現世と冥界の逆転とは (ゲンセトメイカイノギャクテンとは) [単語記事]

現世と冥界の逆転とは、漫画「遊☆戯☆王」に登場するカードである。

概要

互いのデッキ（現世）と墓地（冥界）を入れ替える効果を持つ罠カード。イシズ・イシュタールが使用する。

登場したのはバトルシティ編での海馬VSイシズ戦。
海馬の「死のデッキ破壊ウイルス」（原作効果）と「魔法除去細菌兵器」（原作効果、アニメでは「魔法除去ウイルスキャノン」に変更）でデッキを壊滅状態にされたイシズが逆転の一手として発動。これによって大量のカードを墓地に送られていたイシズのデッキは蘇り、逆に海馬のデッキが残り6枚となった。

闇マリクによれば、このカードのために表マリクはイシズに一度も勝ったことがないのだとか。とは言うものの、このカードは相手が積極的なデッキ破壊でも行わない限り、発動条件を満たすより先に決着が付いてしまうような気がする。
あるいは、後述のOCGでの戦術を行っていたのかもしれない。だとすると大人気ない話である。

アニメGXでは橘一角のデッキに投入されているのが確認できる。「一撃必殺！居合いドロー」の回収用だろうか。
このとき、なぜか存在しない世界統一フォーマットで登場した。

OCG版

週刊少年ジャンプ2002年4・5合併号の付録として登場。テキストは以下。

通常罠（禁止カード）
自分の墓地にカードが１５枚以上ある時、１０００ライフを払い発動。
お互いに自分の墓地と自分のデッキのカードを全て入れ替える。
その際、墓地のカードはシャッフルしてデッキゾーンにセットする。

※遊戯王カードWiki より引用

効果は原作と変わらない。

普通に使うのではあまり意味が無く、相手は墓地肥やしができて万々歳になることもある。このカードの真価はコンボを意識した専用デッキに置いて発揮される。

コンボの構造はいたって簡単。「天使の施し」や「第六感」で自分の墓地だけを高速で揃え、このカードの発動条件を満たしてこのカードを発動、相手のデッキが0かそれに近い状態になったところを「手札抹殺」あたりで無理やりドローさせて敗北させるというものである（デッキからドロー出来なくなると敗北になるため）。おまけに「魂の解放」などで相手の墓地を0にして発動すれば、「手札抹殺」を使わずとも、あとは相手にターンを渡すだけで勝利できる。

たくさんのカードや複雑な効果がいくつも重なって成立するような1ターンキルと違って、かなりシンプルなデッキになるが、それゆえに成功率はかなり高い。今でこそ軒並み禁止カードだが、当時は墓地を大量に増やしつつ手札の補充にも使える「苦渋の選択」、「第六感」、「天使の施し」などの相性のいいカードがたくさん使えたのである。

このカードは罠カードのため、通常はセットしてからターンを待つ必要があるが、「処刑人－マキュラ」や「王家の神殿」を使えば先攻1ターン目からこのカードが発動可能。そうすれば相手は何もできないままほぼ確実に1ターンキルができる。
この状態で相手が対抗するには、先攻を手にして「王宮の勅命」をセットしてこのデッキのキーパーツをほぼ封じるしかない。これではじゃんけんゲームである。

そんなお手軽で強力な1ターンキルデッキが作れるこのカードが放っておかれるはずが無く、登場から1年足らずの2002年5月1日付で制限カードに指定された。それからしばらくその位置にとどまっていたが、上述の1ターンキルのほか、大会における時間切れを狙うために勝負を長引かせるときなどに用いられたり、ろくな使われ方をされなかったため、2006年3月1日にとうとう禁止カードに指定されてしまった。
現在も禁止カードの枠に収まり続けている。

ここまでの解説で挙げたカードたちは禁止カードのオンパレード。「天使の施し」、「第六感」、「苦渋の選択」、「処刑人－マキュラ」、「王家の神殿」、「王宮の勅命」とこのカードが該当する。さらに言えば「手札抹殺」は制限カードである。(奇しくも「処刑人－マキュラ」は闇マリク、「王家の神殿」はリシドが使用したカードであった)
インチキ効果といわれても文句が言えないほどの強力カードが大量に使用可能だった時代のデッキである。
現在でも復活すればすぐに悪用されるのが目に見えているため、今後も帰ってはこれないだろう。

このカードの効果はデッキを「墓地に送る」のではなく入れ替える。そのため、墓地に送られることをトリガーとする「コカローチ・ナイト」や「ペンギン・ナイト」で対抗することはできないので注意。

WJでの収録以来、一度も再録されたことはない。そのため、第3期以降のフォーマット（世界統一フォーマット）のこのカードは現実には存在しない。禁止カードであるため、再録の望みは薄いだろう。
禁止カードゆえに実用性は無に等しいので、どうしてもほしければカードショップなどに行けば手に入るだろう。

週刊少年ジャンプのおまけカードであるため、一応250円同盟の一員ではある。ネタとしてのインパクトや知名度では「レッド・デーモンズ・ドラゴン」や「機皇帝ワイゼル∞」に劣るが、強さでは負けない。