将軍暗殺篇とは (ショウグンアンサツヘンとは) [単語記事]

将軍暗殺篇とは、漫画『銀魂』における長編エピソードの名称である。

概要

『銀魂』は基本的にギャグメインで1～3話完結の短編が中心の漫画だが、時折シリアスな長編が描かれる。
その長編の1つが、原作の第五百二訓から第五百二十四訓までに亘って描かれた、この「将軍暗殺篇」である。
また、それら長編の中では全二十三訓と2015年7月までは最長のものであった。

殿中で第14代征夷大将軍徳川茂茂が一橋派の何者かによって暗殺されそうになる。
しかし、猿飛あやめによって無事阻止されるが、一橋派の過激派が殿中内部までに及んでいることを危惧していた。
コンビニに来ていた服部全蔵は猿飛から将軍暗殺計画を阻止するために御庭番衆が再招集されたことを知る。
近くにいた坂田銀時は、全蔵に『週刊少年ジャンプ』をかけてじゃんけんをしようとするが、全蔵がそんなそぶりを見せず、また、再招集に従うわけでもなく、どこかへ去っていくことに唖然とする。

後日、朝廷の加護を仰ぐために茂茂を京まで護送するよう、真選組は松平片栗虎から伝えられる。
また、依頼で来ていた万事屋や全蔵以外の猿飛たち御庭番衆とともに、陸、空、海それぞれに分散して将軍京まで護送することとなる。
それぞれに将軍の影武者も配置し、どれが本物の将軍なのかをかく乱させていた。

一方、一橋喜喜は何かを画策していたが、現将軍と勘違いされ、神威にボコボコにされてしまいその場を退場させられてしまう。
高杉晋助率いる鬼兵隊と神威率いる春雨第七師団は一橋派と結託して将軍襲撃を画策する。

そして、将軍を京まで護衛する真選組、万事屋、再集合した御庭番衆と、一橋派と結託していた鬼兵隊と春雨の両者が激闘を繰り広げることとなる。

この長編では、ある衝撃的な展開から将軍の今まで明かされなかった秘密が明かされる。
また、銀時や高杉の過去、吉田松陽を実際に殺した人物が明らかになる。
さらに、結末では『銀魂』史上最もといえる悲劇や変革が起きる。
その余波は第五百二十五訓以降の後日談（「さらば真選組篇」）にも続き、第五百二十五訓以降ではさらなる衝撃的な展開が発生し、シリアスな展開やクライマックス的な展開が現在もなお続いている。

「一国傾城篇」以上に『銀魂』においてかなりの節目となったであろう長編であり、『銀魂』内の歴史が最も動いたといえる長編でもある。

テレビアニメにおける「将軍暗殺篇」

テレビアニメでは2015年12月～2016年1月に放映。
第300話～第307話が「将軍暗殺篇」にあたり、「吉原炎上篇」とならび全8話というアニメシリーズにおいて最長のエピソードとなったが、続けて放送された「さらば真選組篇」が全9話とさらに長くなった。

2015年11月3日に大々的に発表され、「将軍暗殺篇」のキービジュアルも公開された。
また、レギュラーの万事屋3人の声優のコメントも発表される、2015年11月11日の放送後には予告が放映される（テレビ東京の公式サイトでも構成が違うものの公開される）、専用のCMが流されるなど、異例の事態となった。
放送開始直前の2015年12月1日では、あのディズニーアニメ『スター・ウォーズ　反乱者たち』の中間CMの尺のすべてを「将軍暗殺篇」の予告に使うほどであった。

2015年11月3日（東京会場）の「ジャンプスペシャルアニメフェスタ2015」においてその予告が放映され、本放送第3期3クール目（2015年10月～2015年12月）のEDでは、2015年12月から以下のような変更がなされることが明らかになった（実際にEDとして放映され、ED直後に虚が登場した）。

ボスラッシュの最後の高杉晋助の次に吉田松陽が追加（このとき坂田銀時の背すじが若干動く）。
黄色のクナイに将軍が追加。
途中で神威の目が開いて妖笑へ変化、同時に神楽がうつむく。

また、予告映像に虚も登場したため、「さらば真選組篇」も続けて放送される可能性が当時示唆されたが、『一夜づけ』で特集が組まれ、実際に続けて放送されている。

2015年11月25日にはテレビ東京およびバンダイナムコピクチャーズの公式サイトが「将軍暗殺篇」仕様のものへ変更され、長尺（1分）の予告が公開された。

OPは途中から「将軍暗殺篇」の戦闘シーン仕様となり、OP最後のロゴは「将軍暗殺篇」専用ロゴに変更され、EDは前述の変更に加え、ED最後のロゴ部分は右に「将軍」、左に「暗殺篇」の文字が加わり、全体が血しぶきの仕様に変更された。
OPとEDの変更点の詳細は関連動画を参照。
なお、上記は3クール目（2015年10月～2015年12月）のOP、EDの変更点であり、4クール目（2016年1月～2016年3月）はOP、EDそのものが変更されている。

そのほか、アイキャッチもBGM含めて「将軍暗殺篇」専用仕様となり、サブタイトルコールや予告のサブタイトル表示はサブタイトルの直前に「将軍暗殺篇　一」のように「将軍暗殺篇」として何話目かを示すような仕様に変更された。

以上も含め、本編ももちろん、すべてを通してかなり力の入れられた演出となっている。

長編としては初のクールまたぎをし、「吉原炎上篇」（全8話）とならんでアニメシリーズ最長の長編となった。
また、OPとEDをそれぞれ2つずつ有する初の長編であるが、特殊EDなどについては未定である。