志村けんのだいじょうぶだぁとは、かつてフジテレビで放映されていたコメディ番組である。通称は「だいじょうぶだぁ」
1987年に放映が開始されると、たちまちに人気となり、志村けんの人気を不動のものにした番組である。
形式としてはショートコントであり、ネタもドリフ以来の日常をテーマとしてる事が多い。しかし、メインの志村けんの本物と見間違えるばかりの演技と脇を固める田代まさしと桑野信義、特に息がぴったりな石野陽子(現:いしのようこ)との掛け合いは見るものに笑いの渦を与え、人気を博していった。
この番組の最大の特徴は志村けんをはじめとした、各々のキャラクターの性格なり扮装が強烈であった事である。例えばもはや説明不要の変なおじさんは志村の願望を具現化したものであり、ぱっと見は変態であるがその姿の破壊力に誰しも抱腹絶倒したことであろう。
番組の流れとしては「コント30分→クイズ15分(なんだろな、なんでもねーよ)→人間ルーレット5分→ゲスト歌手の歌5分」であった。無論、多少のズレはあれど概ねこのような感じであった。
また、時代がバブル全盛期と言う事もあり、人間ルーレットの景品も非常に豪華であった(例:ココ山岡のダイヤモンドリング・ハワイ旅行・ステレオコンポなど)
かくして、1980年代後半から1990年代前半の志村けんの黄金期を代表した同番組であるが、次第に裏番組に視聴率を食われていき、さらにレギュラーの松本典子らが卒業をして、次第に勢いが衰えていった。
1993年、だいじょうぶだぁは最終回を迎える。後番組は「志村けんはいかがでしょう」である。
ゲストは多数に及ぶので、ちょくちょく出ていた者やインパクトの強いものを特に記した。太字のゲストは特に強烈な印象を残す。
これまた数が多いので、代表的なものやインパクトの強いものを書く。なお、特徴としてある程度のテンプレートがあるので、話の流れが掴みやすいのが特徴である。
概ね、放送開始後に行われる舞台形式のコント。志村扮するばあさんと、田代扮するじいさん、孫役の松本の3人で織り成すお約束ギャグの詰め合わせである。前半は田代のフリに対して志村がとんちんかんな答え、もしくはボケをぶちかまし、孫が脇を抑える流れであるが、後半部分は松本のボケを田代と志村が突っ込み、その話題を収拾しようとする田代に対して、パントマイムを用いて志村が蒸し返すのが流れとなっている。
志村けんの十八番であるばあさんコントの究極である。行動や言動がどこかとぼけているひとみばあさんがマッサージ師役やキャディ役で、客役の田代を散々振り回す形式となっている。「ンフンフンフ…」と喘ぐので、それを咎められて呼吸できなくなったり、ゴルフのクラブを選ぶのに観光案内になったりと、視聴者にはぼけてるのか本気なのかわからなくなってしまう。なお、ひとみばあさんにはモデルがあるようで、志村けんもこのコントが特にお気に入りであるようだ。
柄本明と志村けんの売れない芸者の時事ネタ中心の愚痴の言いあいであるが、しみったれた金の貸し借りの言いあいになるのが流れとなる。このコントは志村がツッコミ役となる事が多く、柄本の、狂気に満ちた存在感に食われてしまうことが多い。柄本自身は本職は俳優であるが、このようにコメディもこなせるということであるが柄本は志村としかコメディはやらないと公言してる。
あらゆるシチュエーションのドラマ仕立てのあと、最後に都はるみの「好きになった人」で落とす形式のコント。これで「好きになった人」を知った小学生は多いはず。汎用性が高いのであらゆるコントのオチで使用された。
元々はハナ肇とクレイジーキャッツの持ち歌である。その踊りを志村以下、レギュラー陣が様々な格好に扮装して踊る形式となった。そのうち、視聴者からの投稿も増えていった。まさにだいじょうぶだぁの人気を裏付けるものである。
志村と石野の夫婦コントである。志村が5時に出張なりゴルフなりということで寝るのだが、石野が色々な事をつぶやきながら、志村に一喝され「ご、ご、五時!?」と聞き返すのが大まかな流れである。そのうち、石野がふてくされて「私のこと愛してないのね」といい、志村がなだめたりする。そして就寝するものの今度は志村のおかしな寝言に石野が一喝し、逆に石野の寝言に志村が一喝する。そして寝付いてもすぐに朝を迎えるというオチである。
口癖が「デシ!」な男のコントである。どうみても池沼要領のわからないデシ男が様々なことに挑戦するものの、要領が大変によろしくないので、しっちゃかめっちゃかにして、首にされるオチである。ネタ的はともかく、容姿や行動が危険水域である。
「~はいいよなぁ、うん…」と言いながら、講釈たれたり、相手の持ってるものを色々拝借したりする。どうみても変質者なので、最後には逃げられるオチである。
その名の通り、ぼけたじいさんの志村が「陽子さんよぉ~、飯ぁまだか?」といい、嫁の石野が「さっき食べたばかりでしょ」と返すと「さっきから、ばあさんの姿がみえねぇんだけど」と志村が返す。石野は「おばあちゃんは3年前に死んだでしょ」とまた返し、その問答の繰り返しのネタである。番組内ではばあさんに扮する機会の多い志村だが、このコントではめずらしくじいさんを演じている。なお、このコントにはモデルがあり、志村の亡父が事故にあったためコントよろしく同じような問答を繰り返すレベルの認知障害となった経験がモデルであるという。
志村と田代がヒッピー風のDJに扮して、最初に田代がうまく決めるのだが、志村のチョイスがよろしくないので全然空気の読めてない選曲になってしまうオチである。最初のタッチで外してみたり、お互いに向かい合わせにならない、志村のチョイスにあわせて踊ったり、オチもそれになぞらえてるなど、結構小ネタが多い。放映初期に見られたコントである。
志村扮する博士と田代扮する助手の織り成すコントで、ステレオタイプの博士な志村の服装は何故か下にズボンをはいていない。作るものは割かし実用的なので、本物の天才なのかもしれないが人体実験とか無茶やらかすと残念な結果のオチとなる。なお、発明品を起動させるにはスイッチを使うのだが、スイッチを入れる際に軽くステップ踏み気味に入れるのがミソである。発明品の名前は特徴をそのまま言う身も蓋もないものである。なお、同じ時期はとんねるずが同じコントをやっていた。
みんなのトラウマ番組中期から放映された内容。基本的には無言ということなので、セリフは一切でない。内容は基本的に別れがテーマなことも多く、悲劇に終わることが多い。この話に時間が裂かれる事が多く、宗次郎のオカリナが悲壮感をより高めている。これはそもそも志村が「人をわらわせるならば、泣かせるのも簡単」ということから始まったものである。無論、それまでの雰囲気から一変してるのと基本悲劇なので、とてもでないが見てられないと思った人も多いはず。但し、オチで救われるケースもある。
志村けんの代表的なキャラクターである。変なおじさんは志村の願望を具現化したものであり、容姿や行動はいわゆる変質者に近い。但し、番組初期においては現代まで知られるラクダシャツに股引ではなく、普通の服装もしていた。大まかな流れは女性にあの手この手でちょっかいを出そうとして、田代に見つかり、踊って顔で落とすというパターンである。但し、一度も相手にされなかった時はガン凹みしてたようで、構ってちゃん的なところも見られる。
色んなものに変装をしているが、変装だけではなく例えば絵画の顔が変なおじさんだったとか、ぬいぐるみに化けてたとか、とにかく何にでも変装できる事に定評がある。その中でも注目されるのが寅さんパロディでゲストに倍賞千恵子、つまり「本物のさくら」を迎えて、セットも非常に作りこんだものとなっている。余程気に入ったのか、後述するとおり変なおばさんとして登場している。
このようにあの手この手でちょっかいを出そうとしてる変なおじさんだが、時として下手なホラー顔負けの恐怖で言い寄る場面もあり、また汎用性も高いので前述のシリアス無言劇のオチとして用いられたこともある。
変なおじさんの派生キャラとして変なおばさんと言うもある。こちらは研ナオコ、一度だけ倍賞千恵子が扮しており、これも非常に強烈なキャラクターである。なお、変なおじさんの歌は「ハイサイおじさん」からヒントを得ている。
コントが終了すると、CMをはさんでクイズコーナーとなる。ここではあらゆる種類のクイズを出題する。主なテーマとしては「方言クイズ」や「リアクションクイズ」である。志村と田代、松本が司会をし、レギュラー回答陣に石野、渡辺、桑野とゲストの4人でクイズに望む。それぞれ回答をするのだが桑野だけはへんちくりんな答えでぼけるのがお約束である。
抽選で当たった観客が参加するルーレットで針が人間である。抽選の際に志村がぼけるのがお約束である。様々な商品があり、ケンちゃん賞とマーシー賞になると旅行などの景品であった。その他にもウォークマンであったり、ココ山岡の宝石など、時代が反映されていた。
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最終更新:2025/12/15(月) 04:00
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