捨て艦とは、ゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」において、一部の艦を捨て駒として使う戦法のこと。
艦これは基本的に大破した状態で次のマスに進んだ場合に限り、次の戦闘において轟沈する危険があるとされる。
1隻も轟沈を出さないためには、誰か一人でも大破が出た時点で帰投し、入渠して回復させた後に再チャレンジをする必要があるため、毎回ボスまで辿り着けるとは限らない。
本来想定されているであろうゲームの攻略法としては、「支援艦隊などを出して道中の敵を速やかに殲滅し、被弾の確率を減らす」「上手くいくまで出撃するための資材を十分に備蓄しておく」などがあるが、発想を逆転し、「沈んでも構わない艦を混ぜて出撃する事で、大破しても帰らないで済むようにする」と言う手法が一部で考案された。
これが考案されたのは、2013年秋イベント「決戦!鉄底海峡を抜けて!」のE-4「アイアンボトムサウンド」海域。
この海域は上記リンク先のイベント記事内の項目でも解説されている通り「支援艦隊がほぼ役に立たない」「道中夜戦ばかりでどの艦を使っても等しく一撃で大破する」などの要員が重なり、高レベルの大型艦で慎重に進軍する事に殆ど意味を見出せない海域となっていた。
この海域を攻略するため、艦隊6隻のうち3~4隻を1-1あたりで拾ってきた適当なLV1駆逐艦で埋め、そいつらは大破しようが轟沈しようがお構いなし、沈んだら困る本命に大破が出た場合のみ帰投する、と言った方法で大破撤退率を下げる方法が考え出された。
なお、道中の撤退率がいくら下がろうとも、戦力にならない艦を増やしてボスを倒せなくなってしまっては本末転倒なのだが、艦これには「割合ダメージ[1]」と言うシステムがあり、道中は本当に弾避けにしかならないが、ボス相手だといくらかの戦力として期待できる・・・という背景があったのも、捨て艦戦法を後押ししていた。
捨て艦の亜種として「バイト艦」と言う用法がある。
補給艦関連のデイリー・ウイークリー任務を消化する場合、一番手ごろなのは2-2や2-3に出撃することだが、ここは4-3や5-4に比べると経験値もそう多い訳では無いので、高レベルの重巡や戦艦を出してもレベルはさっぱり上がらない代わりにカスダメでも長時間の入渠を要求され、効率が悪い。かと言って駆逐艦クラスだと高レベルでも運が悪ければ相手を倒しきれなかったり大破して帰ってきたりする。
ここで、余っているレベル1の重巡や戦艦を使い、大破したり燃料弾薬切れで使い物にならなくなるまで戦闘させ、使えなくなったら新品に交代して解体するという手法がある。重巡戦艦クラスなら未改造Lv1でも、2-2や2-3程度なら何とか勝負になる。
このやり方だとそもそも補給や入渠をしない[2]のでコスト的なロスが極めて少なく、それでいて解体で得られる資材は瀕死でも新品でも変わらない。
さらに、人によってはこれを轟沈するまで使い倒す事もある。
既に大破している艦を轟沈覚悟で出撃させても殆ど攻撃能力がないため効率が悪い、というより殆ど意味が無いのだが、燃料弾薬を消耗しきる前に早々と大破してしまった艦だとわざと轟沈させる場合がある[3]。
他のバイト艦が使われる場面としては、1-1キラ付けのお供がある。
遠征に出す艦隊にキラ付けする時、高難度海域に出撃する艦隊にキラ付けする時などは、キラキラを付けたい1隻のみで1-1に出撃して2マス目まで進んで戻ってくるという手法が一般的である。
理由は敵が弱く数も少ないから[4]なのだが、いかに1-1と言えど何だかんだでカスダメを貰ったりしてダメージは蓄積していく。一軍の高レベル戦艦などではこのカスダメだけでも入渠に5時間とか鋼材100とか使わされてしまう事もある。
このコストを抑える工夫としてもバイト艦が使われる。
使うのはレベル1の駆逐艦(ちょうど1-1周回で大量に手に入る駆逐がそのまま使える)。キラ付けをする主力の邪魔をしない弱い艦を使う事で、キラ付けをしたい艦に確実にMVPを取らせられる状態を維持すると共に、狙われる確率を半分以下に下げる。
燃料が無くなって出撃できなくなったら次の新品に交代。ただしこちらの場合は轟沈するまでは使わず、大破した時点で交代の場合が多い(元が駆逐なので轟沈させても燃料弾薬の回収が殆どなく、交代させる要員はいくらでも手に入り、そして戦闘の途中で轟沈されると以降の敵の攻撃が集中してしまうため)。
当然ながら、捨て艦戦法に対しては否定的な意見が多数存在する。
「艦」とは言うものの、艦これにおいてはただの船ではなく人間と同様の外見を持ちセリフも与えられた女の子になっているため、これを見殺しにする前提のプレイ方法は非常に多くのプレイヤーが強い抵抗感を覚える。ドラマチックな別れがある訳でも何でもなく、単なる弾避けの消耗品として使うのだから尚更。
特に、全ての艦娘に轟沈の際の「今わの際のセリフ」が設定されており、勇猛に戦って満足して散る艦娘もいるが、悲痛な叫びを残して沈んでいく艦娘もいるため、轟沈と言う話題自体が多くの提督に嫌な思いをさせる。
バグや不正ツールを使うのとは違い、正当なプレイの範疇なので「とやかく言われる筋合いはない」と言う人もいる。
実際、捨て艦を行ったとしても、ゲーム内での直接の交流要素がない艦これでは、外部コミュニティで自分が言わなければ知られる事はないため、他人に嫌な思いをさせる事はない。当然運営に罰せられる事もない。
ただし、交流の場で「捨て艦をやった」と発言すれば、捨て艦を推奨しないまでも話題に出しただけでほぼ100%非難を受けるので、もしやるのだとしても自分の心の中だけに留めてコッソリやろう。
余談だが13秋イベント当時、2chの艦これ本スレがこの捨て艦戦法の話題でとても荒れた時期があったが、そんな時ある一人の住人がスレのログの「捨て艦」と言う単語を「ア○ルバイブ」に置き換えたtxtを唐突に投下した。それが何故か住人に大ウケし、しばらくの間捨て艦を捨て艦ではなくア○ルバイブと呼ぶのが流行った事がある。
艦これ界隈の薄い本関係以外の話題で「ア○ルバイブ」と言う単語を見かけたら、だいたい捨て艦のことだと思って間違いない。
時は流れて現在では、この捨て艦戦法が有効とされる海域はあまり存在しない。
ルートの分岐条件が「ランダム」および「特定の艦を編成に含んでいるか否か」だけだった13秋当時と違い、「索敵値が一定値を超えているか否か」で判定される箇所が増えたためである。
捨て艦を3隻以上含んでいる艦隊でこれらの索敵値条件を満たす事は非常に困難であり、無理に満たそうとしても捨てる艦にあまり安くない電探や索敵機を持たせないといけないため、「轟沈しても構わない艦」と言う前提が崩れてしまう[5]。
また、13秋E4を捨て艦が考え出されるほどの難関足らしめていた「道中全部夜戦」「ボス戦が夜戦スタート」と言う構成の海域はそれ以降一切登場していないため、どの海域も支援艦隊などで工夫する余地がある。
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最終更新:2025/12/13(土) 19:00
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