「末次由紀」とは、1992年に講談社からデビューした後、他の漫画家の作品をトレースした事で漫画家生命を失うも、第2回マンガ大賞2009受賞作品「ちはやふる」で復活を遂げた福岡県出身の女性漫画家である。
きっといろいろいう人はいるだろうが、それは仕方ない。
彼女は、いい仕事をしていくしかないのだ。
それが、赦しなのだ。~いしかわじゅん~
1975(昭和50)年9月8日生まれ。福岡県福岡市出身。
小学校高学年に友人に「漫画家になれる」とそそのかされた事をきっかけに漫画家の道を志し、中学時代から漫画の投稿を始めて、1992年のなかよし新人まんが賞に応募して佳作を受賞した「太陽のロマンス」で現役高校生漫画家としてデビューした。
大学生となった1995年から本格的に漫画家としての活動を開始し、講談社の「別冊フレンドDXジュリエット」や「別冊フレンド」にて読み切り作品を発表し、1996年から別冊フレンドにて初連載作となる「君のための何もかも」を発表し、その後は、
と「別冊フレンドDXジュリエット」「別冊フレンド」を中心に作品を発表していった。
漫画家として順風満帆に見えた2005年10月、2ちゃんねるにおいて他の漫画家の作品の構図をトレースしている疑惑が持ち上がり、さらにアイドルのグラビアからの写真トレス等を含めて多くの疑惑の検証結果が提示された。
※【外部】末次由紀氏の盗用(盗作)検証まとめサイト
講談社が調査した結果、「エデンの花」等でのバスケットボールのシーンで井上雄彦の「スラムダンク」や「リアル」から構図をトレースした事を末次由紀本人が認めたと発表し、謝罪文の掲載と末次由紀の全ての作品を絶版にする措置がとられ、連載中であった「Silver」も連載中止(事実上の打ち切り)となり、この事態は新聞やTVでも報道される事となった為、
今回このような事態を招いてしまって本当に申し訳ありません。
自分のモラルの低さと認識の甘さにより、多大なるご迷惑をおかけしてしまった
著作権者の皆様、関係者の皆様、そしてなにより読者の皆様に深く謝罪申し上げます。
と、末次由紀は漫画化活動を停止した。
しかし・・・末次由紀は漫画を描く事が好きだった。
漫画化活動停止から1年半後、活動停止前と同じ講談社にて「BE・LOVE」誌上に読みきり作品「ハルコイ」を発表して復活し、全国準優勝の実績を持つ編集者から進められて競技かるたを知り、百首の暗記やかるた取りの練習や大会に通う等の精力的な取材を行い、マイナー競技と言わざるを得ない競技かるたを通して成長していくまっすぐな女の子を描いた「ちはやふる」の連載をスタートさせた。
少女漫画とスポコンをくみあわせつつ登場人物達の成長を描き、古典も側面も忘れないと言う同作は、第2回マンガ大賞2009において羽海野チカの「3月のライオン」・中村光の「聖☆おにいさん」・河合克敏の「とめはねっ!」らを押さえて大賞を受賞したが、末次由紀はトレース問題で漫画家として足元を見つめなおすと謝罪した事等もあってか授賞式を欠席し、
過去に犯した間違いというものがあり、自分はまだこういう場に出て行けるような人間ではない。
一生懸命マンガを描いていくことでしか恩返しはできない
とのコメントを発表した。朝日新聞は
たとえ一度失敗しても、挫折しても、あきらめずに思い続けるまっすぐな情熱と、復帰を待っていてくれる人がいれば、人はまた立ち直って歩き続ける。これは、一度は挫折した作家・末次由紀にとっても、見事な復活戦である。
との書評を掲載し、いしかわじゅんは、トレース問題にあえて触れたうえで全ての作品を絶版にされて漫画家生命を断たれ起き上がることは難しいと思われた末次由紀の復活を、
末次由紀は、夢を持っていたのだ。叩かれ倒れたが、それでも夢は捨てずに持っていたのだ。
自分の物語を、世に出したいと思っていたのだ。その物語を、読者に読んでもらいたいと願っていたのだ。
描き手は、作品を世に出すことでだけ、許されるのだ。
末次由紀は、読者に許されたと思う。
と評した寄稿を週刊文春が掲載した。
漫画を描き続ける道を選んで復活した末次由紀は、「BE・LOVE」誌にて定期連載の「ちはやふる」の他、同誌にて不定期連載の「クーベルチュール」を執筆している。
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最終更新:2025/12/13(土) 10:00
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