「本好きの下剋上 〜司書になるためには手段を選んでいられません〜」とは、ネット小説である。
作者は香月美夜。小説投稿サイト「小説家になろう」に2013年9月から投稿されている。
2015年1月から、ソフトカバー単行本レーベル「TOブックス」よりネット連載版に加筆された書籍版が発売されている。書籍版の挿絵は椎名優。
大学卒業後に図書館に就職することが決まっていた本好きの女子大学生が、地震で倒れてきた本に押しつぶされたところで意識が暗転。目が覚めるとファンタジーっぽい世界に生まれ変わっていた……下町に住む貧しい兵士の娘、病弱で幼い5歳の少女として。
そんな異常事態でも、書物を偏愛する彼女は本を読みたいという欲望を滾らせる。だが紙と言えば高価な羊皮紙しかないような世界であり、貧しい平民の彼女には本を購入することなど不可能だった。それでも読書を諦めきれない彼女は、自分で本を作ることを目指しはじめる。幼く病弱すぎる体のせいで空回りばかりだが、逆境を乗り越えて再び本をその手にすることはできるのか?
「小説家になろう」に投稿されている小説には「異世界もの」「転生もの」が非常に多いが、この作品もそれらの内の一つである。
多数の類似作品に埋もれないようにするためか、「主人公が貧乏な家に生まれた非力で病弱な幼児」「転生前の曖昧な知識を使っても中々うまくいかない」など、他の異世界転生ものと比べてやや珍しい要素が多い状態から物語が始まっている。
WEB連載版の目次ページにある注意書きによると、
※最初の主人公の性格が最悪です。ある程度成長するまで、気分悪くなる恐れがあります。
とのこと。
確かに序盤の主人公は、生まれ変わった先の貧しい家族に対して不潔で汚いと心中で罵りつつ自分の目的のために利用して迷惑をかけるなど、かなり性格に難点がある人物として描写されている。
だがストーリーが進むにつれて徐々に、家族は主人公にとって何より大切な心の支えになっていく。序盤を不快に思ってもそこを過ぎるまで読み進められるかどうかが、この小説を楽しむ上での壁かもしれない。
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最終更新:2025/12/07(日) 05:00
最終更新:2025/12/07(日) 04:00
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