梨とは、バラ科ナシ属の植物である。一般的には果物としての果実のことを指す。
同名の歌い手に関しては「梨(歌い手)」の記事を参照。
日本で普通に「梨」と言えば和なしのことであり、その他洋梨などを表す場合にはその都度区別されることになる。この記事においても以降は和なしに関して記述する。
大きさや形はリンゴに似ており、たっぷり含んだ甘い果汁とシャリシャリとした食感が特徴。料理やお菓子などの具材に使われることもあるが、主な利用法はそのまま食することである。リンゴなどのフルーツに比べると汎用性は低いと言え、ナシ味の食品を目にする機会は少ない。
沖縄県を除く日本全国各地で広く栽培されている果物であり、収穫量上位の県でも青森のリンゴのように「梨と言えばここ」と言えるほどのシェアがあるわけではない。とはいえ、宅地化が進むも、東京都を含む関東7都県全てで栽培が盛んであり(理由は後述)、首都圏在住者にとって、もぎたてを供することができる、最も身近な果物の一つとなっている。江戸時代から八幡(現在の市川市本八幡あたり)一帯は梨の産地として知られていたようで、江戸で果物のことを水菓子と呼んだのも、梨が関係しているという。
一般に豊水、幸水、新高、あきづきなどの赤梨系と二十世紀、かおりなどの青梨系に大別され、近年は赤梨の人気が高い。かつては鳥取県が圧倒的首位だったが、二十世紀のシェア低下(裏を返せば豊水、幸水、新高の人気が上がった)により現在は5位。
主な産地は千葉県、茨城県、栃木県、福島県、鳥取県の順に高く、水はけの良い関東ローム層などの火山性の土壌、または日本海側の砂丘や砂浜などの砂地、盆地などが梨作りに好適な産地となっている。また、きまって平野や盆地などの平坦部で作られ、東日本に産地が多く西日本に産地が少ないが、これは梨の大敵が風だからである。梨は果実の比重が高く、他の果物と比べると落果に弱い。よって風が吹き下ろす斜面や台風の通り道になるような場所は適さず、風無しが転訛して梨になったという説もあるほど。西日本の産地は比較的台風の影響が少ない場所が多く、立木栽培の場合は國鐵廣島の利器ガムテープを貼って蔓を補強する場合もある。一方の東日本や日本海側は山に阻まれるので、台風の影響は比較的マシである。それでも落果被害を回避できない場合もあるので、近年は梨棚を作って落下しにくいように工夫も行っているが、高額な設備投資費用がかかるため、産地が大規模、高回転にならないとコスト回収が難しい(関東地方の一部の産地が大産地になった理由はこういう背景もある)。
千葉県…日本一の梨産地。白井市、鎌ケ谷市、船橋市、市川市などが主産地で、首都圏へ近い(というかベッドタウンに混在している)ため直売所や観光農園が多い。そのため、各自治体ともPRのためのマスコットが多い。豊水、幸水、新高、あきづきなどといった赤梨が主力。特に白井市は県内一の梨の町として有名で、しろいの梨がブランドとして名高い。戦時中でも、他の産地が軍需向けに他の作物転用を余儀なくされた中、軍へ供出するなどして産地を死守したというほど梨に対する情熱がうかがえる。なし坊というマスコットや富里スイカロードレースに対抗してか、白井梨マラソンなども行われているなど町おこしも盛ん。だけど、知名度はふなっしーの縦横無尽な活躍により、船橋市に奪われつつあるのが悩みの種。その船橋市では和解をいいことにふなっしーを使った梨の宣伝が盛んである(改めて言うがふなっしーは地元特産の梨がモデルである)。マカン鎌ケ谷で有名になった北海道日本ハムファイターズ二軍本拠地や大仏で知られる鎌ケ谷も梨サイダーや梨ワインなどの加工品があり、かまたんという梨を愛する妖怪マスコットがいる。市川市と松戸市をつなぐ大町地区には梨街道という、江戸時代から続く、梨直売所が並ぶ歴史的な通りがあり、そこには大町リコという萌えマスコットがいる。なお、後述する二十世紀も発祥は松戸であり、親戚宅のゴミ捨て場に生えていたのを植え替えたという話である(マジで)。
茨城県…筑西市(旧関城町)、かすみがうら市(旧千代田町)、下妻市などが主産地で、千葉に次ぐ産地。豊水の生産高は全国一の年もある…のだが、農業が盛んな茨城県において、梨はツールの一つに過ぎず、千葉県の自治体ほどマスコットがいたりするわけではない。これは千葉県が直売所や農園などの観光型産地が多いのに対し、茨城県では市場出荷中心だからである。
鳥取県…かつての日本一の梨産地だったが、二十世紀にこだわりすぎたために、ニーズの変化に対応できず首位陥落、そして地位低下…。しかし、それは赤梨に浮気せず青梨一筋でやってきた結果であり、青梨に限定すれば日本一は健在であり、現在も西日本一の梨産地の座は譲っていない。今日では逆に他県が黒斑病に対応できずにこんな面倒な梨育ててらんねーと見捨てた二十世紀を積極的に売り出しており、なつひめなどの有望な新品種も生まれている。また、青梨は日持ちが良いため、輸出用作物としても優秀な点も見逃せない。産地は湯梨浜町(旧東郷町)が二十世紀の一大産地。ちなみに、山陰新幹線建設を祈願してネーミングされた「新甘泉」という赤梨のホープもある。
他の産地(よほど気温が極端でない限りは育つという高性能なので、全国に産地が見られる)
果物の「梨」を語源とする、大日本帝国海軍の駆逐艦として2度命名された。
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最終更新:2025/12/11(木) 11:00
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