無限の住人とは (ムゲンノジュウニンとは) [単語記事]

無限の住人とは、月刊アフタヌーンに連載されていた漫画である。作者は沙村広明。

概要

江戸時代を舞台に奇抜な出で立ちの登場人物が派手に戦う物語。写実的で精緻な絵柄も相まって「ネオ時代劇」ともしばしば評される。2012年5月現在漫画は単行本29巻まで刊行。

また、BeeTrain制作でテレビアニメ化され、2008年7月からAT-Xで放映された。

あらすじ

剣術道場の一人娘浅野凜は謎の剣客集団逸刀流に両親を殺され、逸刀流統主天津影久を討つことを誓う。そのために百人斬りの異名を持つ万次を用心棒に頼むことになった。万次は、八尾比丘尼によって不死身の体を与えられた人物だった。

主な登場人物

変な名前が多いが一部の人物の名前は葛飾北斎の種々の名前から取られている。卍、宗理など。

万次（まんじ、卍） - 声:関智一: 主人公。八百比丘尼により血仙蟲を埋め込まれ、不死身となっている。それまでの罪を償うために悪党を1000人殺す誓いを立てている。; 元は山で野猿のような生活をしていたが、旗本に拾われ腰物同心になった。しかし、旗本の悪行を知って殺害し逃亡、お尋ね者となる。; その際追っ手100人を斬り殺したため、「百人斬り」の異名を持つ。この時はまだ血仙蟲は埋め込まれていなかった。; 着物の下に多数の武器を隠し持っていて、たびたび倒した敵から気に入った武器を頂戴する。
浅野凜 - 声:佐藤利奈: ヒロインで浅野道場の一人娘。浅野虎厳の娘。父母を逸刀流に殺された。恨みを果たすべく用心棒として万次を雇う。; 道場主の娘なので、一般人よりは刀の心得はあるが、自身の力不足から開発した自称必殺技「殺陣黄金蟲」という刃物投擲術を使うため、両腕に数本の小刀を忍ばせている。
町 - 声:坂本真綾: 万次の妹。偶然自分の旦那を万次に斬られたところを目撃したため、正気を失ってしまう。
天津影久（あのつかげひさ） - 声:野島裕史: 逸刀流の統主で若き天才。狂死した祖父の無念を晴らすため、また形骸化した武士階級や剣術を変革すべく、一対一の勝利が絶対条件の「逸刀流」を立ち上げる。; 冷静で開明的。勝てるのであれば素性や人間性、生まれや武器さえ問わないリアリスティックな考えを持つ。; 主な武器は、原始的な形状の一対の斧と直刀「頭椎（かぶつち）」。斧の方は相当な重量らしく、防いだ相手の刀ごと頭蓋を叩き割ることが出来る。; 某格闘ゲームのキャラクターのモデルになった。
凶戴斗（まがつたいと） - 声:中井和哉: 逸刀流。ツンツンヘアーが特徴の若い兄ちゃん。戦闘時はマスクで口元を覆う。凜の父の形見の刀を持っている。; 山育ちで地の利を生かした闘いを好む。侍によって理不尽に妹を殺されたため、武士階級を憎んでおり、その変革を目指して逸刀流に参加した。; 武器は西洋風の肉厚両刃直刀「グラントルコ」。細身の片刃直刀が内蔵している仕込み刀でもある。; 某忍者漫画のキャラクターのモデルになったとかならないとか。
黒衣鯖人（くろいさばと） - 声:江原正士: 逸刀流。凛の父を殺した張本人。兜鎧に身を包んだ巨漢。言動は紳士的で腕も立つが、ぶっ飛んだ性癖を持つ。; 武器は二枚一組で大型の手裏剣のような武器。
閑馬永空（しずまえいくう） - 声:小西克幸: 逸刀流。万次と同じく体内に血仙蟲を埋め込まれ、200年以上生きている。戦国時代はとある武将に仕えており、今までに殺した人数は1000人以上。; 昔、チベットを徘徊していた時に見つけた血仙蟲を殺す秘薬「血仙殺」を持っている。
阿葉山宗介（あばやま　そうすけ）: 逸刀流副将で隻腕の老人。天津不在時は統主代行を務める。; 歳のせいか引退を考えているようだが、知力、剣力ともに未だ衰えぬ実力者。
乙橘槇絵（おとのたちばなまきえ） - 声:能登麻美子: 剣の天才だが遊女となった天津のハトコにあたる女性。剣の腕は天津をもってして「越えられない壁」と称されるほどの実力で、遠くからの立ち振る舞いだけで吐鉤群を恐れさせた。; 恐らく作中最強の女。武器は三節棍の両端に刃物が付いた「春翁（はるのおきな）」。普段は三味線の中に畳んでしまってある。
尸良（しら） - 声:三木眞一郎: 無骸流の一人でドSの中のドS。狙った敵をいたぶりながら殺すことに愉悦を覚える残虐な性格の持ち主。特に女性に対しては、犯しながら急所に刃を突き立てて殺すことを最上の快楽とするという、変態的性癖を持っている。; 武器は峰が鋸状になっている直刃刀「ホトソギ」。鋸状の刃は嬲り殺すためにわざと切れ味を落としている。; 漢字を当てると「女陰削ぎ」。完全にアウト。; 作者のドス黒い変態部分を凝縮して出来たキャラクターらしい。
真理路（しんりじ） - 声:内田夕夜: 無骸流。元は呉服問屋の丁稚だったが、店の金に手を付けて死罪になりそうなところを拾われる。; 冴えない男で大概は百淋と行動を共にしている。百淋に想いを寄せているが相手にされていない。
吐鉤群（はばきかぎむら） - 声:菅生隆之: 幕府の新番頭。剛健な気風を持つ武人とも言うべき性格をしている。; が、幕府に対する忠義が半ば妄信的で、非人道的な行為だろうと幕府のためなら行う冷徹さも持つ。; 作中最強格の一人で、比較的真っ当な剣術を使う。居合術は、万次が痛みで気付くまで攻撃されたことがわからなかったほど。; 万次を捕らえ不死の秘密を探る。凜による万次救出の際に罪人が逃げ出すなど江戸城に混乱を招いた科で新番頭の地位は剥奪され、切腹を命ぜられる。; 武器は白鞘の太刀「鴉鷺（あろ）」。柄には竜の紋様が入っている。
偽一（ぎいち） - 声:森川智之: 無骸流。スキンヘッドに丸サングラスという時代を先取りした見た目の元船大工。; 冷静で寡黙で生真面目で敵には容赦無いが、多々百淋を気遣う場面が多く情に厚い（密かに惚れてる？）。; 元船大工とは思えぬほどの実力を持ち、数多の逸刀流剣士を狩ってきた。; 武器は柄の付いた手錠のような武器「錦連・三途ノ守（かねつち・みとのかみ）」。手錠部分の内側が刃になっており、柄の先に鎖がついて鎖鎌のように相手の首に投げつけ尋問する、武器を絡め取るなどの使い方ができる。
百琳 - 声:豊口めぐみ: 無骸流。高下駄で金髪のアラサー女性。姉御肌で面倒見もよく、凛にちょくちょくアドバイスしたりもしてる。金髪は地毛ではなく、南蛮の薬を使って色を落としている。; 真っ向勝負するほどの実力はないので、地の利を生かしたり、真理路と組んで搦め手を使って逸刀流狩りしている。髪色のせいで目立つのを避けているのか変装もよく行う。; 武器は手首に装着するタイプの折りたたみ式小型弓矢「群踏（ぶらふま）」。筈が尖っていて、相手を刺すこともできる。矢は毒矢なので致命傷にならずとも数分で死に至る。
川上新夜（かわかみ　あらや） - 声:浪川大輔: 逸刀流剣士。普段は素性を隠し、息子の練造と共に面屋を営んでいる。; 逸刀流変態衆の一人。女性にペインティングすることで興奮する変態。
宗理（そうり） - 声:関俊彦: 町の絵師だが、公儀隠密で剣の達人。凛の父の親友。絵の腕を磨くため剣の腕を磨き、色々なものを手に入れやすい公儀隠密になった。; 人生を芸術に捧げている。娘の辰と二人暮らしで家事全般を娘に任せっきり。; お金持ちなようで、ちょくちょく万次＆凛コンビに路銀を上げている。; 作中最強格の一人。一方的に凶をボコボコに出来るほどの実力を持つ。
八百比丘尼（やおびくに） - 声:京田尚子: 万次と閑馬に血仙蟲を埋め込んだ謎の尼僧。自身にも血仙蟲を埋め込んでおり800年以上生きている。; 人魚の肉を食べたとされる伝説の人物、八百比丘尼が元ネタ。