日本ユニセフ協会とは、日本の特殊財団法人である。
ボランティア団体の一つであり、国連UNICEFの支部ではない。
(ただし後記する通り、国内委員会として"UNICEF"の名を冠するための協定は正式に調印している。)
募金活動や街頭キャンペーンなどを通じて日本や発展途上国の人権擁護やその啓発活動を行っている。
国連直属の機関である国際連合児童基金=UNICEFの日本支部というわけではなく、協力関係にある別々の団体である。日本国内において、国連UNICEFのための募金・寄付を宣伝する唯一の国内委員会として国連に認可されているだけである。
例として日本ユニセフ協会大使として活動しているアグネス・チャン氏や日野原重明氏は、国連UNICEF本部の大使ではない。日本人の国連UNICEF親善大使は黒柳徹子さんただ1人である(後記参照)
要するに、寄付金の75%以上を国連UNICEFに寄付とする約束すれば、"UNICEF"の名を冠する国内唯一の団体創設が各国に認められている[1]、ということである。これは日本ユニセフ協会に限らず、他国のユニセフ協会も同じ条件である。
当然、ボランティア活動を行うのも当然人間なので霞を食いながら生ける訳でない。寄付した金額の数%は団体の運営費としていくらか使われるので、「募金とは宿命的に100%全ての額が支援される側に届くわけではない」という前提がある。
日本ユニセフ協会についても、日本赤十字社のように「副業」していないため、全額寄付できる能力がない。[2]
日本ユニセフ協会は公式HPにて、自発的に自らの財務支出報告と国連UNICEF財務収支報告も行っている。
UNICEF本部のadvocatesのページ(英語)にアグネス・チャン氏の名前が明記されているため、彼女も国際ユニセフ大使だと説明する論者がいるが、誤りである。
"advocates"は「代弁者」「支持者」を意味する。日本ユニセフ協会は宣伝の為に「日本ユニセフ協会大使」を創設した。現在、アグネス・チャン氏と日野原重明氏[3]の2名を任命している。
ただし各国のユニセフ協会大使が任命した大使も、「国内委員会大使」として国連UNICEF本部も認定されている。そのため、公式HPに「代弁者」として名前が記載されている。
国連のユニセフが任命している国際的な大使(ambassador)は、「国際UNICEF親善大使」と呼称される。現在日本人では、黒柳徹子氏唯一人[4]である。
なお余談だが、アグネス氏と同じく香港出身の俳優ジャッキー・チェーン氏や韓国人スケート選手のキム・ヨナ氏、イギリス人のベッカム氏なども「国際UNICEF親善大使」である。[5]
advocates/ambassadorと、名称に違いはあるが、活動内容にあまり差異はない。
国連UNICEF本部の支部としてUNICEF東京事務所がある。ただしこの組織は、日本及び韓国政府・国連UNICEF本部間のパイプ役として機能する[6]。
公的機関のみの窓口であり、民間のUNICEF窓口は日本ユニセフ協会に一任している。
※日本ユニセフ協会と関連組織に不信感を抱く方は、あなたが信頼できる他の機関を通して募金してください
疑惑が多いボランティア団体と指摘する人から、
別名「日本ユ偽フ」「日本ピンハネ協会」という文言で揶揄・罵倒されることがある。
日本ユニセフ協会が「悪名高き募金サギ団体」などと指弾する人々の理由に
「日本ユニセフに寄付しても連中の取り分をチョロまかされて(=ピンハネして)、全額が困っている人たちに届く訳じゃない。でも真の国連大使・黒柳徹子氏に渡せば全額を届けてもらえる!だから日本ユニセフは儲けを考えた悪徳企業だ!『ユ偽フ』め!!!」
東京の一等地に豪華なビルを建てるのはおかしい。ボランティア団体であるなら、もっと身を切り、貧相に活動すべきである。
などとボランティア団体としての正当性を問う論旨がある。
また、
アグネス氏は莫大な資産を持っており、自分の財産を寄付するべきである。また中国共産党の工作員であり、歴史認識問題では反日である。また中国国内の人権侵害には、まったく言及しない。このような人物が関係する団体に募金すべきでない。
などとアグネス氏の人物像や中国共産党との癒着を批判し、陰謀であるとする者もいる。
ただし上記のような批判内容[7]について明確な根拠は明示されていない。
2009年2月、日本ユニセフ協会は公式サイト上で「アグネス・チャン氏をソマリアに派遣し、内戦で犠牲となっている子供たちの支援活動を行う」と発表。これについてアグネス氏も、「遺書を書きました」等と自分が参加する企画がいかに危険であるかをアピールしていた、とされる。
しかし、その後、日本ユニセフがアグネス氏を派遣したのは、ソマリア南部のモガディシオをはじめとする内戦激戦地ではなく、北部の安全な地域「ソマリランド共和国」[8]のみだとが判明した。ソマリア南部の内戦地帯には派遣していないことが発覚した。
このため、「”遺書を書いた”などとあからさまに危険性を吹聴しておきながら安全な地域しか訪問させないのは欺瞞ではないか」「”内戦の被害に遭っている子どもたちを救う”と言っておきながら、内戦と関係の無い安全な地域だけを訪問させたところで何の効果もないのではないか」など、様々な議論を呼んだ。
この件について、大きな話題となったため、問題視した週刊新潮が2010年3月に日本ユニセフ協会に事実関係を取材。(アグネス氏本人にも取材を行ったが、日本ユニセフに問い合わせて欲しいとの回答しか返ってこなかったという。)
この時の日本ユニセフ協会からの回答は以下のものだ、とされる。
「貴誌で本件をお取りあげになられた場合、記述の<事実誤認に基づく誹謗中傷>がネット上などで行われている現状も鑑み、その反響次第では、本信ならびに〇〇様(新潮記者のこと)のご質問の文面を当方ホームページなどで公開させていただく所存です。予めご了承ください」
日本ユニセフ協会からの上記回答文について、週刊新潮は2010年3月25日号の記事内で、「これって、脅し?」とコメントした。また批判者からは「人権擁護を目指す団体がメディアを脅迫するとはいかがなものか」「疑問だらけの自称人権団体がついに開き直った」などと様々な反響を呼んだ。
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最終更新:2025/12/11(木) 20:00
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