩信仰が盛んだった頃に、地蔵行平は複数本存在したと思われる。
また、この時代の刀剣は大蛇（おろち）である。
地蔵と大蛇、対極の姿を与えられてなおすべてを救おうと彼はもがく。

（公式Twitter）

刀種は打刀。刀派は豊後国行平。

2020年4月28日からのイベント「特命調査　慶長熊本」にて、古今伝授の太刀(刀剣乱舞)と共に実装。
初出は4月24日に公開されたムービーで、シルエットでの登場となった。その後、イベント開始後に情報解禁されている。

ポストを読み込み中です
https://twitter.com/TOUKEN_STAFF/status/1255791600808026112

色素が薄く細身の青年（青年と少年の中間？）。
アシンメトリーの髪型で、左部分は刈り込みと三つ編みをしている。「七つ繋ぎ鱗」を思わせる青い模様がこめかみや首筋などに入っており、眼は金色。一人称は「吾（われ）」。
戦装束は黒を基調としたセーラー風で、同色のマントを羽織り、打刀としては初の短パン姿。左耳のピアスは地蔵菩薩の錫杖に寄せていると思われる。
内番衣装は肌の露出を抑えた、白を基調とするジャージ。派手な印象のある古今伝授とは似ながらも対象的。
紋は地蔵菩薩が持つ宝珠と光背を合わせたものか。

最大の特徴として打刀と太刀、二振の本体を同時に持っており、これは刀剣男士の中でも類を見ない仕様となっている。詳細は後述。

本イベントはやや趣を異とする導入で始まり、熊本城に入ってから登場。
「細川家に咲く一輪の花」の「花守」である事が古今伝授の口から語られ、歴史改変された慶長熊本にいる筈のないその人物を「姉上」と呼び、彼女を捕らえようとする者から守ろうとしている。これは歴史を守るという刀剣男士の使命から明らかに逸脱した行為であり、古今伝授が本丸に向けた入電は、余人に気取られる事なく所縁ある刀剣男士に助力を願う為の符牒だったことが伺える。
「姉上」を奪還しようとするキリシタンから彼女を庇い、熊本城本丸御殿・昭君之間まで逃げ延びるが、そこで追いついてきた刀剣男士らと遭遇。追い詰められた地蔵は古今伝授の制止も空しく刀を抜くが……その後の顛末については、是非その目で御覧頂きたい。

イベント終了後、報酬として確定入手。以後周回により稀にボスマスドロップでの入手が可能となる。
なお顕現時の台詞は初回と２回目以降から変わっており、自らのした事には自覚がある模様。

あまねく慈悲の化身である「地蔵」を名に持つ通り、「命あるもの全ての救済」を願い、淡々とした物言いで想いを吐露する。複雑な形で顕現した自分の在り様についても冷静に受け止めており、また本丸の仲間入りをした後でも「姉上」への想いは残っている様子。
一方で一口団子をあげれば「なんと、地藏に供え物ということか」、花見では「桜地蔵……」と呟くなど、意外とお茶目な所もある。

仏の道にある刀であり、戦は万事において好む様子がない。
攻撃時に唱える「悪業消滅」「諸横消滅」は『地蔵菩薩本願経』に由来する「二十八種利益」である。真剣必殺では「これに加護はない！」と宣言、刀剣としての本領を発揮する。

Lv20で特にランクアップ。

所縁ある古今伝授のほか、江雪左文字(刀剣乱舞）との間にも回想が発生。
刀である彼らに限らず、人もまた悩み悟りを求める事を語り、「地蔵菩薩そのものになろうとしているのですか」という問いに対して「そうあれかしと望まれた」と告げている。

来歴

平安時代末期～鎌倉時代前期の刀工、豊後国行平作の太刀。

豊後国（現在の大分県）の人だったが、元暦元年(1184年)に罪に問われて上野国（現在の群馬県）刀祢庄に配流されたと『日本国釼冶銘』にある。異説では相模国（現在の神奈川県）由比ガ浜だったとする説も。
銘は「豊後国行平」または「行平」が多く、変名も使用した。伯耆安綱と並び鎌倉時代初期を代表する刀工に数えられ、後鳥羽上皇御番鍛冶にも数えられている。

二振の太刀が御物となっており、うちの一振は東宮（皇太子）に相伝され、もう一振は「備前国長光御太刀」と共に「昼の御座（ひのおまし）の御剣」に数えられている。
これは天皇が昼に出御される清涼殿の御座に安置された御剣であり、古くは神功皇后の代より様々な御剣が守りとして置かれていたものである。

キャラクター造型として「太刀と打刀の二振を持つ」という点においては、「地蔵行平」と呼ばれる刀が複数存在する事に由来していると思われる。

細川忠興伝来

元は足利将軍家に伝来した刀で、六代将軍・足利義教が所有していた。経緯は不明だが北条氏綱へと渡り、地蔵菩薩が刀身に彫られたという。
更にその後、詳細は不明だがこの刀は細川忠興の手に渡り、その後忠興の岳父である明智光秀の手に渡った。これについては茶人・津田宗及の日記に記録があり、天正9年（1581年）4月12日、丹後国（現在の京都府）宮津城にて忠興が茶会を催し、光秀とその息子２人を招待、その際に贈られている。
後に光秀は本能寺の変を起こし、これにより盟友・縁戚にあった細川幽斎・忠興と袂を別つ事となる。回想で地蔵が古今伝授について「吾はあやつを裏切った」「二度とそなたを裏切りたくない」と発言するのは、特命調査での出来事のほかにもこうした経緯が影響しているのかも知れない。
その後の時期や経緯も不明ながら、徳川将軍家に献上。明暦3年（1657年）の「明暦の大火」により焼失、『享保名物帳』の焼失之部に名前が残されている。

高松宮家伝来

皇族・高松宮家に伝来した太刀。
元は有栖川宮家の刀で、江戸時代から大正時代にかけて存在した宮家である。しかし大正に入り、10代威仁親王が男系後継者を持たず薨去した事で断絶した。
威仁親王は皇太子時代の大正天皇の教育係（東宮輔導）をつとめており、帝は大きな恩愛を覚えていた。同家の断絶を忍びなく思い、当時8歳の第三皇子・宣仁親王に高松宮の号を与える事を決める。有栖川宮家の祭祀や財産は高松宮に継承され、その中に行平の太刀もあった。
昭和16年（1941年）に重要文化財指定を受け、現在は東京国立博物館に所蔵されている。
なお本作は「手に宝珠を持った菩薩」が彫られている事から地蔵菩薩と考えられているが、異説として不動明王説、役行者説、毘沙門天説なども唱えられている。

これとは別に、重要文化財指定を受けた、名古屋市博物館所蔵の行平の太刀にも地蔵の彫物がある事から「地蔵行平」と呼ばれている。現在問合せ中なので判明次第追記

モチーフである地蔵菩薩については、「全ての命を育む力を宿す大地」を意味し、地獄・餓鬼・修羅などの六道をめぐり、衆生の苦難を身代わりに受け、救済する菩薩として信仰されている。
日本でも広く信仰され、特に民間信仰では「お地蔵様」として祀られている。「身代わり地蔵」「子安地蔵」としての伝承も多く、民話においては「傘地蔵」など、心正しきものに報いる姿も描かれている。

関連動画

関連項目

• 刀剣乱舞
• 刀剣男士
• 古今伝授の太刀(刀剣乱舞)：同じ刀派・回想が発生
• 歌仙兼定(刀剣乱舞)：細川家所縁・イベント回想が発生
• 小夜左文字(刀剣乱舞)：細川家所縁
• 篭手切江(刀剣乱舞)：細川家所縁
• 松井江(刀剣乱舞)：細川家所縁
• 江雪左文字(刀剣乱舞)：回想が発生
• 細川忠興・明智光秀：元主
• 細川ガラシャ：「姉上」