柏原竜二とは (カシワバラリュウジとは) [単語記事]

柏原竜二とは、日本の陸上競技選手である。

陸上選手としての概要

年初めに行われる箱根駅伝の5区を走るいわゆる「山の神」として有名な選手である。

大学1年の時はかつて「山の神」と呼ばれた順天堂大OBの今井正人選手にちなんで「山の神童」と呼ばれていたが、いつのまにか神になっていた。
東洋大学の往路4連覇に大きく貢献している人物である。
本人は4年連続で山登りの5区に出場し、4年連続で区間賞、しかもそのうち3回は区間新記録。
かつての今井正人が打ち立てたその記録を3回も塗り替えているまさに新・山の神である。
ただし、本人は「山の神」と呼ばれるのをあまりよく思っていないらしい(下記動画参照)

山登りでは後半になると確かに険しい顔になるのだがペースは落ちず、そのままペースを維持して走りきってしまう。ただし下りが苦手という弱点があり、1年次と3年次は逆転した後、2位の選手に追われる場面もあった。

ちなみにベストパフォーマンスだったのは2年時で、温度が高いという悪条件の中で自己記録を10秒更新し、区間2位の選手に4分8秒差をつけて圧勝。またトップ明治大学との差は4分26秒差あったのだが、前年にも4分58秒差をひっくり返していた柏原は何事もなかったかのように逆転、さらに2位を3分36秒もちぎって往路2連覇のゴールテープを切った。この時の東洋大学は復路優勝こそ逃したものの、復路では一度もトップを譲らずに総合2連覇を果たした。

またキャプテンとして走った2012年も、自己記録を30秒近くも更新する快走で他を寄せ付けない強さを見せつけた。区間2位の選手との個人記録でも約3分差をつけての圧勝である。なにこれこわい。そして東洋大学は往路新記録、復路新記録、総合新記録、更に区間賞10区中6区分獲得、更にそのうちの2つは区間新記録と記録づくめの完全優勝を果たした。何このチート。

大学時代の華々しい活躍が先行しているが、実は高校時代までは自身の貧血気味の体質や母校が全国高校駅伝に出られるような強豪でなかったこともあって無名の選手であり、IH・国体・全国高校駅伝には出場経験無し。ようやく成績が向上したのは貧血を克服した高校3年の夏以降であり、この年の12月に当時今井正人が持っていた5000mの福島県記録を破る好記録(当時)をマーク。その後1月に行われる全国都道府県駅伝の1区で区間賞を獲得し、一気に全国区の選手として注目されるようになる。

大学1年の時は既に東洋大学のエースとしてトラックで大活躍。その後に行われた出雲駅伝では1区で二人の留学生と競り合って区間3位、全日本大学駅伝ではエース区間である2区で全国区の選手である竹澤健介や宇賀地強といった選手を抑えて、同じ全国区の選手である木原真佐人と区間賞を分け合っている。その後の活躍は上述した通りである。

また駅伝人気が先行しがちだが、京都シティハーフマラソンの優勝経験もあるなど、駅伝以外でも活躍している。
大学卒業後は陸上の強豪である富士通に所属しており、寮では「がはらさん」というニックネームの名付け親である走るニコ厨佐藤佑輔と同室である。

社会人になってからは富士通に所属したが、卒業後は故障がちとなり学生時代ほどのパフォーマンスをすることはかなわず、2017年3月限りで陸上からの引退を表明した。

箱根駅伝5区歴代記録(第82回〜第90回）

位	タイム	氏名	大学名	学年	回	年	順位推移
1	1:16:39	柏原竜二	東洋大学	4年	88回	2012年	1位→1位
2	1:17:08	柏原竜二	東洋大学	2年	86回	2010年	7位→1位
3	1:17:18	柏原竜二	東洋大学	1年	85回	2009年	9位→1位
4	1:17:53	柏原竜二	東洋大学	3年	87回	2011年	3位→1位
5	1:18:05	今井正人	順天堂大学	4年	83回	2007年	5位→1位

おかしなことやっとる

2014年の第90回を最後に5区がコース変更されたため、上記の歴代5傑記録は最終確定となった。

箱根5区についての余談

5区の距離が延長された第82回大会以後、箱根の往路を制したチームは例外なく5区区間賞を獲得している。復路逆転があったのも僅か3回にとどまっており、まさに「山を制する者が箱根を制す」という格言通りの時代に突入したとも言える。そういう意味では5区を4年連続で制し、往路4連覇のゴールテープをすべて切った柏原が箱根に与えた影響は大きい。

5区のコースは2015年の第91回大会より、箱根の函嶺洞門が老朽化によって閉鎖され迂回路ができたことによってコース距離が約20ｍ延長された。これによって柏原の区間記録は参考記録となった。しかしコース変更直後の第91回大会で青山学院大学の神野大地(3年)が参考記録となった柏原の記録を24秒も更新して区間賞を獲得。青学としても参考記録となっていた東洋の往路記録を47秒も上回るオマケつきで、往路2位の明治に約5分の大差をつけて往路初制覇を圧勝で飾った。「5区を制する者が同時に箱根往路も制す」と言う距離延長後のジンクスは健在のままである。翌年も神野は故障明けで体調万全ではない中で5区を区間2位でカバーし、後続との差を広げる走りを見せている。(この年の区間賞は日大のダニエル・ムイバ・キトニーに譲った)

なお2017年に行われた箱根駅伝より12年ぶりに5区の距離が変更され、2005年まで行われた旧コースに近いものに戻された。くしくも今井-柏原-神野と続いた山の神たちが完全に去った後の話である。

ニコニコ的概要

そんなわけで今や国民のほとんどが知っていると言ってもいい選手である柏原だが、実は声優の花澤香菜のファンであることが明らかとなっており、そのことがネットで一部話題を呼んでいる。

あすりーと！：東洋大・柏原竜二クンなど箱根駅伝のランナーがガチのオタク揃いな件[外部]

　　花澤香菜の情報がツイッター上で出た時の反応の早さはガチ。

柏原竜二 kashi0713
おー。素敵なニュースだ！ “@yamachang_anx: えー、そろそろニュースとして世の中に出始めたので告知します。花澤香菜、ソロデビュー致します。詳細はこちらで順次発表して行きます。よろしくお願い致します。hanazawakana-music.net”

　2012年2月23日 - 13:23 （元ツイートは13:16）

箱根駅伝や大きな試合前には、必ず「恋愛サーキュレーション」（もしくは花澤香菜の楽曲）を聞いて集中しているとスポーツ雑誌のインタビューで明かしている。

→ということが言われていたのだが、本人曰く「ガセネタ」だそうだ。

＠kashi0713　柏原竜二

この際だから。ガセですよー！！ “: 2年くらい前から言われてますが走る前に恋愛サーキュレーション聴くってのもガセですか？”

http://twitter.com/kashi0713/status/163978705104936961

他にも文化放送の『くにまるジャパン』内『スポーツ情熱列島』に出演する条件として、「花澤香菜のラジオ番組見学」を提示していた。

『くにまるジャパン』：箱根「山の神」柏原竜二選手が「条件付き」で登場！

また、浅野真澄のサイン会に3冊購入して出没するなど、筋金入りの声優オタといえる。
浅野真澄とは後に友人となり（浅野談）、さらにはファンである漫画『ハヤテのごとく！』の作者・畑健二郎とは知り合いになっている。
ちなみに、畑から柏原に「東洋大学のユニフォームを着たナギ」のフルカラー色紙が送られたそうで、柏原曰く「宝物です。」